2月の映画メモ 「デトロイト」、「Wah Do Dem」、「万引き家族」

★手に汗握る映画

デトロイト (2017)

凄かった、これ! 

これは1年以上前の映画なんだけど、なんでこんな凄い映画を見逃していたんだろう。「ハート・ロッカー」でアカデミー監督賞を受賞したキャサリン・ビグローの作品だし、おまけに私が15年も住んでいたデトロイトが舞台の映画絶対に目に留まるはずなのに…。

見逃したのは、そんなにアメリカで話題になってなかったからだと思うんだけど、それも不思議だ。 テーマは白人警官による黒人一般市民の射殺事件で、この映画が元になっている事件は1967年なんだけど、こういう事件は今のアメリカでも頻繁に起きている。 なんか私の感覚からいって、月一ぐらいでニュースで流れる。 そして驚くことに、2019年の今でさえ、無装備の黒人を拳銃で撃って殺した警官が無罪になったりしてる。 こんな深刻なテーマなのにどうして話題にもならなかったんだろう?

映画の完成度もかなり高かった。 迫真の演技で、緊迫したシーンが延々と続き、もう見てられないと感じさせるぐらいまで張りつめていき、それでも終わってくれないの。 ゴムをどんどん引っ張って行って、いつ切れるかハラハラするあの感じね。 見終わって、どぉーっと疲れた。

なんか日本のポスターではアカデミー賞最有力とか書かれていたけど、かすりもしなかったってどういうこと? なんか政治的圧力でもあったのかしら? うーん、謎。 

この年のアカデミーって「シェイプ・オブ・ウォーター」なんていう半魚人と人間の純恋愛モノが取っていったんだよね。 そして、ハリウッド界においては、人種差別よりもセクシャルハラスメントの「ミー・トゥー運動」が注目されてたんだよね。 本当にアカデミー賞ってわからんわ。  

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★私のジャマイカ学習の映画

Wah Do Dem (2010)

実は今年の目標は夏にジャマイカに行くこと。 でもさ、一人でジャマイカに行くのは結構ハードルが高いんだよね。 なぜかというと、私はビーチリゾートはスルーして、レゲエのメッカ、キングストンに行きたいから。 それとブルーマウンテンもハイキングしたいね。 でもキングストンはすっげぇ危ないっていう人がたくさんいるんだよね。 それで、下調べのためにジャマイカ関係の映画を観ることにした。 

その一つがこれだったんだけど、あーぁ、お決まりのごとく、主人公の白人男子がジャマイカ到着一日目で身ぐるみ剥がされてる。 でもマリファナタバコをくれた知らない奴に荷物を見てもらって、海でひと泳ぎして戻ると跡形もないって…当たり前だろ、 こいつアホだ。 そこで、リゾートビーチから、一文無し、海パン、裸足のままで、山を越えキングストンのアメリカ大使館まで行こうっていう展開。 

でもさ、何にもないっていうのは、自由なんだよね。 ナイフで脅されても、「俺が何か持っていると思うなら、何でも取って行けよ、ほんとに、何もないから」 ってビクともしないの。 あぁ、こういうのもありか、って思った。

この主人公がバカだったので、この映画でジャマイカの危険度の結論は出なかった。 でもブルーマウンテンのきれいな風景がますます私のジャマイカ熱を上げるのよ。

日本未公開だけど、ノラ・ジョーンズやMGMTがカメオ出演をしてるので、音楽ファンは だけどチェックしてみてもいいかも。 主人公の俳優も私は知らなかったけど、ミュージシャンらしい。

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★たまに見るといいね、日本映画

万引き家族 (2018)

アメリカのネットフリックスやアマゾンプライムで観れる日本の映画は、アニメかホラーぐらいしかない。 でもさすがにこの映画カンヌのグランプリを取っちゃったから、アメリカでも紹介されるわな。 英題はシンプルに「shoplifters」です。

私が愛する負け組の物語で、この家族の一人一人すべてを愛してしまったわ。 愛情と、そして経済的な理由で繋がっているようなんだけど、けっこうそれぞれが独立している。 べったりじゃないところが良い。

私も血の繋がりとか淡泊な方だと思うけど、だからと言って赤の他人と繋がれるかと言うと、それも違う。 要するに一人が一番いいの。 家で一人でいるのが一番好き。 だから、この映画のように、狭い家で肩が触れそうな距離に人がいるのを見ているとちょっと息が詰まりそうになった。 

私は愛情はペットで十分だから、あとは経済的に自由が欲しいわね。

 

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非バレンタインデー プレイリスト 最終回 ぼっち寂しい、誰か愛して!編 Love Me, Please Love Me、Somebody to Love, How Soon is Now

まずは、懐かしのぽるなれふ💛 このブログに上がってくるのは全て懐かしい曲なんだけどさ、この曲は私が子供の時、母が聴いてたんだよね。

フランス語はわからないので訳はナシだけど、英語の部分の

僕を愛して、お願いだから僕を愛して、ジェスィフールーウーウー」 

だけで、すべて伝わってくるような…。 そしてこの哀愁はやっぱりフランス語ならではのもの。 ジェスィフールーウーウー♬

Love Me, Please Love Me - Michel Polnareff (1966)

youtu.be

 

次は映画「ボヘミアンラプソディー」が大当たりしたフレディのぼっちソング。

★Somebody to Love ‐ Queen (1976)

誰か私に
愛する人を見つけてくれ

毎朝起きると、少しずつ死んでいく
自分の足で立つのもやっとだ
鏡を見て嘆く
神よ 私に何をするのか
ずっとあなたを信仰してきた
でも一瞬たりとも安らかになれない
誰か、ああ誰か
私に愛する人を見つけてくれないか

感覚も失った リズムも失った
鼓動がどんどん乱れていく
大丈夫 心配ないさ
敗北には直面しないさ
この牢獄から抜け出さなくては
いつか私は自由になる、神よ!

愛する人を見つけてくれ 愛する人を見つけてくれ 愛する人をみつけてくれ
愛する人を見つけてくれ 愛する人を見つけてくれ 愛する人を見つけてくれ

誰か私に...
愛する人を…
見つけてくれ...

<Syco訳>

 

リアルタイムでクイーンを聴いていたこの当時、私はフレディがゲイだということは微塵もわからなかった。 カミングアウトもしてなかったしね。 でもなんで気づかなかったのかが不思議なぐらい、今見るとステージの上のフレディはゲイ全開してるね~。

youtu.be

 

やっぱり最後はスミスで〆たいと思います。

 ★ How Soon is Now? - the Smiths (1985)

僕が持って生まれたものは気弱
それは犯罪と言えるほど俗悪
それ以外に引き継いだものは
特に何もない

黙れ
僕が間違ったことをせっせとしてるって
何故言えるんだい?
僕だって人間だ 愛される事が必要なんだ
みんなと同じように

僕が持って生まれたものは気弱
それは犯罪と言えるほど俗悪
それ以外に引き継いだものは
特に何もない


黙れ
僕が間違ったことをせっせとしてるって
何故言えるんだい?
僕だって人間だ 愛される事が必要なんだ
みんなと同じように

もし出掛けたければクラブがある
君を愛してくれる誰かに会うことが出来る
だから君は行くのだけど、結局一人ぼっちで
そこを出る
家に帰って君は泣く
そして、死んでしまいたくなる

君が、今にきっと起こるって言う時
その「今」って具体的にどういう意味なんだい?
ごらんよ、僕はすでに長いこと待ってきた
そして希望は全て失なわれた

黙れ
僕が間違ったことをせっせとしてるって
何故言えるんだい?
僕だって人間だ 愛される事が必要なんだ
みんなと同じように

 <Syco訳>

youtu.be

 

はぁ~(溜息)、みんな愛されたいんですね~。 私はもう女を過ぎてるから余裕ですぜ。  故にどんな切ない曲でも楽しめちゃいます! Happy Valentine's Day! 💛

非バレンタインデー プレイリスト ③ 捨てられても未練たらたら編 You Don't Love Me (No, No, No), So Lonely, See You

バレンタインデーに向かって、どんどん暗くなっていきます。 捨てられても未練たらたらって見てらんない。 頑張って次に進め!! 

 

★You Don't Love Me (No, No, No) ‐ Dawn Penn (1994)

いいえ、あなたはもう
私を愛してはいないの
今はもうわかってる

いいえ、あなたはもう
私を愛してはいないの
そうよ、わかってる

だってあなたは去っていったから
ベイビー、だから私はもう帰る場所がない

いいえ、私はもう
あなたが言うこと何だってする

いいえ、私はもう
あなたが言うこと何だってする

だってもしあなたが望むなら
ベイビー
跪いて懇願するつもりよ

 <Syco訳>

藁人形に五寸釘を打ってそうなメロディだわね。 一発屋だったけど、レゲエの曲がヒットしてくれただけでおばちゃんは嬉しい!  

youtu.be

 

★So Lonely - the Police (1978)

昨日誰かが僕に言った
君が恋人を捨てるときは
全く平気なふりして
どこかに出かけるみたいな感じなんだって
でも僕は納得できない
君でないと生きていけない
僕ができることと言えば
ひとり座って傷ついた心を慰めるだけ

とってもさびしい
とってもさびしい
とってもさびしい
とってもさびしい

もう誰も僕の部屋に来やしない
1000年たっても永遠に来ない
全てが終わった 行くところもない
僕のワンマンショーにようこそ
座ってください 全て自由席
謎解きも種明かしもない
この劇場を僕の魂と呼ぶ
主役はいつでもこの僕だ

とってもさびしい
とってもさびしい
とってもさびしい
とってもさびしい
とってもさびしい

<Syco訳>

1000年たってもひとりぼっち、永遠に僕はひとりぼっちって、後ろ向き過ぎじゃないですか。 と言いながらも、色男スティングさんは余裕を感じさせますねぇ。

PVの地下鉄のシーンは80年代の日本よ。 (町並みは香港だそうです)↓↓

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★See You - Depeche Mode (1982)

ただもう一度だけ会ってほしい
これって無理な願いじゃないよね?
ただ君の優しい笑顔がみたいだけ
前にくれたような笑顔
君を抱いたりキスしたりとかは
しないようにするから
君に触れることすらしないよ

ぼくはただ君の顔が観たいんだ
信じてくれないの?

君と一緒に森の中を歩いたよね
しばらくベンチにすわったりしてさ
一緒に笑ったり遊んだりした思い出は僕の宝だ
お互いの目を見つめあったよね
僕を信用できないなら、距離を空けてもいいんだよ
でも誓うよ、絶対に君に触れない 

ただ顔が見たいんだ
信じてくれないの?

5年間は長いし
その間にいろいろ変化があったけど
君は気づくと思う
人間って底の部分は変わらないってこと 

まだ川が流れているなら、僕らは泳ぎに行ける
前によくやっていたことをまたやろうよ
僕が躊躇ってたら止めてもいいよ
僕らは青春をやり直せるよ
でも兄妹みたいな仲でもいいんだよ
でもやっぱり君をまだ愛していると思う

ただ顔が見たいんだ
信じてくれないの?

 <Syco 訳>

このデペッシュ・モードの歌詞はけっこうヤバイ。 君には絶対に触らないから、会ってくれよってなに? 触れられたくもない奴には普通会いたくないよ。 兄妹みたいでいいから仲よくしようって、絶対ムリムリ。 警察に通報一歩手前だよ。

youtu.be

 

非バレンタインデー プレイリスト ② キビし過ぎる片思い編 Creep, Two Atoms In A Molecule, Don't be mean

イタい片思いの経験は思い出すのも嫌かも。 しかし忘れられない…。 こうして歌い飛ばすのも克服する手段よね。 

まずはネガティブの王道と言えば、モリッシー? いえいえ、レディオヘッドでございます。 大ヒット曲「キモい奴」。

★Creep ‐ Radiohead (1993)

君がここにいたとき
目を合わすこともできなかった
君はまるで天使のようで
涙が出るくらい美しい肌

君は美しい世界で
鳥の羽根のようにフワフワと浮かぶ
僕も君の世界に入りたい
君は別世界の人

でも僕はキモい男 僕は変わり者
なぜ僕はここにいるんだ
全くお呼びじゃないのに

傷ついてもいいから
主導権を握りたい
完璧な身体が欲しい
完璧な心も欲しい

僕が居ないときは
ちゃんと気づいてほしい
君は別世界の人
僕も君の世界に住みたい

でも僕はキモい男 僕は変わり者
なぜ僕はここにいるんだ
全くお呼びじゃないのに

あの子はまた走って出ていく
走って外へ
走る 走る 走る

君が幸せならそれでいい
好きなようにすればいい
君は別世界の人
僕も君の世界に住みたい

でも僕はキモい男 僕は変わり者
なぜ僕はここにいるんだ
全くお呼びじゃない 全くお呼びじゃない

<Syco 訳>

トム君、 自分のことキモイなんていっちゃダメ! それも絶叫しちゃってるし…

↓↓

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★Two Atoms In A Molecule - Noah And The Whale (2008)

きのう僕は夢を見た
僕たちはしっかり絡まっていて
まるでロープに絡まる蔦みたいで
しっかりお互いを抱き抱えて
お互いのこと以外頭にないみたいで
一つの分子の中の二つの原子みたいで
分離不可能なくらい合体していた

でも夢から覚めたら
ひとりぼっちの自分がいた
悲劇だと、自分も認める
でもそんなに憐れんでくれなくてもいい
ラブソングをこのまま続けようと思う
ただ悲しい惨めな嘆きになってしまうけど
たぶん気分を変えた方がいいかも
新しいオーデコロンでも買えばいいのかな

でも彼女のことを考えると
胸が突き刺すように痛む
きみは毎日僕を苦しめる
そしてある日きみは居なくなる
悲惨な日々に明け暮れていたけれど
でも初めは楽しみもあった
それだけでも価値があったと言えるかも
きみはわずかな間でもぼくを相手にしてくれたから

愛はただのゲームだっていうなら
なんで全然楽しくないの?
愛はただのゲームだっていうなら
なんで僕は一度も勝てないの?
たぶんゲームのルールを間違えプレイしてるのかな
だからサイコロを投げても
毎回あがることはできないんだ

<Syco訳>

今知った。 ノア&ザ・ウェールってイギリスのバンドだったんだ…。 Geek(オタク、もしくはガリベン君)っぽいから絶対アメリカのカレッジバンドだと思ってた。 Laura Marlingがこのバンドのメンバーだったてことも知らなかった。 ブログをやってるといろいろ調べるから、ためになるわ~。 なんのためかはわかりませんが。

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★Don't be mean  ー the Raincoats (1996)

あなたはウェストボーン通りを歩いてた
私と目が合って、あなたは手を振った
あなたは空に向かって手を高く、高く上げた
でも手を振った相手は私じゃなかった
大きな黒いタクシーをただ拾おうとしただけ
大至急タクシーに飛び乗るあなた
愛しいあなた、私の苗字はバーチ(白樺)だけど
私はただの街路樹じゃなくてよ
それに私を避けているのがわかってるのよ
それにこう思い始めたの
振り向いてくれたら歓迎するけど
私が老いたとしても
あなたは私を見て目を逸らすと思うわ
この前のあなたみたいにね


あなたと私は孫らが遊ぶ公園のベンチに座っているの
そしてあなたは私と目が合うとこっちにおいでと叫ぶのよ
でもそれは私を呼んでいるんじゃなくて
あなたの孫のジミーやジェニーやジャックのことね
そして私たちのどちらかが心臓が止まりそうになる
おじいちゃん、おじいちゃん、どうしたの
なんで、なんで僕たちは動物園に駆け込むの?
ジミー、おしゃべりをやめなさい
手をつなぐから歩きつづけなさい
それで私はこう思い始めたの
振り向いてくれたら歓迎するけど
私が老いたとしても
あなたは私を見て目を逸らすと思うわ
この前のあなたみたいにね

きっとあなたは全部私の思い込みだって言うわよね
私は妄想癖や
その類の病があるの
もう一年以上も経っちゃって
もう流す涙もないけれど
そうなのよ、あなたが去ってから品行が悪いのよ
でもわかるでしょ、あの時
頭がおかしくなるぐらいあなたを愛していたの
冷たくしないで、冷たくしないで、冷たくしないで、冷たくしないで、冷たくしないで冷たくしないで

それで私はこう思い始めたの
振り向いてくれたら歓迎するけど
私が老いたとしても
あなたは私を見て目を逸らすと思うわ
この前のあなたみたいにね
さようなら 愛しい人
さようなら!

<Syco訳>

レインコーツのジナ・バーチ(この曲のボーカル)、怖すぎよ。 最後の「さようなら」は諦めじゃなくて、ストーカーが被害者を殺して吐き捨てた「さようなら」のような気がするの。 だって、最後にバイオリンでヒッチコックの映画「サイコ」と同じ効果音を奏でてる!

youtu.be

 

非バレンタインデー プレイリスト ① モテない編 Is She Really Going Out With Him, If You Got The Money,Underground

バレンタインデーが近づいているから、ラブソングのプレイリストを作ろうかとも思ったけど、ラブソングなんて山ほどあるし、怠いからやめた。

逆に自分の過去を振り返りつつ、バレンタインデーに寂しい思いをしてる人のためのプレイリストを作ってみた。 

まずは単純にモテない奴のうた。 

バンドをやる男子の動機の80%が「女の子にモテたい」だそうです。 ヒトの、種を残すという本能が音楽を作り出してるんですね~。

★Is She Really Going Out With Him - Joe Jackson (1979)

家の前をかわいい子がゴリラ男と一緒に歩いてる
窓から覗いているうちにコーヒーが冷めちまう
あそこを見ろよ (どこ?)
前に知り合いだったあの子
今では結婚したとか婚約したとか聞いたけど

あの子はほんとにあいつと出かけるのかい?
今夜ほんとにあの男と家に帰るのかい?
あの子はほんとにあいつと出かけるのかい?
だって俺の目が確かだとしたら
この界隈で、なにか間違ったことが起きている

今夜俺はこのあたりのパーティーの全部に顔を出すぜ
髪も洗ったし、モテる男みたいに振舞うんだ
あそこを見ろよ (どこ?)
ジニーが新しい彼氏とやってくるぜ
人は外見は重要じゃないっていうけど
それが本当ならあれがいい例さ

もし一睨みして人を殺せるなら
死人よりもくたばってる男がそこにいるはずさ
だって俺はもう限界に達した
聞けよ、おまえ、彼女の肩に腕を回すな
その光景は胸くそが悪くなる

あの子はほんとにあいつと出かけるのかい?
今夜ほんとにあの男と家に帰るのかい?
あの子はほんとにあいつと出かけるのかい?
だって俺の目が確かだとしたら
この界隈で、なにか間違ったことが起きている

<Syco 訳>

劣等感のかたまり男、ジョージャクソン君の「世の中間違ってる...」とボヤくうたです。

 

youtu.be

 

★If You Got The Money -Jamie T (2007)

もし金があったらなら、
もっと愉快だろうな
女の子をデートに連れ出してちょっと奮発できる

そしたら彼女は喜ぶし、
もうひとりでいることは無いし、
次の日からは気軽に誘い出せる

昨日の夜はクラブでナンパしようとして、
そこはブラザーばかりのダンスフロアで、
チューインガムみたいに叩きのめされて
俺は床に倒れたまま
潰れた顔で墓場行きのうたを歌ってた。
いい声で鳴く鳥は路地では奏でない
甘いメロディは唾を飛ばして歌わない
俺達は唾を吐きまくり
話すこととは夢の無いことばかり
だから飲めるだけ飲んでゲロを吐け

11時ごろには俺達は天国の一歩手前で
朝の3時には逃した恋のチャンスについて考え、
4時ごろまでにはハイになって、ふられた相手のことを考える。
まだ望みはあるかい、努力する価値があるのかい

まだお前、気にしてるのかい
正面も向けないとはだらしないぜ
眠れず、飯も喉に通らず、
なんでいつも酔っ払っているんだ
なんで外は熱いのにお前は震えてるんだ
なぜなら自分がまいた種を刈っているからだ

もし金があったらなら、
もっと愉快だろうな
女の子をデートに連れ出してちょっと奮発できる

そしたら彼女は喜ぶし、
もうひとりでいることは無いし、
次の日からは気軽に誘い出せる

いつでも辞めてやると考えながら仕事をして
始終職を変える
ドアの鍵を始終開けとくってことだが愛なんだって
彼女にしつこく言うべきか考え
カラオケでバディ・ホリーのしゃっくり入れながら
平気で歌う男になりつつある
お前のペニスは糸サイズ 針の穴で十分だ

俺の曾じいさんはガリポリで戦った
仲間の中で生きて帰ってきたのは俺の曾じいさんだけだった。

カップルはみんな唾を飛ばしてわけのわからない事を話す。
公園でけんかし
お互いを虐めあい
ガキのくせに肺を真っ黒に汚し
図体のでかい兄貴を盾にして脅し
仲間の誰かに止められ走って逃げたり
そして未だにママが夕飯を作って待っている
一日中働いても稼ぎなどほとんど無く
山の手からドブ川へと踊り歩く

<Syco 訳>

 

「金があったら俺だってモテるのに」というロンドンの吟遊詩人、ジェイミー君。 プロモビデオは勘違い男子がたっくさん出てきて楽しい ↓↓

youtu.be

 

★Underground - Ben Folds Five (1995)

学校では全然イケてなかったから
きみはきっと僕を覚えていないよね
あれから10年も経ったけど
未だに自分探しが終わらない
それにいろいろなサークルや徒党や趣味の仲間と
交わるのが大好きだし (それが僕)
僕に鼻ピアスをくれない? (僕らは仲良くなれないかな)
モッシュピットを見せてくれない?(僕らは仲良くなれないかな)
僕らはアンダーグラウンドで
幸せになれるはずだよ
 
誰がカッコいい?
誰が頭がいい?
誰がすべて備えている?
僕にあるのは心の傷
だだそれだけ
そこのきみ
寂しそうな顔をしたきみ
ほかにも何かあるはず
ぼくに何か言わせてほしい
通路でよくすれ違う子がいた 
いつも僕に笑いかけるんだけど、シャイだった僕は
下を向く ただ下を向くだけ
下を向いちゃいけない ダメ ダメ
アンダーグラウンドに降りて行こう
そこが目指す場所だ
そこはいつも朝であり
夜であり
全てがある
靴音を立てて僕はそこに行く
 

アンダーグラウンド アンダーグラウンド ooh
アンダーグラウンドではすべてが楽しい
小突かれたり蹴られたり
ここでの人生は暗かっただろう
全てがヘビーなアンダーグラウンド

そして僕らは黒一色に飾られる
夢のような穴蔵でスラムダンスを踊る
決まりを守ってたまじめな男の子が
モヒカンになる
そしてその子も知っている
僕らがどこから来たかを
インダストリアルな世界
がんばれ アンダーグラウンド
潜れ 潜れ 潜れ


幸せになれる
幸せになれる
幸せになれる
アンダーグラウンド
あぁ、なれるさ
なれるとも
なれるに決まってる
全てがヘビィ!

<Syco 訳>

 

ベン・フォールズの出生地ウィンストン・セーラムは私の住んでいる町のすぐ近くなんだよね。 タバコ産業で有名なかなり田舎の町よ。 そんな田舎の高校でも、イケてなかったのね。 

地下(アンダーグラウンド)が何を意味しているかはいろいろ考えられるけど、自殺という説もある。  地下で黒に一色に飾られるとか、軽快なピアノポップに乗せて、怖いことをうたっている。 でも私は、周りに溶け込めなくっても、どこかに自分の居場所が見つけられるんだよ、というメッセージだと思いたい。

 

youtu.be

 

 

私の年間ベストアルバム 1984年 Eden 寂しい女の癒しのメロディ

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80年代の前半はデュラン・デュランとかカルチャークラブとかABCとかスパンデュー・バレーとか、ビジュアル系のニューウェーブバンドが流行っていたけど、その波には全然乗れなかった私。 

エルビス・コステロとかトーキング・ヘッズとかジョー・ジャクソンなど、パンクとほぼ同時に出てきたニューウェーブバンドは好きだったのに、そのニューウェーブがメジャーなムーブメントになってしまったら嫌になる、インディー好きクソ野郎だったからです。

そんなクソ女だったから、都会ならともかく私の田舎じゃ気の合う友達もいなかったし、もちろん男から全くモテなかった。 2度目の国外脱出のためひたすら働いき、ひとり寂しく聴いていたのが、スミスとかエコー&ザ・バニーメンだとかの暗めのインディー・バンドだったのね。 でも一番癒してくれたのがこのエブリシング・バット・ザ・ガールのデビューアルバム「エデン」だと思う。 

エブリシング・バット・ザ・ガールはトレイシー・ソーンとベン・ワットのカップルのデュオで、この二人はたぶんソウルメイトなんだ。 27年も連れ添った後2008年に結婚してる。 

全体としてジャズっぽいから、「おしゃれ」な音楽として80年代は**DCブランドの**ハウスマヌカン(**死語よねっ)達にも乱用されたけど、トレイシーとベンはどう見ても非モテな感じで、失礼だけど私側にいた二人だと思う。 歌詞も希望がないのが多いし。 少なくとも、このデビューアルバム”Eden"とその次の”Love not Money"まではね。 そのあとはは普通に洗練されちゃって、詰まんなくなった。(あっ、また出ました、あまのじゃく)

このアルバムの最後の曲「ソフト・タッチ」は私の癒されソングベスト10の中に入る。 何をうたっているのかはよく分かんないけど、なんとなく戦争でPSTDを抱えて帰還した男の歌かな、と思う。

 

Soft Touch

細くて青いネクタイに変わる茶色いシャツ
細くて青い嘘に変わる黒い真実
鮮明に夢の話をする痩せた男
大勢を説得しようとする痩せた男
カラカラに乾いた街にはためく茶色い旗
空っぽの港 船は全部出てしまった
メダルを付けた男 でも夜は眠れない
頭の中には拳銃 戦争は価値がなかったと人は言う
かなクソの山の上に積み上げられた夢
長期の疲労で流れる涙
スーツケースはどこかにいき、抽斗も空っぽ
床には砕けた茶碗
今夜この家で交わされる質問
枕投げに関わった妻
妻の知らない夫
冬のバラのつぎはぎだらけの夢
最後に襲ってくる柔らかい感触

<Syco 訳>

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一月の映画メモ ベルリン・シンドローム、La pivellina、女王陛下のお気に入り

映画はほとんど、ネットフリックスとアマゾンプライムビデオのサービスで、家でまったりと見てる。 たくさん見なけりゃ損、という貧乏性なので、新旧問わず、目に留まったものは手あたり次第見て、10本に一つぐらいは秀作に当たる。

定期的に面白かった映画をメモしようと思う。 半分自分の記録のためなんで、時としてネタバレもあり! 

 

★怖かった映画

ベルリン・シンドローム (2018)

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この映画はオーストラリア人のバックパッカーの女性が、ベルリンでナンパされて男のアパートに監禁されるという、プロットとしてはオーソドックスな話。 

ホラーなんて今ではプロットも出尽くされて、ネタ切れ気味なので、興味深い作品にするには取り方で勝負だ。 舞台となる冬のベルリンの、忘れられたような空間にある廃墟っぽいアパートが行き止まり感を醸し出すはうまいし、シネマトグラフもきれいでアート系にも受ける撮りかただと思う。 ドイツ男の予測不可能なソシオパスっぷりもけっこう怖い。  

私は若いころバックパッカーだったので、旅先で声を掛けられる経験はたくさんあった。 別にモテでもなんでもなく、若い女が一人で旅行するなら誰でもあるんじゃないかな。  いい思い出もあれば、うざい思い出もある。 でも運がいいのと、旅慣れてるから勘が働くのとで、ひどい目にあったことは一度もない。 

こういう映画は、自分だったらどうする?と常に考えながら見るから退屈しない。 ナンパされるような年から軽く数十年たってるけれど、考えるのは自由よねっ。 

 

★泣いた映画

La pivellina (英題:Little Girl )(2009)

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日本未公開映画だから邦題は無し。  けっこうカンヌとかいろんなところで賞をもらった作品なんだけどね。 まぁ、この地味さからいって、日本未公開なのは納得できる。 登場人物からして、冴えない風貌の人たちばっかだし、まぁ、それだからリアリズム満載で、泣いてしまったんだけど、私。 

2歳の女の子が公園に置き去りにされて、ポケットには「この子をお願いします。 3週間後に取りに来ます、母」というメモが入っていた。 その女の子をみつけたサーカス団の中年女パティーは自分のキャラバンに連れてきて母親が来るまで預かることにする。 その3週間、女の子と過ごした様子が描かれている、それだけの映画。 劇的な展開もなく、ラストも郵便受けに、「あした迎えに行きます、母」と書かれたメモが入っていて、それでパティーは、最後の日に友達を読んで女の子のためにパーティーをしてあげて終わり。 母が登場とか、別れのシーンとかもない。

でも、そんな劇的なシーンや演出を一切省いたところが、やるな~って感心させられた。 孤独な中年女パティーが2歳の少女と暮らしたことで、ちょっと生き生きとしてきたのを見るだけで、もう十分泣ける。 臭い別れのシーンなどいらんわ!

寂れたサーカス団の人々も哀愁が在りすぎて、イタリアっていまでも、「鉄道員」とか「自転車泥棒」とか戦後のイアリアンネオリアリズムを守っているんだなぁ、って思った。

 

★女、女、女の映画

女王陛下のお気に入り (2018)

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これは娘と一緒に暮れに映画館で観た。 れもうすぐ日本で公開されるみたいだね。 もっと軽いコメディかと思ったら、ものすごくブラックだった。 数年前観たとっても変な映画「ロブスター」の監督だからブラックなのは予想できたんだけど、エマ・ストーンとレイチェル・ワイズなんていう人気女優を二人使っているから、ハリウッド路線を行ったのかとも思ったのよ。

しかし、ぜーんぜんハリウッドじゃなかった。 イギリスが得意とする自虐系、うつ病、歪んだ愛情。 そして主要な男キャラが皆無。 すべて女でこれをまわしてます。

おもしろかった~。