ハイウェイ40号線上の女

ノースキャロライナを東西に走る40号線を毎日行ったり来たりしてる中年女は何を考える? 

アメリカのヒットチャートは小3の国語レベル!?

洋楽好きだけど、アメリカのヒットチャートに上がるような曲は殆ど聴かない。 耳には入ってくるけれど、印象に残らない。 その要因のひとつとして歌詞が心に響いてくる曲がないんだよね。 

どこかの団体が調べたところ、今のアメリカでナンバーワンのヒットとなる曲の平均は小学3年生の単語のレベルだということが明らかになったという。 この調査は2015年にされていて、さらにどんどん低下する傾向にあるらしい。

小3レベルじゃ、心に響くわけないわな。

でも本当に小3レベルなのか、ちょっと調べてみる。

まずは2019年のビルボードによるNo1のヒット曲はLil Nas X の ”Old Town Road” 黒人が歌っているから、カントリーとは言えん!と、カントリーのヒットチャートに入れてもらえなくて話題になった曲です。

Yeah, I'm gonna take my horse to the old town road 古い街の道を馬に乗っていく
I'm gonna ride 'til I can't no more疲れて果てるまで乗ろう
I'm gonna take my horse to the old town road疲れる果てるまでこの古い街の道を乗ろう
I'm gonna ride 'til I can't no more (Kio, Kio) 疲れ果てるまで乗ろう

I got the horses in the back 後ろに馬を繋いで
Horse tack is attached 馬具をつけて
Hat is matte black 帽子はつや消しの黒で
Got the boots that's black to match ブーツもそろいの黒で
Ridin' on a horse, ha 馬に乗る
You can whip your Porsche ポルシェに鞭を打つこともできる
I been in the valley 谷間を通って
You ain't been up off that porch, now 縁側になんか座っていられない

Can't nobody tell me nothin' 誰も俺に指図できない”
You can't tell me nothin' あんたも俺に指図できない
Can't nobody tell me nothin' 誰も俺に指図できない
You can't tell me nothin' あんたも俺に指図できない

うわっ、ほんとだ、これはひどいよ、 小3以下だよ。 この中で、小1が知らない単語があるとしたら ”matte" (つや消し)ぐらいかしら。 ペンキでも塗ってない限り、普段は使わない言葉ね。  古い街の通りを馬にのっで「俺は自由だ!」と言っているうたですね~。  曲はものすごくキャッチーで、一度聴いたら口ずさんでしまいますね。 まぁ、そこがヒットの要因なんでしょうけど...。

それでは、2018年のナンバーワンヒットは? Drakeの ”God's Plan”。 聴いたことないな~。 どんな曲なんだろ?

Yeah they wishin' and wishin' and wishin' and wishin' 俺は強いられる、強いられる、強いられる
They wishin' on me, yuh 俺は強いられるんだ そうさ
I been movin' calm, don't start no trouble with me 冷静にやってきたつもりだ 俺にトラブルを起こさせないでくれ
Tryna keep it peaceful is a struggle for me 平和を保とうとあがいているんだ
Don't pull up at 6 AM to cuddle with me 6時に俺を起こして、体を寄せてこないでくれ
You know how I like it when you lovin' on me お前の愛がうれしいってこと、知ってるだろ
I don't wanna die for them to miss me俺があいつらのせいで死んだあと、お前を悲しませたくない
Yes I see the things that they wishin' on me わかっているよ、奴らが俺に強いることは
Hope I got some brothers that outlive me 俺の分も生きてくれるブラザーがどこかに居ることを願うよ
They gon' tell the story, shit was different with me彼らが語る人生は俺のとは違うことを願うよ
これは "Old Town Road" の歌詞よりは中身のある。 難しい語彙はないけれど、 深読み出来る歌詞だ。  私は、正当防衛だったのに、殺人犯とされ、死刑になる哀れな黒人の叫びに聴こえる。 でも小学校の低学年が知らない単語は”struggle"と"outliveぐらいかなぁ。 
しかし、この年の二番目にヒットした曲を見てみよう。 Ed Sheeran の”Perfect"だ。
 
I found a love for me 僕は愛を見つけた
Darling just dive right in ダーリン、僕に素直に飛び込んで来て
And follow my lead 僕についてきて
Well I found a girl beautiful and sweet  僕は美しくて優しい女の子を見つけた
I never knew you were the someone waiting for me君が僕を待っていた誰かとだとは知らなかった
'Cause we were just kids when we fell in loveだって恋に落ちた時は僕らはただの子供だったから
Not knowing what it wasそれがまだ何か知らなかった
I will not give you up this time でも今は諦めはしない
But darling, just kiss me slow, your heart is all I own でもダーリン、ゆっくりとキスをして 君の心は僕の物
And in your eyes you're holding mine そして君の瞳は僕を抱いている
Baby, I'm dancing in the dark with you between my arms ベイビー、君は僕の腕の中で踊っている
Barefoot on the grass, listening to our favorite song 草の上に裸足で、お気に入りの曲を聴きながら
When you said you looked a mess, I whispered underneath my breath 君が自分はひどいかっこうでしょう、って言った時、僕は君に囁いた
But you heard it, darling, you look perfect tonight でも聞こえたはず、君はパーフェクトだ
あー、スローダンスにかかる曲にありがちな、陳腐な決まり文句が並ぶ曲の典型だね~。 たぶん、高校のプロムとかで流行る曲なんだろね。  恋愛の歌だけど、語彙レベルは小1だし、 比喩やメタファーも使われてない。 ♪お気に入りの曲を聴きながら、僕の腕の中で、君は裸足で踊る~♪♪ とかもう過去一億回は使われたセリフをリサイクルしても、ヒットするんだから、大衆ってちょろいね~。
 
さてさて、2017年のアメリカのNo1は...? またもやEd Sheeran! "Shape of You"
 
The club isn't the best place to find a lover クラブは恋人を探すにはベストとは言えない
So the bar is where I go だから、バーに僕は行く
Me and my friends at the table doing shots 僕と仲間とテーブルでショットを飲む
Drinking fast and then we talk slow どんどん飲んでしゃべりがゆっくりになる
Come over and start up a conversation with just me こっちに来ないか、僕と二人きりで話そう
And trust me I'll give it a chance now 信じてほしい 僕はチャンスをかけているんだから
Take my hand, stop, put Van the Man on the jukebox 僕の手を取って、ジュークボックスに「バン・ザ・マン」を流してよ
And then we start to dance, and now I'm singing likeそして、僕らは踊りだす 僕は歌う
Girl, you know I want your love 君の愛が欲しいことがわかるだろ
Your love was handmade for somebody like me 君の愛は僕のような男のために手作りされたんだ
Come on now, follow my lead ここに来て、僕にまかせて
I may be crazy, don't mind me 僕はクレイジーかもしれないけど、気にしないで
Say, boy, let's not talk too much あなたは話し過ぎね、って言ってよ
Grab on my waist and put that body on me 僕の腰に手を回して、からだを寄せてよ
Come on now, follow my lead ここに来て、僕に任せて
Come, come on now, follow my lead カモン、カモン、僕に身をゆだねて
前の"perfect"と全く同じような内容だね。 ”follow my lead”のフレーズまた使ってるし。 この曲も聴いたことなかったけど、今聴いてみたら、声とメロディは好きかも。 でもこんな歌詞じゃぁ、ムリです。 ちなみに3音節以上ある単語は”conversation"(4音節)だけです。 あとはすべて2音節以下の単語。 もしかしてこれがヒットさせる秘訣かも。 長い単語は使わないこと。
 
面白いから、もっと見てみよう! 2016年のNo1はジャスティン・ビーバーの”Love Yourself"だ。 

For all the times that you rain on my parade いつも僕のパレードに君は雨を降らせて
And all the clubs you get in using my name僕の名前を使って全部のクラブに出入りし
You think you broke my heart, oh girl for goodness sake君は僕を傷つけたと思っているけど、やれやれ
You think I'm crying, on my own well I ain't 僕が一人で泣いていると思っているけど、それは全く違うよ

And I didn't wanna write a song 'cause I didn't want anyone thinking I still care それに僕は曲を書きたくなかった。だって、僕が気に掛けているって誰にも思われたくなかったから
I don't but, you still hit my phone up 僕は君のことなんてどうでもいいのに君はまだ電話を掛けてくる
And baby I be movin' on and I think you should be somethin' ベイビー、僕はもう次に進みたいんだ 君もなにかするべきだよ
I don't wanna hold back, maybe you should know that ぼくは留まっていたくない それを君も分かんなきゃ
My mama don't like you and she likes everyone 僕のママも君が好きじゃないよ、万人を好きになるママがさ
And I never like to admit that I was wrongそれに僕が悪いなんて絶対に認めたくないね
And I've been so caught up in my job, didn't see what's going onそれにとっても仕事が忙しくて、何が起きているかよくわかんなかったんだ
And now I know, I'm better sleeping on my own でも今はわかるよ ひとりの方がよく眠れる

'Cause if you like the way you look that much そんなに自分の容姿が好きなら
Oh baby you should go and love yourself Oh ベイビー、どこかに行って自己愛に浸ってればいいさ
And if you think that I'm still holdin' on to somethin'そして僕がまだ君のことを気に留めてると思うなら
You should go and love yourselfどっかに行って自分を愛せよ

こんなにイジワルな歌詞でもアレンジが良くて、ジャスティン・ビーバー様ならば、ヒットするのね。 "go and love yourself"って、「とっとと俺の前から消えて自慰でもしてろ」っていう意味にも取れる。 "go and f**k yourself" ってことね。 でもジャスティン君を好きな小学生はそんな想像はしないわよね。 

「嫌いな人はいない僕のママだって、君だけは嫌いだよ」ってのもヒドイ! 語彙や文法は低学年レベルだけど、この冷たさはちょっと子供向けじゃないわね。 私はこの歌詞はウケました。 

 

この5曲の中で一番アホみたいな歌詞はやっぱり”Old Town Road”でしょう。 

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 このシリーズ、つづく…かも。