私の年間ベストアルバム 1987年 Up For a Bit With ド素人のつぶやき 

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私の音楽の趣向はどんどんとダメなものへ、下手なものへ、素人っぽいものへと下降していった。 それはなぜだかわからない。 

英国ではアノラックまたはTweeと言われるジャンルの先駆者がこのパステルズ。 なんとなく、気の合う仲間が集まって、自宅でお遊びで録音したような音。 ぼんやりと頭の中に浮かんだ言葉を、ダダ流ししているような歌詞。 それを一つの音で歌っているものが多い。 例えば、ドレミのミの音でミミミミミーミ、ミミミミミーミと続くのです。 

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どうしてこんなバンドが人気を集めたのか(少なくとも地元グラスゴーで)不思議。 当時のインディ・シーンにはジーザス&メリー・チェインとかマイ・ブラッディ・バレンタインとかウェディング・プレゼントとか、歪んだノイズでギターをガンガン言わせるカッコいいバンドが出始めた時に、パステルズはスッカスカ。 

パステルズの中心人物、ステファン・マクロビー(ステファン・パステル)は当時大学院で司書の勉強をしていたというのだから、多分ものすごい本好きで、歌詞に文学的魅力があったのか?

でも歌詞はこんな感じよ。

 

Baby Honey 

もし星に願いをかけるなら
君がそのままでいて欲しい
そしてもし君に何かしてあげられるなら
なんでもしてあげる

もし君が一文無しで沈んでいたら
Oh ぼくがどうにかしてあげる
君の愛がほんとうなら
お願い、ぼくと分かち合って

もし君が星に願いを掛けるなら
そのままの僕を受け止めて
そしてもし君に何かしてあげられるなら
なんでもしてあげる

彼女の指先が魔法をかける
彼女のキスが魔法をかける
彼女のきれいな目が魔法をかける
僕の流す涙の言い訳となる

 

それじゃ、私はなんであんなにもパステルズを聴いたのか。 このアルバムの前に出た数枚の12”シングルも残らず買っている。 パステルズはグラスゴーではカルト化していると聞くけど、どこにカルト教祖的なカリスマがあるのかわかんない。 多分私は、友達みたいな音が恋しかったんだ。  「仲間がやっているバンド」みたいな音。 ステファン・マクロビーのやる気のなさそうなボーカルと適当な歌詞に癒されたんだ。 地下アイドルを応援するアイドルオタクみたいに、応援してやりたい気持ちになったんだ。 自分が応援しなきゃ誰がする? っていう思い込みね。 そう、1987年は完璧なルーザーだったのよ、私。 定職にもつかず、フリーターっていうやつで、実家に食費すら入れないで居座っていた。  ダメダメな奴ね。 

日本でもパステルズはちょっと人気があったみたいだけど、どんな奴がファンだったのか知りたい気がする。 今、真っ当に生きてるのかなぁ、とかね。