映画「アイ・アム・グレタ」 世界一つよい女の子

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映画「アイ・アム・グレタ」(2020年制作)を観た。 2019年の国連で、各国の代表の中で、ぶっちぎりで怒りをぶつけていた、あのグレタ・トゥーンベリの素顔を撮ったドキュメンタリーだ。

 

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映画は15歳のグレタが単独でストックホルムの議事堂の前でプラカードを持ってストライキを始めるところから始まり、それから、どんどん若者の間に運動が広がって、最後はあの名高い、国連での演説で終わる。

これは、環境保護運動のドキュメンタリーと同時に、アスペルガー障がいのドキュメンタリーとも言えるのではないか。

 

グレタは学校では全然友だちがいなくて、ランチはカフェテリアで一人で黙々とご飯を食べている。 周りの女子高生はみんな、お洒落でメイクもばっちりなのに、三つ編みで眉間にしわを寄せ、表情の硬いグレタは明らかに浮いた存在だ。

 

グレタこの映画の中で繰り返していっていること。

みんなが私が演説をすると、大人達は「がんばって」「応援しているわよ」「環境問題は本当に大切だ」とか言うけど、誰も何もやっていない。 次々とモノを消費し、肉を食べ、車や飛行機に乗る。 言っていることとやっていることが違うのが許せない。

アスペルガーは白か黒だ。知行合一でなきゃ許せないんだ。 

彼女は自分がアスペルガーであることを、徳として捉えている。 地球温暖化の危機は、中途半端な気持ちでは対応できない問題だからだ。 リサイクルはするけれど、車は運転する、とか、そんな姿勢では克服できないのだ。 グレイゾーンのないアスペルガー障害だからこそ、徹底して戦える。

彼女は常に鬱である。 地球の危機を考えずにいられない、北極グマや小動物のことが頭から離れない。 突き詰めて考えてしまい、涙が止まらなくなるのだ。 映像を見るとあぁ、どうにかしなきゃって思うけど、それが終わると、腹へった、肉焼いて食うか、なんて思う私たちとは違うんだ。 

鬱やアスペルガーは病気として捉えられ、治そうとするけれど、そういう人たちは実はとても重要な役割を与えられて生まれて来てるんだ。 この映画をみて、そう思いました。 

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もう一人のスウェーデン出身の強い女の子といえば…、

長靴下のピッピ。 子どもの時、あの自由過ぎるピッピの話が大好きだった。 リンドグレーンの本は「やかまし村」「ロッタちゃん」「カッレくん」シリーズ、ずいぶんと嵌ったわ。 

グレタを観た時、私はすぐピッピを思い出しちゃった。 古風な、真ん中分け三つ編みも似ているけど、なんといってもピッピは「世界一つよい女の子」だもの。 

サルの名前はネルソンさん!