私の年間ベストアルバム 1990年 Heaven or Las Vegas ユラユラ踊って天国へ

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コクトーツインズは何言ってるかわかんないし、アンビエントな音でなんかやっているな、ぐらいにしか思ってなかったけど、このアルバムは全部の曲を抱きしめたいぐらい好きになった。 

デビュー当時からのコクトーが好きだった人にはポップ過ぎるかもしれない。  でも私はそこが好き。 これはダンスアルバムよ。 基本、私を踊らせる音はすべて良し。 包み込んでくれるような音。 これなら、ユラユラ踊って、アルバムタイトル通り、天国まで上っていけそうだ。  

相変わらず歌詞は聞き取り不可能だけど、だからこそ、何も考えずににのめり込めて気持ちがいいのかも。 一発目の”Cherry-Colored Funk"で気分が高揚してくる。 "Iceblink Luck"は聞くと100発100中気分が良くなる。  

昔の私のブログの意味が分からない曲の一位がコクトー・ツインズになってるね~。

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songoftheday.blog123.fc2.com

分け分かんないけど、時々確認できる言葉が想像力をかきたてる。 アルバムタイトルの「天国か、それともラスベガス?」って、超世俗的なラスベガスと、天国が同じ位置に並べるそのセンスって何なの?

1990年は結婚した年だ。 式など挙げずに、ネバダ州のリノというカジノの街で、簡単に籍を入れた。 ネバダ州はアメリカで一番、籍が居れやすい州なんだよね。 役所に行って30分ぐらいで終わったかな。 リノはラスベガスをちっちゃくしたような街でそこら中にカジノがある。 

その時私は初めて会った夫の父親が私たちの結婚の立会人になった。 夫の話によると、かなり、性格が悪くって、ギャンブルと酒で身を崩したオヤジなんだよね。 夫が大学に入ると同時に夫の両親は離婚し、そのあと夫の父親はラスベガスやリノでギャンブルをしながら、カジノの警備員の仕事をしたりして、暮らしているようだった。 その日一回だけ会った、テロテロのポリエステルのスーツを着た不機嫌な夫の父親を思い出して、なんかとんでもない結婚式だったな、と思う。 (式じゃないけど)。

コクトーツインズでよく聞くのはこの一枚だけ。 エリザベス・フレイザーの高い歌声はあまり好きじゃなかったし、もともとアンビエントな音楽は趣味じゃない。 ”Iceblink Luck”のように普通に低音で歌っている方が好きだな。  

義父だけど、その後全く音信不通になって、2005年にラスベガスのアパートで孤独死しちゃったんだよね。 ラスベガスから、本当に天国に行ってしまいました。