ゴシップ動画を見ていて頭がバグった

それは「日本人女性と結婚した海外ミュージシャン35人 【大物大すぎ!】」というyoutube動画のタイトルが目につき、どれどれと見始めたのが始まりだ。

https://youtu.be/1gPaQLgKGCA?si=Y-tUwuU8-5Dh05n8

新たな発見もあれば既に知っている話もあり、フムフムと見てたんだけど、すごく気になる事実を発見。 ウォーターボーイズのボーカルのマイク・スコットが日本人の『ろくでなし子』さんという漫画家と結婚していた。 解説者はこう述べた。

「ろくでなし子さんが逮捕されたことがきっかけで、逮捕の原因はちょっとここでは言えませんが、マイクが応援するという形で知り合いました」

なにこれ? 「ろくでなし子」さんって誰よ? 何をして捕まったのよ? 海外から違法薬物でも持ち込んだの? ウォーターボーイズは私はけっこう好きだったのよ。 80年代に出たアルバムは全部持っているし、86年にイギリスでライブも観た。 気になる~! ググる~!

そしたら衝撃! 「ろくでなし子」さんは自分の性器の型を取ってそれをデコる(通称デコまん)アーチストだった。 自分の性器の形を基にカヌーを作りたくて、その資金集めに性器を3Dプリンターでコピーして、そのデータをクラウドファンディングで売ったらわいせつ罪に引っかかったという。 これは2016年のことで、私は全然知らなかったわ。 

海外で報道されたこのニュースに、マイク・スコットは心を動かされ、会ったこともないろくでなし子さんを好きになった。 イヤ、いい話かもしれないけど、マイクってそういう活動を応援するタイプの人だったの? それで、そのあと二人はどうなったの? ググる~!

ろくでなし子さんは一部有罪となり罰金を払って釈放され、マイク・スコットと結婚。 そのあとジョンとヨーコみたいに二人で過激な音楽活動してるのかなと勝手に期待してしまうんだけど全然そんな様子はなさそうだ。

アイルランドで長男誕生。そのことを子育て漫画にしてnoteに連載していた。 noteによるとコロナの年から息子さんと二人で帰国し、マイクとは別居してワンオペで子育てをしている。 別居の理由は、ADHDと診断された息子さんを日本語環境で子育てしたいろくでなし子さんの意向と、マイクがアイルランドに元カノとの子供がいるので、養育権の関係で法律上アイルランドから離れられないということらしい。 note のエッセイマンガにはマイクはほとんど出てこない。 

ウォーターボーイズのファンだった私としては、ろくでなし子さんが夫の音楽をどう思っているのかが気になるわ。 たぶん、マイク・スコットからDMをもらった時「こいつ誰?」って思っただろうな。 ミュージシャンはファンと結婚することが多いけれど、マイク・スコットがろくでなし子さんのファンになったのだから逆を行ったケースだ。 ろくでなし子さんにとっては、外国から自分を愛してサポートしてくれる夫、それ以上それ以下でもないのかな。 

そして今年になってろくでなし子さんに大腸がんが発見され、闘病マンガも兼ねてきた。もう芸術家としての活動もしていないようだ。 noteの子育てエッセイマンガは今も進行中。 ADHD児童の学校選びの難しさを真剣に訴えている。

このろくでなし子さんとマイク・スコットのストーリーを追うこと3,4時間、英語や日本語のサイトや動画サイトを検索して私の頭はバグってしまった。 80年代のウォーターボーイズの音楽とnoteのろくでなし子さんのマンガが私の中で繋がらないのだ。

それどころか、ろくでなし子さんの現在の真摯に教育の問題を語るマンガと独身の時の芸術活動「デコまん」も繋がらないし、「デコまん」で主張されるフェミニズムとマイク・スコットのスピリチュアリティも繋がらない。

インターネットはその時代の話題になった事件や会見やインタビューに一気にアクセスさせてくれるたけど、その底にある二人のアイデンティティは全くをもって見えてこない。 スマホ脳ってこういうことなのか。 ただ断片的な情報で短時間で頭がいっぱいになって混乱するだけで処理できない。 怖いわね。デジタルデトックスが必要かも。

 

ウォーターボーイズの名曲中の名曲。 去年亡くなったカール・ウォリンジャーがキーボードを弾きながら歌っていて泣けるわ。 

youtu.be

the Whole of the Moon / the Waterboys (1985)

僕は虹を思い描いていたのに
君は自分の手で握っていた
僕にはひらめきがあったけど
君には計画があった
僕が世界中を何年も放浪していた間
君はただ自分の家に居た
僕は三日月しか見えなかったのに
君は月の全面を見ていた!
月の全面を!

君はあそこの柵の上に立ち
かかとで風を受け
星に手を伸ばし
そして気づく
高すぎて
遠すぎて
速すぎることを
君は月の前面を見ていた

僕は地面に打ち付けられたのに
君は空を満喫していた
僕は現実に唖然とさせられ
君は嘘を見通していた
僕は雨で汚れた谷を見ていたのに
君はブリガドゥーンの町を見ていた
僕は三日月しか見えなかったのに
君は月の全面を見ていた!

僕は翼について語ってたけど
君は飛ぶことから始めた
僕は悩み、考え、試してみたけど
君は始めから知っていた
僕は溜め息を吐いたけど
君はあっさり諦めた
僕は三日月しか見えなかったのに
君は月の全面を見ていた!
月の全面を!

松明をもって
かかとに風を受け
君ははしごを登り
そして気づく
高すぎて
遠すぎて
速すぎることを
君は月の前面を見ていた!
月の全面を!

ユニコーン、大砲
宮廷、埠頭
トランペット、塔、テネメット
涙で溢れる大洋
旗、帆、フェリーボート
トルコ刀、スカーフ
星空の下にある
全ての愛しい夢と希望

君は帆に風を受け
はしごを登る
君は彗星のようにやって来て
その尾を輝かせる
高すぎて
遠すぎて
速すぎて
君は月の前面を見ていた!

<Syco訳>