ロシアのウクライナ侵攻が始まって、２か月余り経った。 毎日のように、いかにロシアが残虐非道な行為をしているかニュースで伝えている。 それに伴って起きそうなロシア系アメリカ人に対するバッシングのニュースをほとんど聞かないのがせめてもの救いだね。 イラク戦争のときはアラブ系が、コロナが流行り始めたときはアジア系が、次々とヘイトクライムの犠牲になっていた。 やっぱり肌の色の違いって大きいな。
前に住んでいた家の隣にシベリアから移民してきた家族が住んでいた。 そこのおばあちゃんはロシア語しか話さないから、一言も会話をしたことがなかったんだけど、東日本大震災があったとき、たくさんクレープを焼いて私に持ってきてくれた。 孫を通訳に連れてやって来て、「ロシアでは他人に災難が起こったとき、クレープをあげるんです、私はあの津波の映像を見て、あなたたち日本人のことを大変気の毒に思い、クレープを焼きました。」って言うの。
私は直接被害を受けたわけじゃないのに、同情の気持ちをこんな風に行動に移すって凄いって思った。 そしてめちゃくちゃおいしかった。 あのおばあちゃんは今まだ健在だったら、ウクライナのあの映像を見て、ものすごく心を痛めているような気がする。
そうそう、私は４年前にロシアに行ったんだ。 ロシアの入国ビザを取るのがちょっと面倒くさかったけど、今から考えるとなんて自由だったんだって思う。 コロナも戦争もなかったんだ。 そしてそれがコロナ前の私の最後の海外旅行だったな。
日本からウラジオストックに渡ってシベリア鉄道でモスクワまで行って、そこからサンクトペテルブルクに行き、バスで国境を越えてエストニアに入り、そこから、適当にヨーロッパを回ってアメリカに戻った。
ロシアでのロシア人の印象は、ザ・素朴な人々、だ。 旅行のほとんどがシベリア鉄道の2等寝台車の中だったからかもしれないが、おばちゃん達はよくロシア語でしゃべりかけてくれるし、食べ物を分けてくれる。 男は話しかけてくることはなかったね。 アジアのおばちゃんは圏外ってかよ、ふん。 まぁ、ロシア人に英語はほぼ通じないので、ロシア語で話されても、交流は無理なんだけどさ。
アジア、アフリカ、中東のいわゆる「先進国」でない国は、私のような日本／米国から来た旅行者の女はカモにしてやろうと、怪しげな奴がウジャウジャ寄って来るけれど、ヨーロッパはそれがない。 ロシアもやっぱりヨーロッパだ。 ああいったウザい奴はいなかったな。
でも、エカテリーナ宮殿は土足禁止で、ビニールの靴カバー履いて歩かなきゃいけないんだけど、私はうっかり靴のまま歩いていたら、ものすごい勢いで、警備のおばちゃんが追いかけてきて、めっちゃ大声で怒られた。 怖かった～。
↓↓ みんな履いているビニール袋@エカテリーナ宮殿
あぁ、早く戦争もコロナも終わって、私を自由に飛び回らせてくれよ～。 そろそろ限界。
９歳の時にロシアから家族とともにアメリカに移住したレジーナ・スペクターの『私たち』という曲。 私たちとは誰か、彼らとは誰か、いろいろ想像してしまう。
Us / Resina Spektor (2004)
彼らは私たちの銅像を造った
そしてそれを山のてっぺんに立てた
観光客がやってきて私たちを眺める
フーセンガムを膨らましたりして
写真を撮って楽しんでいる
彼らは町の名を私たちに因んで付けた
後でそれを全部、私たちのせいにした
今度は私たちに説教をするでしょう
今度は私たちに説教をするでしょう
だって彼らは長い経験の持ち主だから
私たちは強盗の巣窟に住んでいる
無我夢中にページをめくり答えを探す
私たちは強盗の巣窟に住んでいる
そしてそれは伝染する
そしてそれは伝染する
そしてそれは伝染する
そしてそれは伝染する
私たちはスカーフを首吊りの縄のように巻く
でもそれは永眠したいからじゃないの
それに私たちのパーツは少し使用済みだけど
新しいものにあなたたちはタダ働きをさせる
私たちは強盗の巣窟に住んでいる
無我夢中にページをめくり答えを探す
私たちは強盗の巣窟に住んでいる
そしてそれは伝染する
そしてそれは伝染する
そしてそれは伝染する
そしてそれは伝染する
彼らは私たちの銅像を造った
彼らは私たちの銅像を造った
観光客がやってきて私たちを眺める
彫刻家のママが尊敬の意を送る
彼らは私たちの銅像を造った
彼らは私たちの銅像を造った
私たちの鼻の先から錆び始めた
私たちは強盗の巣窟に住んでいる
無我夢中にページをめくり答えを探す
私たちは強盗の巣窟に住んでいる
そしてそれは伝染する
そしてそれは伝染する
そしてそれは伝染する
そしてそれは伝染する
＜Syco訳＞
なんかレジーナって矢野顕子を思い出すんだよね。
オマケ４コマ 呑気にシベ鉄旅行
