一月の映画メモ ベルリン・シンドローム、La pivellina、女王陛下のお気に入り

映画はほとんど、ネットフリックスとアマゾンプライムビデオのサービスで、家でまったりと見てる。 たくさん見なけりゃ損、という貧乏性なので、新旧問わず、目に留まったものは手あたり次第見て、10本に一つぐらいは秀作に当たる。

定期的に面白かった映画をメモしようと思う。 半分自分の記録のためなんで、時としてネタバレもあり! 

 

★怖かった映画

ベルリン・シンドローム (2018)

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この映画はオーストラリア人のバックパッカーの女性が、ベルリンでナンパされて男のアパートに監禁されるという、プロットとしてはオーソドックスな話。 

ホラーなんて今ではプロットも出尽くされて、ネタ切れ気味なので、興味深い作品にするには取り方で勝負だ。 舞台となる冬のベルリンの、忘れられたような空間にある廃墟っぽいアパートが行き止まり感を醸し出すはうまいし、シネマトグラフもきれいでアート系にも受ける撮りかただと思う。 ドイツ男の予測不可能なソシオパスっぷりもけっこう怖い。  

私は若いころバックパッカーだったので、旅先で声を掛けられる経験はたくさんあった。 別にモテでもなんでもなく、若い女が一人で旅行するなら誰でもあるんじゃないかな。  いい思い出もあれば、うざい思い出もある。 でも運がいいのと、旅慣れてるから勘が働くのとで、ひどい目にあったことは一度もない。 

こういう映画は、自分だったらどうする?と常に考えながら見るから退屈しない。 ナンパされるような年から軽く数十年たってるけれど、考えるのは自由よねっ。 

 

★泣いた映画

La pivellina (英題:Little Girl )(2009)

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日本未公開映画だから邦題は無し。  けっこうカンヌとかいろんなところで賞をもらった作品なんだけどね。 まぁ、この地味さからいって、日本未公開なのは納得できる。 登場人物からして、冴えない風貌の人たちばっかだし、まぁ、それだからリアリズム満載で、泣いてしまったんだけど、私。 

2歳の女の子が公園に置き去りにされて、ポケットには「この子をお願いします。 3週間後に取りに来ます、母」というメモが入っていた。 その女の子をみつけたサーカス団の中年女パティーは自分のキャラバンに連れてきて母親が来るまで預かることにする。 その3週間、女の子と過ごした様子が描かれている、それだけの映画。 劇的な展開もなく、ラストも郵便受けに、「あした迎えに行きます、母」と書かれたメモが入っていて、それでパティーは、最後の日に友達を読んで女の子のためにパーティーをしてあげて終わり。 母が登場とか、別れのシーンとかもない。

でも、そんな劇的なシーンや演出を一切省いたところが、やるな~って感心させられた。 孤独な中年女パティーが2歳の少女と暮らしたことで、ちょっと生き生きとしてきたのを見るだけで、もう十分泣ける。 臭い別れのシーンなどいらんわ!

寂れたサーカス団の人々も哀愁が在りすぎて、イタリアっていまでも、「鉄道員」とか「自転車泥棒」とか戦後のイアリアンネオリアリズムを守っているんだなぁ、って思った。

 

★女、女、女の映画

女王陛下のお気に入り (2018)

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これは娘と一緒に暮れに映画館で観た。 れもうすぐ日本で公開されるみたいだね。 もっと軽いコメディかと思ったら、ものすごくブラックだった。 数年前観たとっても変な映画「ロブスター」の監督だからブラックなのは予想できたんだけど、エマ・ストーンとレイチェル・ワイズなんていう人気女優を二人使っているから、ハリウッド路線を行ったのかとも思ったのよ。

しかし、ぜーんぜんハリウッドじゃなかった。 イギリスが得意とする自虐系、うつ病、歪んだ愛情。 そして主要な男キャラが皆無。 すべて女でこれをまわしてます。

おもしろかった~。