おうちで世界一周 ⑨ Shirin and Fahrad, Night Boat to Cairo

この旅行の旅先では本場の音楽は体験しないよ。 英語圏のミュージシャンが異国を想像した風景が展開するだけ。 フランスの日曜画家のアンリ・ルソーが描くジャングルのような、リアリティよりも、夢や憧れの世界。 だからより楽しいのかも!?

それでは、再びイスラム圏へ。

 

大好き、ジョナサン・リッチマンが語る古代ペルシャの悲しい物語…。

Shirin and Fahrad / Jonathan Richman (1985)

遥か昔の古代ペルシャ
ずっとずっと前のこと
シャーリンとファーラドの物語
君たちも知りたいだろう?
だって、シャーリンにとって 可愛いシャーリンにとって
若いファーラドが正真正銘の恋人だったから

美しいシャーリンはペルシャの王様と暮らさなければいけなかった
ある日彼女は散歩に出かけ
何千人もの男が穴を掘っているのを見た
誰もシャーリンに目を留めない男はいない
シャーリンが若いファーラドのところに来た時
彼の小さなハートに火が点いてしまった
彼は叫んだ 「シャーリン、アイ・ラブ・ユー」
シャーリンはそれを聞いて彼の愛を感じ取った
あぁ、だって、シャーリンにとって 可愛いシャーリンにとって
若いファーラドが正真正銘の恋人となったから

わかるだろ、シャーリンの心はすでに彼のもの
でも、シャーリンは彼を試さなきゃいけない
シャーリンは言う
「あそこに山々が見えるでしょう。 わたしのためにトンネルを掘って
そして私を愛してるって証明して」
だって、シャーリンにとって 可愛いシャーリンにとって
若いファラードが正真正銘の恋人となったから

 

そうさ、ファラードは「冗談だろ」とか
「雨が降りそうだな」とかも言わなかったし
ましてや「トンネルだって? そんなの掘れるわけない!」とも言わなかった
ファラードはすぐにシャベルをとって掘り始めた シャーリンの名を呼びながら
だって、シャーリンにとって 可愛いシャーリンにとって
若いファラードが正真正銘の恋人となったから

 

一掘り一掘りが奇跡のよう
彼の一堀りは十人分に値した
そうだよ、真の愛を持ったファーラドは
二度とこの森を見ることは出来ないかもしれない
そうさ、シャーリンにとって 可愛いシャーリンにとって
若いファーラドが正真正銘の恋人だったから

 

さて、この時点でペルシャの王様は不安になってきた
どうやってシャーリンを傍に置いておけるか考えた
王様の側近が提案した
シャーリンは死んだとファーラドに伝えたらどうか

そうすれば、あの若造は諦めるに違いない
そうさ、シャーリンにとって 可愛いシャーリンにとって
若いファーラドが正真正銘の恋人だったから

そしてファーラドは王様の言うことを信じた
それでもう掘るのはやめた
真実は知る由も無く
生きる希望さえも失った
そうさ、シャーリンにとって 可愛いシャーリンにとって
若いファーラドが正真正銘の恋人だったから

さて、シャーリンはファーラドが死んでいるのを見つけた
その様子を見た動物達の小さな心は裂けた
動物達は言った「僕らもファーラドが好きだったよ、シャーリン
王様だって彼には敵わないと思ったのに」
そうさ、シャーリンにとって 可愛いシャーリンにとって
若いファーラドが正真正銘の恋人だったから

シャーリンはその小鳥の言葉を聞いて
王様の悪巧みに気づいた
それで彼女はファーラドの隣に横たわり
息を引き取った  もう心を切なくすることも無い
そうさ、シャーリンにとって 可愛いシャーリンにとって
若いファーラドが正真正銘の恋人だったから

そうさ、シャーリンにとって 可愛いシャーリンにとって
若いファーラドが正真正銘の恋人だったか

 <syco訳>

 

youtu.be

「シャーリンとファーラド」は本当にペルシャに伝わる物語らしいよ。  でもメロディはいつもジョナサン節♪♪

 

次はイギリスの80’sのオチャラケバンド、マッドネスのエジプトです。

Night Boat to Cairo  / Madness (1980)

午を過ぎて、モンスーンも半ば過ぎ去り
ナイルの河岸に
半分沈みかけたボートがやってきた 
笑うそのボートの漕ぎ手には歯が無く
この誰もいない河岸にぽつんと
ナイルを行く最後の船
気にする様子を見せず、彼の髪をなびかせていた風も止む
陸地まで最後の半マイルになった時
彼が握る櫂がポキっと音を立てて折れる
でもそれで笑顔を崩すことなく
櫂で岸の湿った砂をひたすら突く
ナイル河を流れていく
ナイル河を流れていく

(カイロ行きの夜行船が出るぞー!)

(カイロ行きの夜行船!)

 

youtu.be

もちろんロケはカイロじゃないね。 きっと、ロンドンのお家だね。

 

3個目はまた、私のスライドショーで失礼します。 2012年のモロッコです。 音楽は元ジャパンのベーシスト、今は亡きミック・カーンのソロアルバムからSaviour, Are You With Me という曲を借りました。 彼はキプロス島出身の血の影響か、この曲はめっちゃアラブ風。 

youtu.be

まだまだ、帰らないぜ。 サイコパスな大統領が落選する秋まで、アメリカには戻りたくないね。