旧統一教会の信者さんたちと働いた思い出

今再び統一教会が問題になっているけど、私は統一教会の信者の中で働いたことがある。

91年頃、デトロイトのお寿司屋さんでアルバイトをしたんだけど、そのお寿司屋さんの経営が当時の統一教会だった。 知らないで働き始めたが、アメリカ人のウェイターの子が教えてくれた。

私以外の日本人の従業員はみんな昼夜フルシフトで毎日出勤してて、たぶん週70時間ぐらい働いていたんじゃないかと思う。 そしてみんなで大型バンに乗って出勤して来て、帰っていくところも一つの家。 共同生活をしているのだ。 

一度何かの用事でその人たちの家に行ったことがあるけど、ちっちゃな子供もたくさん住んでいて、当時私はカーリーにして髪を腰まで伸ばしておまけに赤かったので、私を見た子供たちに「怖い~、」と泣かれた。 アメリカに住んでいながら、アフロヘアーとか見たことないのかね? 

一緒に働く信者さんたちは全員まじめないい人ばかり。 私はそこに働く前に別のお寿司屋さんでも働いたんだけど、そこは怒鳴り散らす経営者とその愛人という噂のあるヘッドウェイトレスの下でこき使われて嫌な思いを経験したので、新しいこの職場は天国のようだった。 何しろ彼らは神様のために働いているんだからね。 一生懸命だよ。 多分給料は貰ってないと思う。 もちろん私は普通に給料は貰っていた。

二人の寿司職人は日本人の奥さんがいて厨房で働いていた。 他の日本人のウエイトレスは全員アメリカ人と結婚していて、夫はニューヨークで働いているだとか、オハイオにいるとか、一緒には暮らしていないんだ。

寿司職人は技術者として就業ビザが下りるけど、そうでない人はアメリカ人と結婚することによって住民権を得ているという話。 結婚しても一緒に暮らすことなく、ある程度の年齢になるまで奴隷のように働いて後に子供を作るらしい。

みんな、まじめで純粋だけど、変わった人はいなかったな。 私の方がずっと変人だったよ。 あの頃デビッド・リンチの「ツインピークス」が流行っていて、私は毎週ビデオに取っていて、信者さんの一人に貸してあげたら嵌っちゃって毎週ビデオを貸すようになったり。 悪魔による悪夢のようなドラマなのに意外と大丈夫なんだね。 でも、駐在員相手の商売だから週刊誌とかレストランに置いていたのだけど、エッチなグラビアや劇画の部分はしっかりカッターで切り取られてたわ。(アメリカのコンプライアンスに引っかかるからかもしれないけど。)

バイトのアメリカ人の学生の子なんかは裏で統一教会に勧誘されたりしていたみたい。 私はもう見るからにムリと思われてたのか、一切勧誘してこなかったから気楽で楽しかったな。 お昼の日本食の賄もめっちゃ美味しくて、それだけでも働く価値あった。

本当はどうして教団に入っちゃったのとかめっちゃ聞きたかったけど、向こうが隠している、というか私にはそのことについて一切話さないのでこちらからは聞けなかった。 でも朝から夜遅くまで働きバチのように仕事をし、ランチが終わってディナーが始まるまでの2時間足らずの間を死んだように昼寝をしている信者たちを見ていると、幸せなのかなぁ、とか考えてしまったわ。 

 

ルー・リードはユダヤ系のアメリカ人だけれど、こんな歌を書いている。 無宗教な私でもなぜか癒される曲。

Jesus / the Velvet Underground (1969)

youtu.be

イエス様 私の居場所を探してください
イエス様 私の居場所を探してください
弱い私を助けてください
私はあなたの恩恵を失いそうだから
イエス様 イエス様

イエス様 私の居場所を探してください
イエス様 私の居場所を探してください
弱い私を助けてください
私はあなたの恩恵を失いそうだから
イエス様 イエス様

 

イエス様 私の居場所を探してください
イエス様 私の居場所を探してください
弱い私を助けてください
私はあなたの恩恵を失いそうだから
イエス様 イエス様

<Syco訳>

 

オマケ4コマ アメリカの寿司事情