信じられないセンサーシップ ①

アメリカでは「Black Lives Matter」運動が過熱し、昔の名作映画「風と共に去りぬ」がストリーミングのサービスから削除されたりしている。 この映画はずいぶん昔に見たけど、感受性が高くて美しい女性、スカーレット・オハラの人物像が印象的で、問題となっている「喜んで主人に仕える奴隷」像は私の記憶に残っていない。 自分が黒人じゃないから気に留まらなかったかもしれないけど、同様に問題になっている「ティファニーで朝食を」の、白人が極度に醜いメイクを施して演じた醜悪な日本人キャラも全然覚えてないよ、私。 気になる、気にならないは別としても、過去の名作が排除されるというのは間違っている。 そんなことしてたら、図書館からも本が無くなるよ。

芸術作品においては、如何なるセンサーシップもあってはならない。 なぜかと言うと、センサーシップはファシズムの走りだから。 センサーシップなんて、所詮はその時世のヒステリアでしかないのよ。

ロックやポップソングも、放送禁止になった曲が数々ある。 大概がほんとバカバカしい理由だ。 たとえば、ピーター、ポール&マリーの「パフ・ザ・ドラゴン」とかね。 

ジャッキー・ペーパーという男の子が、パフという名前の竜と友だちになって冒険をするんだけど、ジャッキーが大人になってパフのことを忘れてしまう、という純真な歌詞。 しかし、パフはマリファナをパフパフ吹かすことを意味し、ジャッキー・ペーパーはマリファナの葉っぱを巻いてジョイントを作る紙のことを意味し「靄の出る秋(autamn mist)」はマリファナの煙を意味する…、いかんぞ、これは!! になったらしい。 想像力あり過ぎ! 逆にクスリでもやってないとそんなこと思いつかないよ。 

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ほのぼのとしたこの曲に、まさかの隠し言葉。

 

ザ・フーの「マイ・ジェネレーション」も一時期BBCで放送禁止になった。 その理由は、♪ジェ、ジェ、ジェ、ジェネレーション♪♪ と吃るので、吃音症の人を不快にさせるからだそう。 えーっ? 単純にロジャー・ダルトリーのこの歌い方カッコいいーって思ってたよ。  

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この曲を聴いて吃音が気になる? 

 

 

次はデビッド・ボウイーの「スペース・オディティ 」。

Space Oditty / David Bowie (1969)

管制塔からトム大佐へ
管制塔からトム大佐へ
プロテインサプリを飲んでヘルメットを着けてください
管制塔からトム大佐へ(10,9,8,4,6…)
カウントダウンが始まってます、エンジンが入ります(5,4,3...)
点火確認、神のご加護と共に(2,1、発射)

こちら管制塔からトム大佐へ
見事に成功しましたね
新聞はあなたが誰のシャツを着ているのか知りたがっています
もうカプセルから出てもよろしいですよ 
「こちらトム大佐から管制塔へ
ドアの外に出ている
そして、とても奇妙な感じで浮かんでいる
今日は星がいつもとは全然違って見える
ここで、
僕は空き缶に座って
地上から遥か離れて
地球は青い惑星で
そして僕にできることは何もない」

10万マイルも旅したのに
静寂を感じている
そして行き先は宇宙船が知っていると思う
妻に愛していると伝えてほしい わかっていることだが」
管制塔からトム大佐へ
回線が切れました 何か異常が起きてます
聞こえますか、トム大佐
聞こえますか、トム大佐
聞こえますか、トム大佐
聞こえ…「僕は空き缶の周りを漂っている
月も遥か彼方
地球は青くて
そして僕にできることは何もない…」

 <syco訳>

この歌詞がなぜ放送禁止になったのか? アポロ11号の打ち上げの一日前にリリースされたタイミングが悪かったのね。 宇宙に放り出されたトム大佐の歌は縁起でもないってことね。 でもアポロ11号の隊員が無事地球に戻ってきた後で、BBCは放送禁止を解除したんだって。 

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人類初めての月面着陸の時に、これを歌われては凹むわな。 このセンサーシップは分からなくもない。 

でもBBCはセンサーシップやり過ぎ

sycob.hatenablog.com