ハイウェイ40号線上の女

ノースキャロライナを東西に走る40号線を毎日行ったり来たりしてる中年女は何を考える? 

私の年間ベストアルバム 1983年 High Land,Hard Rain 10代最後のメランコリー

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それまでは、ロックアーチストはみんな自分よりも年上だった。 ボウイーなんてひと回りも上だったし、パンクやニューウェイブのアーチストもみんなちょっと私よりも年上で、憧れみたいなものがあった。

ラフトレードから出たアズテック・カメラのファーストアルバムは衝撃的だった。 と言うのはアズテック・カメラの中心人物、ロディ・フレイムは私とタメ年だったから。 彼はボウイーを聴いて育って、パンクに洗礼を受けて、そして、「ジョーストラマーのポスターの後には何も貼るものがない」(“Walk out to Winter") と歌う。 世代が同じだから、親近感は湧くのだけど、好きなアーチストが自分と同年生まれという時代が来たのはショックだった。 なんか急き立てられるような気がしたのね。

19歳なのに、アコギがフラメンコのギタリストみたいに上手で、言葉の選択が文学青年しているメランコリックな歌詞で収録曲10曲全て良い曲で、駄作は無し。 天才かとも思ったよ。

その翌年に中野サンプラザでアズテック・カメラの来日公演が観れたのね。 そしたら、なんかアコギ持って出てきたロディはシャイで子供っぽくて、文化祭でコンサートを見ているようだった。 ヴァン・ヘイレンのカバー、「ジャンプ」をオリジナルとは真逆のロー・ファイで、歌ったとき、「ジャンプ!」のところで、ピョンと横向きに飛び跳ねユルめのギャグを披露してた。 神童的なイメージがあったのに内向的な普通の青年が頑張ってますって感じで、ますます親近感が持てたわ。 

アルバムは「君に捧げる青春の風景」などという、トンデモない邦題がつけられていて、一曲目の "Oblivious"の邦題 は「思い出のサニービート」などといって、さらにドン引きするんだけど、この曲は素直にガールフレンドの足音が聞こえてくると嬉しくなるよって歌だと思う。「思い出」も意味不明な「サニービート」という表現も歌詞には無いよ。 

ロディ・フレイムの歌詞はポストパンクのようなシニカルさが無く、キレイな言葉で綴られている。  

一番好きだった曲は "Piller to Post"だ。サビの部分

以前は僕はこの上なく幸せで
カバンを詰めて自由の道へと向かった
あちらこちらとあても無くさまよった僕にとって
それらの苦い証跡は僕には何の意味も持たない

これは社会人一年目の私にとっても、ほろ苦く感じましたね~。

そして最後に収められている曲 "Down the Dip" は涙が出るくらい好きでした。 

僕は愛と美しさの全てを
夜の魂に込めて
そして僕の乗車券をしっかりと握る
愚かさや苦しみも
その乗車券に込められ
僕は君と一緒に急降下するよ

うーん、このビデオを観ると、「君に捧げる青春の風景」も案外ぴったりじゃん、て思います↓↓

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