6月も終わってしまいそうなので、今月の映画メモをアップする。 でも「ミュージシャンからミュージシャンのプレイリスト」はまだまだ続くよ。
★史上に残る不快なラブシーン
「ボーダー ふたつの世界」 (2018)
あぁ、凄い映画見てしまった…。 私は、ホラー映画大好き人間、グロいもの、エグいもの、気持ち悪いもの、非日常的なものは何でも見たいと思う、好奇心旺盛な方だけど、すがにこれはちょっと引いた。 私は猟奇的殺人映画にも、ゾンビ映画にも、美を求めて鑑賞するんだけど、あぁー、悪いけどこの映画は美しいの真逆を追及してる。 ラブシーンは今まで見た中で一番おぞましかった。 漫画で言うなら、私の子供時代にトラウマとなった日野日出志やつげ義春を思い出させる。 でも悪趣味で片付けられない何かが、この映画にはあるのよ。 一周回って神的なものを感じさせる。
税関で取り締まりをする職員のティナは、不審物を見事に嗅ぎ分ける能力をもち、薬物どころか、人間の罪悪感や羞恥心まで察知できる。 このティナは生まれつき染色体が異常という障害を持ち、見た目がかなり気持ちが悪い。 そしてある日税関でティナと同じような障害を持つ男性と出会い、ティナは関係を持ち始める…、というお話。 障害を持つ男女のお話と思いきや…、意外な事実が浮き彫りになるのよ。 ネタバレはしたくないけど、ヒントは北欧。 美しいものの反対を見たい人限定でおすすめ。
★ペネロペとハビエルのスペイン最強コンビ
「誰もがそれを知っている」(2018)
スペインを代表する名優ペネロペ・クルスとハビエル・バルデムが主演となると、ありきたりなサスペンスでも格が上がるね、なんて思ったら、監督はイランの巨匠、アスガル・ファルハーディじゃないの。 面白いはずだわ。
ローラ(ペネロペ)は姪っ子の結婚式のため子供たちと一緒に実家に帰る。 そこで幼馴染のパコ(ハビエル)と久しぶりに再会する。 ところが結婚式の当日にローラの娘が誘拐され身代金を要求される。 そこから、いろいろと過去の秘密が暴露される…。
今ネットで調べてて知ったんだけど、ペネロペとハビエルは夫婦だったんだね。 いつから? やっぱり、結局は同じ国民同士で落ち着くんだねぇ。
★人種と階級を問う映画
「ブラインドスポッティング」 (2018)
アメリカで暮らしていると人種の違いと階級の違いのどちらも激しいと感じる。 人種の違う者同士よりも階級の違う者同士のほうが交流が少ないような気がする。 だって家の値段は土地によって決まるから、それぞれの地区に経済的なバックグラウンドが同じようなひとたちが、集まってしまっている。
アメリカの公立の学校は市の税金によって運営されてるので、富裕層が住む市は設備も教師もクオリティが高いし、そうでないところはお粗末になってしまう。
人種が違っても、同じゲットーで育てば、やることも似てくる。 この映画は仲の良い幼馴染のふたりの話で、一人は黒人でもう一人は白人。 どちらも同じことをしているのに、警察に目を付けられる方はいつも黒人の方。 外見が黒くないだけでどれだけ得しているかを、普段非黒人はわかってないけど、実はすごく違った扱いを受けているんだって実感したわ。