「作品に罪はある」どころか「罪を犯してまで作品を生んでくれてありがとう」です

ちょっと前にCancel Culture(アーチストがモラルに反したことをすると、その作品をボイコットする、無いことにすること)について書いたら、

sycob.hatenablog.com

今日本でも同じことが起きている。

ピエール瀧がコカインで捕まったから、過去の出演作品を編集しなきゃいけないらしくて、某お笑い芸人が「コカインやって演技しているならドーピングだから、作品も罰せられなければいけない」と言っていた。 そして、「コカインをやっていない本人の演技を見てみたい」とかも言っていた。

実は私、ピエール瀧と言う名前をこの事件で初めて聞いたので、彼の音楽も演技も全く知らない。 でもロックンロールファンとして、言いたい。

スポーツにおいては、ドーピングはインチキするのが目的でやっているから、もちろんダメだけど、アートや音楽の世界においてもクスリ抜きの作品を見てみたいか?

ビートルズがクスリをやってなかったら、サージェントぺッパーズやマジカルミステリーツアーが出来ていたと思うか? 

ドアーズやビーチボーイズやローリングストーンズのクスリをやらなかった場合の作品を見てみたいかい? たぶん、めっちゃ詰まんないと思うよ。

ジミ・ヘンドリックス、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド…、ロックンロールの伝説はクスリあっての産物じゃないか?

薬物中毒は地獄だから私たちはふつうはやらない。 でも彼らがやってくれたから、私たちはロックンロールを享受できるんじゃないか?

作品に罪があるどころか、作品は私に変わってアーチストが罪を犯してくれたから存在するんだよ。  

ドラッグのやり過ぎで死んでしまったミュージシャンは殉教者なんだよ。

私は日本を離れて30年近くたっているから、ちょっと考え方がずれてしまってるかもしれないけど、アメリカに住んでいると、「たかがコカインで…」って思っちゃうんだよね。

コカイン所持で刑務所入っていたら、有名どころのラッパーなんてほぼ全滅だよ。 ハリウッドセレブも居なくなるね。 大麻も日本じゃ大騒ぎするけど、アメリカは今じゃは5つの州で合法だし、他の州で所持してても、交通違反程度の罰金しか取られない。 そのうちもっと多くの州で合法になると思う。

日本にドラッグがはびこらないのは安全でいいことだと思うけど、ドラッグをやってギリギリに生きてまで、アートを生み出している人に感謝する気持ちを持ってほしいと思うのよ。 

ビートルズやストーンズやビーチボーイズが居ない世界なんかに生きたくないでしょ?