私の年間ベストアルバム 1984年 Eden 寂しい女の癒しのメロディ

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80年代の前半はデュラン・デュランとかカルチャークラブとかABCとかスパンデュー・バレーとか、ビジュアル系のニューウェーブバンドが流行っていたけど、その波には全然乗れなかった私。 

エルビス・コステロとかトーキング・ヘッズとかジョー・ジャクソンなど、パンクとほぼ同時に出てきたニューウェーブバンドは好きだったのに、そのニューウェーブがメジャーなムーブメントになってしまったら嫌になる、インディー好きクソ野郎だったからです。

そんなクソ女だったから、都会ならともかく私の田舎じゃ気の合う友達もいなかったし、もちろん男から全くモテなかった。 2度目の国外脱出のためひたすら働いき、ひとり寂しく聴いていたのが、スミスとかエコー&ザ・バニーメンだとかの暗めのインディー・バンドだったのね。 でも一番癒してくれたのがこのエブリシング・バット・ザ・ガールのデビューアルバム「エデン」だと思う。 

エブリシング・バット・ザ・ガールはトレイシー・ソーンとベン・ワットのカップルのデュオで、この二人はたぶんソウルメイトなんだ。 27年も連れ添った後2008年に結婚してる。 

全体としてジャズっぽいから、「おしゃれ」な音楽として80年代は**DCブランドの**ハウスマヌカン(**死語よねっ)達にも乱用されたけど、トレイシーとベンはどう見ても非モテな感じで、失礼だけど私側にいた二人だと思う。 歌詞も希望がないのが多いし。 少なくとも、このデビューアルバム”Eden"とその次の”Love not Money"まではね。 そのあとはは普通に洗練されちゃって、詰まんなくなった。(あっ、また出ました、あまのじゃく)

このアルバムの最後の曲「ソフト・タッチ」は私の癒されソングベスト10の中に入る。 何をうたっているのかはよく分かんないけど、なんとなく戦争でPSTDを抱えて帰還した男の歌かな、と思う。

 

Soft Touch

細くて青いネクタイに変わる茶色いシャツ
細くて青い嘘に変わる黒い真実
鮮明に夢の話をする痩せた男
大勢を説得しようとする痩せた男
カラカラに乾いた街にはためく茶色い旗
空っぽの港 船は全部出てしまった
メダルを付けた男 でも夜は眠れない
頭の中には拳銃 戦争は価値がなかったと人は言う
かなクソの山の上に積み上げられた夢
長期の疲労で流れる涙
スーツケースはどこかにいき、抽斗も空っぽ
床には砕けた茶碗
今夜この家で交わされる質問
枕投げに関わった妻
妻の知らない夫
冬のバラのつぎはぎだらけの夢
最後に襲ってくる柔らかい感触

<Syco 訳>

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