本好きプレイリスト 最終回 Cemetery Gate, Bukowski, Books are Burning

作家の名前が出てくる曲をふたつ。

Cemetery Gates / The Smiths (1986)

恐ろしく晴れた日に
墓地の門の前で会おう
キーツとイェーツは君の側
恐ろしく晴れた日に
墓地の門の前で会おう
キーツとイェーツは君の側
でもワイルドは僕の側
 
そして墓地に入って墓石を読もう
たくさんの名前、たくさんの命
彼らはみんな今どこに?
愛や憎しみと共に
僕と同じように情熱を持って
生まれて
生きて
そして死んでいった
それは不当に思えて
僕は泣きたくなる
 
君は言う「太陽は三度夜明けに挨拶をする」
君はそれは自分の言葉だと言い張るけど
僕は本をたくさん読んでいるし、その言葉を聞いたことがある
多かれ少なかれ、100回ぐらいは聞いた
もし君が散文や詩を書きたいなら
自分の言葉を使うべきだよ
盗んだりどこかから借りてきたりしてはだめだ
だっていつでもどこかに
それを嗅ぎつけて
君の上げ足を取って笑う奴がいるんだ
君が転ぶと
それを誇張して笑う奴がいるんだ
 
「はるか昔にやってしまった、やる、やった」
 これは君自身の言葉かもしれなかったが
 これだって盗んできたものだ
 (1904年のどこかの混乱した娼婦の言葉)
 
恐ろしいほど晴れた日に
幸せになれる場所に行こう
それは墓場の門の前
あぁ、キーツとイェーツは君の側
恐ろしいほど晴れた日に
僕らを呼ぶ場所に行こう
墓場の門の前で会おう
キーツとイェーツは君の側
でも君の負けだよ
だってワイルドは僕の側だから
 
もちろん!

<Syco訳>

凄いぜ、モリッシー。 キーツ、イェーツ、ワイルドの三連発。 そしてワイルドは自分の物と言い張る! 「太陽は三度夜明けに挨拶をする」はシェークスピアの「リチャード三世」からの引用。 文学青年炸裂の一曲ですね~。

www.youtube.com

↑↑こんな感じで、欧米の墓地は私は癒される。 日本の墓地は怖いね~。

-------------- 

Bukouski / Modest Mouse (2004)

今朝起きてみたら、なんか気づいた
毎晩少しずつ自分が
ブコウスキーみたいになっていることを
そうさ、本はかなり面白いけど
でもさ、誰もなりたかないだろ?
誰があんなクソ野郎になりたいと思うんだ?
誰がなりたいっていうんだ?
誰があんなクソ野郎になるかよ

そうだな、俺たちは土手に座ってたら
みんなが「川に身を捧げろ」叫ぶんだ
もし神が俺の命をさらっていくなら、神は一度くれたものを返せという、インチキ野郎だな
だから今そのわけを説明したら、もう二度と言うな
誰がなりたいと思うんだ?
あんな拘束男に誰がなりたいっていうんだ?
誰がなりたいと思うんだ?
あんな拘束男にさ

自分が見たいものを見れよ すべて見るべきだ
欲しいものはみんな持っていけ お前の物だよ
10中9回割合で俺たちのハートは溶けていく
そうさ、俺は自分の居場所か自分の滅ぶ場所が欲しいんだ

でも10中9回は俺たちにとってすべてはパーフェクトだから
そうさ、俺は自分の居場所か自分の滅ぶ場所が欲しいんだ
さぁ、行くぜ
 
神がこの地と疫病を支配してるというなら
俺を見張るがいい
神が間違いなく全能っていうんだったら、
俺は何も問題を抱えないはず

誰がなりたいと思うんだ?
あんな拘束男に誰がなりたいっていうんだ?
誰がなりたいと思うんだ?
あんな拘束男にさ
 
邪悪な家のステレオが、どんないい曲を聞かせてくれるんだ?
邪悪な俺、そうだよ、俺は知ってるぜ どんなカーブボールをあんたは投げてくるんだい?
 
そうさ、どんなにクリームがのっかったウェディングケーキがあろうとも
お前の結婚式には行けないが、お前の後は追いかける
あの日のお前の話は堂々巡り
お前が結論にたどり着くとき、俺が起きているかどうか確認しろよ、わかったか?
 
布団に入ってもまだわからない
なぜ、日に日にちょっとずつ
ブコウスキーに似てくるのか
そうさ、本はかなり面白いけど
誰がなりたいっていうんだ?
誰があんなクソ野郎になるかよ

<Syco訳>

f:id:sycoB:20200127033748j:plain

モデスト・マウスのこの曲の雰囲気はブコウスキーにピッタリだわ。 でも多分、ブコウスキーじゃなくて、神様をクソ野郎とか拘束男とか批判してるんだと思う。 

アメリカに来てチャールズ・ブコウスキーを一気にたくさん読んだ時期があった。 難しい語彙がなくって、ものすごく読みやすかったのと、彼の分身のヘンリー・チナスキーの生き様にものすごく共感できたの。 要するに私もダメダメなクソ野郎なのよ。 娘がなんか面白い本ない? と言ってきたので、ブコウスキーの”Ham on Rye" を勧めたら、感想は「気持ち悪い」の一言。 私とは別の道を歩むんだぞ。 

 

www.youtube.com

最後は、ちょっと寂しいXTCの曲、「本が焼かれている」です。

Books are Burning / XTC (1992)

中央広場で本が焼かれている
僕はそれを見た 火が文章を消却していた
静まった空気の中で本が焼かれている
わかるだろ、本が焼かれるなら、次は人間の番だ
 
僕は活字は許されるべきだと信じている
何が書かれていようとも
故人の知恵が悩み解決として蘇る
心と頭の貯蔵庫を開ける鍵となる
 
僕の町で本が焼かれている
それは僕らに目を背けさせ、どこか他に視線を向けさせる
公園で本が焼かれている
本が焼ける臭いは髪の毛が焼ける臭いと似ている
 
そう、僕は活字はより神聖だと信じている
善とか悪とかの測りを超越して
魂を自由にありのままに躍動させる権利
恐怖や悲しみの暴力を超えて、 mmm mmm yeh
 
マッチ棒の教会が
無知の中でガソリンの精油を塗る
マッチ棒の教会が
煙を吸って太っていく それは見るにおぞましい
 
本が焼かれている 日に日に盛んになる
そして僕は祈る あんた達がこの遊びに疲れることを
本が焼かれている 僕はどういうわけか希望を持つ
この炎が不死鳥が生むことを

<Syco訳>

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

昔は悪書と言われるものが教会の力で広場で燃やされた。 今で言うならセンサーシップですね。 私はセンサーシップが嫌いなので、自由に子供に大人の映画とか見させていたんだよね。 表現だけは絶対誰からも規制されたくない。 お金がなくとも体が動かなくとも、表現だけは自由であって欲しい、って思うのね。 これを話すと長くなるからやめるけど、本、音楽、映画、演劇、絵画、ひっくるめて芸術は果てしなく自由であって欲しいです!

 

www.youtube.com

 出家した坊さんみたいなアンディ・パートリッジ↑