日本から無事帰ってきたよ。
本当は入国審査で止められたらどうしようと心配していた。 独裁政権アメリカでは、永住権を持っていても別室行きで尋問を受け拘置所に入れられたなんて件が多発しているからね。
今回私の場合、行きと帰りの予約が別々で、おまけに日本で新しいバスポートに更新したので、パスポート番号で検索したら米国側のデータで滞在期間が不明になっているのではないか? ずさんなアメリカのことだからよく調べもしないで、とりあえず拘置所へ連れて行け!なんてことになったどうしよう?
そのあと容疑が晴れて拘置所から出してもらったら絶対にニュースメディアと連絡を取って、いかに不当に取り扱われたかを報告しよう。 リベラル系のユーチューバーにもコンタクトを取ろう。 インタビューにどう答えようかな、「私は米国に30年以上住んでいて働いて税金も納めてきました。 私はアメリカ市民の子供の母親であり、娘もアメリカのために立派に働いています。 年老いた母が気がかりで日本に帰っていただけなのに、アメリカからこんな扱いを受けるなんて信じられません....。」 (実は私の母は87歳でもピンピンしている)。といろいろ妄想を膨らませていたが、拍子抜けするほど入国審査は簡単だった。 以前は両手の十本の指の指紋をスキャンされたのに、今回は片手の4本でよかったし。
審査官には「日本から何を持っていきましたか」と聞かれただけ。「調味料とお菓子をたくさん持ってきました。」 「何のお菓子ですか?」「主におせんべいとクッキーです。」などという間抜けな会話を交わし入国審査をクリアしたのでした。 めでたし。
とは言え、アメリカは戦争をおっぱじめた。 あぁ、本当に帰りたくなかった。 毎日朝ドラを観て、日曜日のお昼に『のど自慢』を観る日本の生活を続けたかったよ。
NHKの『のど自慢』ほど平和な番組は無いのではなかろうか。 毎週毎週、聞いたこともないような田舎町のナントカ会館からの中継で、老若男女の出場者はみんな家族や友人のために歌う。 下手な人と上手い人のバランスも絶妙で誰が出てもいいんだ、という寛容さ。 え、こんなに上手いのに鐘二つ?とかテレビに向かって叫んでいる自分がいる。
コンビニおにぎりとコンビニスイーツと『のど自慢』で私は幸せを感じていた。 でもそれは一年に一回しか帰省しないから感じる幸せかもしれないね。 だって日本に住んでいた時『のど自慢』なんて絶対見なかったよな。
アメリカに戻って、やっぱりいいな、って思ったのは誰も歩いていないアパラチア山脈のトレイルぐらいだな。 帰った次の日に散歩した。


♪ ザ ヒルズ アラーイブ ウィザ サウンドオブ ミュージック ♪ とジュリー・アンドリュースになりきって歌っても大丈夫、誰にも聞かれやしないよ。
the Hills are Alive (1965)
山は生きている
音楽を奏でながら
千年もの間歌い続けてきた歌とともに
山は私の心を満たす
音楽の響きで
耳にする歌を全て歌いたいと心が動く
湖から飛び立つ鳥の羽ばたきのように胸が高鳴る
そよ風に乗って聞こえてくる教会の鐘のように
私の心はため息をつきたくなる
石につまずいて転んだときのように
軽快に笑いたくなる
歌を覚え始めたヒバリのように
夜通し歌いたくなる
寂しくなったとき、私は山へと向かう
以前聴いた歌が
きっと聞こえるに違いないから
音楽の響きに
私の心は祝福されるでしょう
そして私はもう一度歌うでしょう
<syco訳>
私がエプロンドレスで『のど自慢』に出てこの歌を歌ったら、特別賞が貰えるかな。ステージで「ナチスから逃げてきました」とコメントしようかな、などと再び妄想に入る。