ウガンダで誘拐された女性の言葉

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今朝、ウガンダで武装集団に誘拐されて、無事戻ってきた米国人女性のインタビューをテレビで観た。

 

この事件は今月の初めに起こった。 彼女はツアーガイドと共に連れ去られ、5日後に解放された。身代金の5千万円はこの女性が参加した旅行会社が払ったという。

私はひとり旅が趣味だけど、誘拐されるのが怖くて、中南米だけは行く勇気がなかった。 強盗ならその場でお金を渡せばいい。 でも誘拐されたら、長時間に渡る恐怖を味わうわけでしょ。 もし無事戻れたとしても、トラウマから立ち直れそうもない。 

しかし、今朝の彼女の話を聴いてちょっと驚いた。 彼女は犯人グループの4人にヒューマニティーを感じたという。 野宿をするときに、彼女のために蚊帳とビニールシートを敷いてくれた。 自分たちは水たまりの泥水を飲んで、彼女だけにボトル・ウォーターをくれたという。 彼女はアメリカに無事帰れたら、自分は彼らの想像もつかないような豊かな生活に戻るけれど、多分彼らは野生の動物よりもちょっとましなだけの生活を続けるんだ、って思ったそうだ。 「でもだからと言って誘拐が許されるわけでは決してないんだけど...。」 とも言っている。

真っ暗闇の中を歩かされて、ふと夜空を見ると、満天の星が輝いていて、天の川もはっきり見えて、思わず誘拐犯らに「こんなきれいな星空は、私の街のカリフォルニアでは絶対に見られないわ」と感動の思いを伝えたという。

この人、天然かと疑いたくなるようなエピソードだけど、誘拐犯は、もっと極悪グループに自分を売ることもできたけど、守ってくれたとこの女性は信じているのだ。 

誘拐犯は実は悪人ではないとか、この女性は純真だとか、そんなことはどうでもいい。 私の心に響いだのは 「ウガンダは危険じゃない。 自分が運が悪かっただけ。 親切な人がたくさんいるし、これからも観光地としてみんなが旅行してくれるといいわ。」と彼女が言えたこと。  外務省が危険度レベル1、2を表示する地域も旅する私にとって、こういうお言葉はとてもありがたい。 そして、レベル1,2の地域に住んでいる人にとっても、とっても嬉しい言葉だと思う。

誰かが旅先で危険な目に合うと、本人は楽しかったことよりも、まず最初にそのことを話題にして、あなたも行ったらこのような目に遭うんだよ、という先入観を植え付けてしまうことが多い。 

この前、友だちが山に行ってクマを見た話をしたら、みんな一斉にクマが怖いから山登りはできないと言い始めた。 私は去年からほぼ毎週山に行ってるけど、一度もクマは見たことが無いと言っているのに、たった一回クマに遭ったその話で、みんなのクマに遭う確率は100%となってしまった。 論理的に考えられなくなるんだ。

さて、私は今年の夏、ジャマイカのキングストンに行くことを決めた。 世界で最も危険な50都市の16位に入っていて、殺人件数は年間10万人につき約60人と言う数値が出ている。

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 このランキングによると、私が住んでいたデトロイトは42位で年間殺人件数は40人/10万人、ニューオーリンズも41位で同じぐらい。  殺人件数で言えば、40人も60人もあまり変わらないのではないか。

デトロイトは廃墟がたくさんあって、いかにもヤバそうな感じなので、そういう通りは急いで走り抜けた(車で)。 一度、自分の家の前で拳銃を突き付けられ強盗にもあったこともある。 ニューオーリンズは、3回ほど遊びに行った限りでは、危険さは感じなかった。 超有名な観光地だし、どこでも観光客がたくさんいたしね。

さて、ジャマイカのキングストンはどうなのか。 やっぱり、自分で行ってみなきゃわかんないのよ。 もし酷い目に遭ったとしても、このウガンダで誘拐された女性のようにみんなにキングストンは良いところだったよ、ってみんなに言えるといいな。