ボブ・マーリーの暗殺未遂事件を描く小説”A Brief History of Seven Killings”を読んだよ

ボブ・マーリーの暗殺未遂事件をもとに書かれたフィクション"A Brief History of Seven Killings"を読んだ。 翻訳本も出ている。 邦題は『七つの殺人に関する簡潔な記録』だって。 ジャマイカの方言のパトワ語が溢れているので、どんな風に訳されてるのか気になる。Bomboclaaaat! とかね。『やべぇ!』とか『クソ野郎!』みたいな意味らしいけどね。

1976年にボブ・マーリーは自宅で襲撃され、本人と妻とマネージャーが怪我を負った。  実際に犯人は未だに判明せず真相は謎らしいが、本書ではボブ・マーリー宅を襲ったギャングらは7人いたといっている。 題名の「七つの殺人」とはそいつらが結局は全部殺されてしまったことを意味している。 

ボブ・マーリーという名前は一切出てこず、"the Singer"と書かれているが明らかにマーリーとわかる。 他にもピーター・トッシュ、ジミー・クリフ、ジェイコブ・ミラー、デニス・ブラウン、リー・スクラッチ・ペリー、ブラック・ウフルなどの曲名や歌詞が出てきて、ルート・レゲエ好きにはウフフ♡となる。 

しかしこの小説に出てくるジャマイカンはみんなクズよ、クズ。 なのに暴力性だけは凄くて、女であろうが子供であろうが容赦なくタタンタタンと撃ちまくる。 章ごとに数々の登場人物が一人称で話すのだけど、誰ひとりとして共感できない。 

そしてこの本によると、米国のCIAがジャマイカのギャングに武器とコカインを大量に供給してテンションマックスにさせて、ボブ・マーリー宅を襲わせたことになっている。 冷戦のとばっちりを食らった…みたいな。事実だったらひでえ話だぜ。 Bomboclaaaat!

ただ3人の女性の登場がジャマイカで生きる悲しさや、ニューヨークで移民として生きる辛さを語り私を感動させてくれたので、700ページの分厚いこの本も読む価値あったわ。 (この3人の女性は実は…!? それは読んでのお楽しみ♡)

 

 

読んだ後に、ボブ・マーリーの最新の伝記映画 ”One Love” がNetflixで見れることを知り、かなり評判が悪いのは分かっていたけど観てみることにした。 で、やっぱり上っ面をなぞるだけの薄っぺらな映画だった。 マーリー役は本人よりもカッコよかったけどね。 私の感想も薄っぺらだな。

なんと映画では、銃撃事件の2年後に犯人の一人の少年がマーリーを訪ねてきて、「僕がやりました、ごめんなさい」 と謝るのだ。 マーリーはその場で許し少年はそのまま去っていく。 真相がわからないこの事件をこんな風に美化していいのだろうか? ボブ・マーリーをよく知らないで見に来た人がこの美談を事実だと勘違いしちゃったら責任取ってくれんのかな。 本書では犯人の少年たちはギャングに処刑されてしまうんだけどな。 

 

実はコロナの前の年に、ジャマイカに行こうと飛行機のチケットを買って、キングストンの日本人宿にも予約を入れて、行く気満々だったのに、ちょっとした事故が起こって全部キャンセルしなきゃいけなかった。 悔しかったから、「きっとジャマイカに言ったら危険な目にあって私は殺されてたかもしれない」、と自分に言い聞かせ気を紛らわせたけど、この本を読んで、やっぱ行かなくて良かったって確信させてくれたわ。 

 

sycob.hatenablog.com\

 

この本ではアメリカに渡ったジャマイカのギャングの一人が、the Singer (ボブ・マーリー)はどうでもいいが、『バッファロー・ソルジャー』という曲が好きだと語っていた。 

バッファロー・ソルジャーとは19世紀ー20世紀の初期にアメリカのフロンティアで戦った黒人だけの部隊の名称だが、たぶんドレッドヘアの兵士はいない。 ドレッドロック・ラスタは白人によるアフリカ搾取と弾圧の象徴だね。

 

youtu.be

Buffalo Soldier / Bob Marley (1983)

バッファロー隊の兵士はドレッドロックのラスタ
バッファロー隊はアメリカの真ん中で戦った
アフリカで捕らえられ、アメリカに連れてこられた
到着するなり、生き残るために戦った

あの悪臭を考えてみると
俺には納得がいく
ドレッドロックのラスタがバッファロー隊だったこと
そしてアフリカから連れ去られ、アメリカに連れて来られ、
到着するなり、生き残るために戦っていた

バッファロー隊の兵士はドレッドロックのラスタ
アメリカ大陸の真ん中にバッファロー隊がいた

歴史を知ったなら
自分がどこから来たのか分かるだろう
そうすれば俺に「俺たちは何者なんだ?」と聞くこともないだろう

俺はただのバッファロー隊の兵士だ
アフリカで捕らえられ、アメリカに連れてこられ、
到着するなり、生き残るために戦っていたという
アメリカのために勝つまで戦うバッファロー隊だ

さぁ、ドレッド達、

woy yoy yoy, woy yoy-yoy yoy,
Woy yoy yoy yoy, yoy yoy-yoy yoy!
Woy yoy yoy, woy yoy-yoy yoy,
Woy yoy yoy yoy, yoy yoy-yoy yoy!


バッファロー隊が大地を行進する wo-ho-ooh!
逃げたかったが、力を求められた、
大地を更新する yea-hea, yea-ea

バッファロー隊だ、アメリカのために勝つまで戦う
バッファロー隊の兵士はドレッドロックのラスタだ
到着するなり、生き残るために戦う 
本土からカリブ海の真ん中へと追いやられた。

歌え、woy yoy yoy, woy yoy-yoy yoy,
Woy yoy yoy yoy, yoy yoy-yoy yoy!
Woy yoy yoy, woy yoy-yoy yoy,
Woy yoy yoy yoy, yoy yoy-yoy yoy!

アメリカ軍としてサンファンを行進し
バッファロー隊としてジャマイカまで行進する、
到着するなり、生き残るために戦う:
バッファロー隊の兵士はドレッドロックのラスタ

woy yoy yoy, woy yoy-yoy yoy,
Woy yoy yoy yoy, yoy yoy-yoy yoy!
Woy yoy yoy, woy yoy-yoy yoy,
Woy yoy yoy yoy, yoy yoy-yoy yoy!

<Syco訳>