外務省の海外安全ホームページを見て思うこと

日本では安田純平さん帰国がいろんな話題や論争を呼んでますが、私は社会問題や国際政治について、ブログに書くつもりは全くございません。

ここはあくまでも、私個人の周辺や思い出を書いているブログでございます。

 

でも気になるのは、「危ないとわかっているのに行く」っていうのが、身勝手な奴のすること、または馬鹿な奴のすることとみなされ、すごく悪いことのように言われていることなんです。

私が一人旅が大好きだ。 昔はイギリス、フランス、ドイツ、イタリアなど西欧諸国で満足してたけど、先進国はアメリカや日本とあまり変わんない、そして金がかかると感じ始め、スペインからモロッコに渡ってめっちゃ面白かったのをきっかけに、近年は東欧、ロシア、トルコ、中国などを攻めている。

ひとりの気ままさときたら最高よ。 ピンポイントで自分の行きたいところに行けるんだから。 この小路に入りたい、ハイ、はいりまーす、おっ、あの建物の裏側はどうなってるんだろ、ハイ、行ってみまーす、ストリートパフォーマンスを最後まで見たり、丘の上の墓地まで登ってみたり、好奇心の導くままに自由に行動できるって楽しい。

 

旅行前に外務省の海外安全情報ページをチェックすると、行こうとしている国がけっこう危険度レベル1(十分注意してください)に塗られてる。 ロシアだめ、旧ソビエト領の国だめ、中米だめ、ジャマイカだめ、中東、アフリカもちろんダメ、中国も西側ダメ、東南アジアだめ、インドだめ。 そして各地に起きた事件を羅列して、「海外に行くと、こんな目にあうぞ~、こんなこともあったぞ~」とまるで脅しているようだ。

 外務省 海外安全ホームページ

 

わたしはその外務省が判断した危険度レベル1の国はかなり行ったけど、一度も危険な目にはあっていない。 怪しそうな人は、パリでもロンドンでもいるし、 今まで私が一番怖いと感じた町は、外務省の安全情報地図は危険レベル0とされる米国のデトロイトだったりする。 (実際に強盗に拳銃を向けらて、車と財布を盗られたこともある。 デトロイト、恐るべし!)

「危ないとわかってるに、行く」、ではなくて、本人はまだ行っていないんだから、「他人が危ないと言っているのに、行く」でしょ。 そりゃ、過去に起きた犯罪の数とか認識してるわよ、そして、自分もまきこまれる可能性だってあるでしょうよ。  

でも、それだから行きません、という結論に繋がらないだけ。 リスクを天秤にかけても、一人旅は私にとって価値があるの。 

それに、外務省が危険ですよ、と警告している地域で怪我や強盗にあったとしても、それをまかなってくれるのは、日本政府じゃなくて旅行保険よね。 領事館がやってくれるのはパスポートの再発行ぐらいですね。 でもパスポートはかなりのお金を払って取得してるので、当然よ。それに事件に巻き込まれたら、動いてくれるのは地元の警察で、日本政府ではありません。

今の日本の若者は海外旅行離れをしているといわれてるけど、僻地を旅行してきて、本当にそう感じた。 若いアジア人はほとんど、中国人か韓国人だった。 

今日本はスリル・ジャンキーが馬鹿にされる時代になったのかな。 パソコン付ければ、何でも見られるから、あえて危険を冒して行くなんてアホみたい、って思っちゃうのかな。 でもふと入ったモスクワのロシアの正教会の地下に降りて行って、地下の礼拝堂に響いていた祈りの合唱の、時代をワープしたような不思議な感覚とか、絶対そこにいないと感じられないものがある。

私はそう言った体験を、外務省の安全ページの地図の塗り絵なんかで阻止されたくない。 そして、その塗り絵で、実際に行ったこともない人が恐怖心を植え付けられ、行く人はバカだなどと批判して欲しくない。

海外旅行に行って怖い目に合うと、90%は楽しかったのに、「ねぇ、ねぇ、聞いて。 こんな目にあったんだよ」ってまずそのネガティブな事件の方から話すよね。 楽しかったことは、人を羨ましがらせるだけだで自慢話ともとられがちで遠慮しちゃうし。 だから、危険な話ばかり拡散してしまうんだよ。

旅行はめっちゃ楽しいよ。 生き返るよ。 危険な目に合ってないからお前はそんなのんきなこと言ってられんだ、って言われそうだけど、ヤバイなって感じた経験は山ほどある。 でも、この人ヤバそう、とか、あ、ここヤバそう、って感じて、引き返したり逃げたりしたこと経験はたくさんある。 それがあるから、旅行に行くと、鈍っていた感覚が研ぎ澄まされるんだよ。

 

自己責任、もちろんです。 でも、自己責任、自己責任と非難している人は、自己責任を覚悟で何か危険なことをしたことがあるのか、と私は聞きたい。 

 

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 モロッコのフェズという街。 路地が迷路のように入り組んでいて、ツーリストは迷うことで有名。 私は迷ってやれ、と思って突入し、一日中迷いまくりました。