ロケンロール100選 71-80

このバンドは「クロージングタイム」って曲がアメリカで大ヒットしたんだけど、それよりもこっちのほうが何倍もいい曲だと思う。突然挿入される「71」は何が71なのかよくわからない。 でも人間はしばらくこの世に生きられるように出来ている、って内容なので、その「しばらく」が71年ぐらいってことじゃないかな。 私も71年ぐらいがちょうどいい。 

71. Semisonic / Made to Last (1998)

youtu.be

しばらくは壊れないように作られてる
そして転がり続ける
かっこよく動くように作られている
颯爽と
飛ぶ夢を見るように作られている
空高く
泣き叫んで目が醒めるに作られている
どうしてかわからない

美しい人が
太陽の下で眠る
秘密は甘くて尊くて
ずっとずっと持ち堪えて欲しい

一人でやってくるように作られている
そして誰かと一緒になる
転がる石のように閃光を放ち
71

地球との恋愛は
一度だけ
生まれ変わるために
空中で待っている人もいる
(何の価値があるのかな)

君がどこに居ても
近くても遠くても
黒くても白くてもレモンでもライムでも
ずっとずっと持ち堪えて欲しい
<syco訳>

 

やっと大好きなベルセバの登場だ。 機関車ハーモニカに乗った「僕と少佐」。少佐は72年のロキシー・ミュージックを憶えている、という歌詞が出てくるよ。  

72 Me and Major / Belle and Sebastian (1996)

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僕は少佐と親しい友達になれるかも
だって同じ電車に乗り合わせ、少佐は僕に話しかけてくる
僕と少佐は親しい友達になれるかも
同じ電車に乗って、僕に話しかけてくる
でも僕らの間には、長い歴史とたくさんの個人史がある

僕と少佐は数々のことで意見が合わない、
少佐は僕のような男を仲間に入れたい
僕と少佐は数々のことで意見が合わない
少佐は僕のような男を仲間にして
軍隊に入れる
なぜなら女王陛下の軍隊は一人前の男にしてくれるから

でも彼は理解しないし、しようともしない
何かが欠けているに気づき、それは僕らのことだった
僕ら若い世代は、成長も早かった
みんなドラッグをやっていた
僕らに八つ当たりをする 
僕らに八つ当たりをする
僕らに八つ当たりをする

僕と少佐は住む世界が違う
でも僕がエレベーターでいつも上流階級の人間と一緒になる
僕と少佐は住む世界が違う
でも僕がエレベーターで、いつも上流階級の人間と一緒になる
彼らは気高くてでまるで僕が人じゃないみたいに見下してくる

少佐は頭がおかしくなってるみたいだ
歩道に沿って歩いては戻ってくる
少佐は頭がおかしくなっているみたいだ
歩道に沿って歩いては戻ってくる
まるで行進をしているみたい、そうだ、軍のパレードにいるのだ
少なくとも彼はそう思い込んでいる

今少佐はテントから安全な家に戻った
家族はいない、一人暮らしだ
彼はパンクもヒッピーの時代も憶えている
72年のロキシー・ミュージックだって憶えている
何かが欠けていると気づき、それが僕らのことだった
僕ら若い世代は、成長も早かった
みんなドラッグをやっていた
僕らに八つ当たりをする 
僕らに八つ当たりをする
僕らに八つ当たりをする

踊りに行きたい、ウィスキーをひっかけたい
だから少佐のことは忘れて町に繰り出そう
踊りに行きたい、ウィスキーをひっかけたい
だから少佐のことは忘れて町に繰り出そう
だって、雪が降り出したから
そうだよ、雪が降り出した
<syco訳>

 

ベルセバに続いてロビン・ヒッチコックと、インディのカルトバンドが続くね。 軌道を取り戻してきたかな。 

「キリコ通り」だから、あのシュールな画家のキリコね。 なので「73が家までついてきた」と言う意味を解明しようとも思わないわ。  

73. De Chirico Street / Robyn Hitchcock (1996)

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計りが家までついてきた
キリコ通りで
計りは言った「お前は何を知ってる?」僕は言った「それどういう意味?」
キリコ通りで
そして数字が指に変わり
指が蠅に変わった
そして君の肖像画の周りをブンブン飛び回った

73が家までついてきた
キリコ通りで
僕と君を宣伝していた
キリコ通りで
その写真は僕らがキスをしていて
車掌の名前はミロだった
バスが通り過ぎる時、彼が叫んだ
「フレッシュヘッド!」

ハイエナが走ってきて飛び掛かった
キリコ通りで
包帯の下の輪郭が分かった
キリコ通りで
もし君が時計台の下で会ってくれるなら
僕は窓から投げキスを送るよ
だって君はショッキングなことが好きだから
モラルを語るな
やっちゃえよ
もう行ってもいいよ
君は責任を全部放棄してしまった
たった、たった、たった今
キリコ通りで

日時計の針が取れて、あぁ、真っ暗になった
キリコ通りで
割れ目に這うトカゲのしっぽが見えた
キリコ通りで
そして窓を通して
淡い電球の光がちかちかしていた
ストロボの光で歩く夜

世界で一番危うい夢を見る
キリコ通りで
コウモリだ、コウモリだ、コウモリだ、女の子だ
キリコ通りで
ポケットに悪夢のドレス
僕は言う「ジャスパー、これは邪悪だよ。
でも僕の恋人のライオンを愛してる、僕のライオン!」
<syco訳>

ニック・ケイヴこのリストで2度目だね。 彼が語るのは12世紀に実在した聖女クリスティーナのこと。 彼女は一度死から蘇って76まで生きたらしい。  

74. Christina the Astonishing / Nick Cave and the Bad Seeds (1992)

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驚くべき聖クリスティーナ
遥か昔の話
22歳の時
突然発作に襲われた

リエージュの小さな教会で 
彼女は棺桶に入れられた 
アニュス・デイの讃美歌が歌われた後
すぐにに棺桶から彼女は蘇った

教会の天井まで舞い上がり
梁の上に立った
こう叫んだ「罪深い人間の悪臭がする、
罪深い人間の悪臭、
耐えられないほどの悪臭がする」

驚くべき聖クリスティーナは
最も驚くべき聖女
彼女は梁の上で静止して祈った
もしくは背中を丸めた

彼女は人里離れた場所に逃げて行った
塔や木や壁を登って
人間の腐敗臭から逃げて行った
腐敗する人間の異臭
彼女は竈に隠れた

驚くべきクリスティーナの
その振る舞いは恐ろしかった
彼女は野獣のように通りを走り
ムース川に飛び込んで泳いだ

驚くべきクリスティーナの
振る舞いは恐ろしかった
彼女は74歳まで生きた
セント・アンナの修道院で
74歳まで生きた

<syco訳>

 

75は私がよく走った75号線のうた。 ミシガンに住んでいた時、フロリダ目指して、何度も75号線を乗ったわ。 山も谷もなく、ただただ麦畑やトウモロコシ畑が続く退屈な道だけど20時間走ればマイアミの常夏のビーチ、yeah!

75. Two Babies / Corey Smith (2005)

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俺のベイビー、今すぐ戻って来てくれよ
会いたくて病気になりそうだ
3日間は長すぎる、あぁ二人のベイビー、家に帰って来てくれよ
あのバックアイの州を去る時が来た
南に、南に、75号線を南に向かう
ブルーグラス地帯をまっしぐら
メイソンとデキシーの境界線を突っ切って
お願いだ、オハイオからジョージアまで連れて来てくれないか
二人のベイビーを

お前たちが去ってから、おかしくなっている
クジラにのみ込まれたヨナの気分だ
復活の日を祈っている、あぁ、嬉しい、あと数時間だ
あぁ、俺の二人のベイビーが家に戻ってくる

南に、南に、75号線を南に向かう
バックミラーに映るテネシー川を後にして、
お願いだ、オハイオからジョージアまで連れて来てくれないか
二人のベイビーを

あぁ、
皿洗いも洗濯も全く手につかない
でも俺はこの曲を書いた、気に入ってくれるといいんだが
二人のベイビーが心の底から恋しいんだ 週を二つ跨ぐには遠すぎる
もう二度とお前たちを離さない

南に、南に、75号線を南に向かう
アトランタのスカイラインを通って8号線に入る
オハイオからジョージアまで連れて来てくれないか
オハイオからジョージアまで連れて来てくれないか
俺の二人のベイビーを
<syco訳>

 

国際カシコレラさんのサイトで知ったこの曲が良かったのよ~。 幹線道路に関する歌はどれもノリがいいね~。歌詞にたくさん固有名詞が出て来て、ほとんど誰なのか何なのかわかんないんだけど、そんなのも気にならないぐらいグルービーな曲だ。 

I-76はフィラデルフィアからオハイオに続く高速道路、セブンティシクサーズはフィラデルフィアのバスケチーム。 たぶんフィラディルフィア愛がいっぱい詰まった曲なんだと思う。 

76. I-76 / G. Love & Special Sauce (1997)

youtu.be

カットマン
65 25パークライン・ドライブ
そして俺はいつものようにライブで舵を切っている
仲間に電話して、来られるか聞いてみる
朝飯からデカい音立てようぜ
ボブ・マーリーから始めよう
林に戻って新鮮なパセリを取ってこい
もしかしたらニックJに火が付くかもしれない
それから市内に即行だ
でもダウンタウンに早く行きたいなら
76号線を行くしかない
もちろん景色を楽しみたいなら別の話
イーストかウェスト・リバー・ドライブが最適だ
でも急ぐなら
クルーズの出航に向けてペダルを踏め
76号線に乗るんだ
だって1996年は
裏技は通用しないから


G-Love  
1980年を思い出す
あぁ、ほんとに良かったな
学校の成績が良けりゃ
親がセブンティシクサーズの試合に連れて行ってくれた
恥じることのない試合だった
モー・チークスのビック・ショット
そしてモーゼス・マローン
ジュリアス・アービングはフィラデルフィアを故郷と呼んだ
ボビー・ジョーンズ、ダリル・ドーキンス
アンドリュー・トニーの3Pシュート
ロッキー・バルボアは南フィリー出身
だから試合に遅れたくなかったら

取るべきルートはただ一つ
フィッシュタウンに行くには渋滞を避けて
195号線を行くのを走ればいい
 早く行きたいけど、ちょっと心配なら
676号線を行けばいい
一番金をかけて作られた
広い高速道路だ
あまり有名な選手はいなかったけど
いい試合をやる
仲良くやれよ、セブンティシクサーズ
チャールズ・バークレーがラリー・バイアーをディスった
仲良くやれよ、セブンティシクサーズ
チャールズ・バークレーがラリー・バイアーをディスった

スマイルズ
ミドルマンのシーフープス
ジョイを装っていた
バレンタイン・スマイルズからカットマンの策略
革の座席でくつろげば76号線は快適
キャデラックD.B.L. クリストファーが強盗を働いた
高速でのパフォーマンス、ソーダ缶をぺちゃんこにする
もう一つくれよ、ベイビー、新年のアートパーティー
その質問の答えはこんな感じかな
フィラデルフィアの住民はみんな人生が職業だ
ア・ラ・スペクターを逃走させる運命だ
無法地帯さ、イェイ、
金曜の夜はブロンコスとペッパー・シェイカーがラップする
街ではアイス・ドッグ・ラブが摩天楼のショーダウンだ
76号線で
俺はオットー・ショウプがデイビー・クイックネスを歌うのをいい気分で聴いている
ヴァリのリリは毎日のようにリンガを愛用
ハイ・ヒルからフィラデルフィアを称えるぜ

カットマン
早く着きたいのなら
76号線に乗るしかない

もちろん景色を楽しみたいなら別の話
イーストかウェスト・リバー・ドライブが最適だ
でも急ぐなら
クルーズの出航に向けてペダルを踏め
76号線に乗るんだ
だって1996年は裏技は通用しないから


仲良くやれよ、セブンティシクサーズ
チャールズ・バークレーがラリー・バイアーをディスった
仲良くやれよ、セブンティシクサーズ
ドクターJ! モーゼス・マローン
仲良くやれよ、セブンティシクサーズ
ジェリー・スタックハウスとアイバーソン
<syco訳>

 

ノリのいい曲が二つ続いたけど、77は一変して、ピーター・ガブリエルの社会派プロテストソング「ビコ」。 80年代の南アフリカはまだアパルトヘイトがあったんだね。ライブエイドとか、バンドエイドとか、ロッカーによる救済コンサートが盛んだった。 ロックが世界を変られると信じていたんだね。 ロックは私を変えたけど、世界はあまり変わってないなー。

77. Biko/Peter Gabriel (1980)

youtu.be

77年の9月のこと
ポート・エリザベスは晴れていた
警察の619号室では
いつものようだった

あぁ、ビコ、ビコ なぜなら
あぁ、ビコ
ビゴ、なぜなら
あぁ、ビコ
キラ・マジョ キラ・マジョ
その男は死んだ、その男は死んだ

夜眠りたくても
赤色の夢しか見ない
外の世界は白と黒なのに
死の色はひとつしかない
あぁ、ビコ、ビコ なぜなら
あぁ、ビコ
ビゴ、なぜなら
あぁ、ビコ
キラ・マジョ キラ・マジョ
その男は死んだ、その男は死んだ


ろうそくの火は吹き消せても
炎は消せない
一度火が飛んだら
風が炎を舞い上げる

あぁ、ビコ、ビコ なぜなら
あぁ、ビコ
ビゴ、なぜなら
あぁ、ビコ
キラ・マジョ キラ・マジョ
その男は死んだ、その男は死んだ

キラ・マジョ キラ・マジョ
その男は死んだ、その男は死んだ
<syco訳>

 

次はパンクバンド、スティッフ・リトル・フィンガーズよ。 しばらく聞いてなかったよ。 懐かしい。 

RPMというのはRevolution Per Minutes の略だから、1分間に78回転するレコードのことだけど、"revolution" は「革命」という意味もある。 それに掛けて、一分間に78革命を起こせ、って歌ってるのね。

78. 78RPM / Stiff Little Fingers (1979)

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69年は順調だった
お前は言う 79年まではお手の物
でも俺は言ってやる

70,71年で警鐘が鳴らされた
72年、俺たちは地獄を見た
73年、74年と、事態はさらに悪化する
死ぬほど、死ぬほど、死ぬほど退屈

 

でも今
新しい年が来た
78年になった
一分間に78回革命を起こす
一分間に78回革命を起こす
一分間に78回革命を起こす今、

 

75年、代り映えのないジャイブ
なぜまだここに生きるのか 教えてくれないのか?
76年、クスリはいらない、賭けてもいい
でも、ちがう、俺たちはまだ死んでないんだ

でも今
新しい年が来た
78年になった
一分間に78回革命を起こす
一分間に78回の革命
一分間に78回の革命

77年はマシになってきた
お前は言った、とてもじゃないが天国とは言えない
俺たち言った、許容範囲まで詰め込めと
詰め込むんだ、俺たちはれが
革命、革命、革命、革命じゃなかった

 

1-2-3-4-5-6-7-8、心を浮き立たせ、夢中にさせる
祈らせ、七十八と言わせる
一分間に革命が78回
一分間で革命が78回
一分間に革命が78回
今だ
今しかない
明日は無い、今やるのだ

<syco訳>

 

パンクが続く。 死ぬほど聴いたトム・ロビンソンのアルバム「パワー・イン・ザ・ダークネス」からの「79年の冬」だ。 でもこのアルバムが出たのは1978年なんだよね。 未来なのに思い出のように歌う、珍しいパターンの曲だわ。 でも名曲であることは間違いなし。

79. Summer of 79/ Tom Robinson Band (1978)

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ただ座って愚痴をこぼすだけの若者
79年当時、お前たちはそこにいたはずだ
若者は苦しめられてると言うが
あの子たちを見ると俺の心が痛む
スパーズがアーセナルに勝った、凄い試合だった
血は下水に流れていた
都市間列車が走った
それがこの街をバラバラにした
ナン・ハリスが死んで
チャーリー・ジョーンズは自殺した年
私たちが知っていた世界が破裂した
79年の冬

俺は仕事にしたり辞めたりしててあ
パイントはまだ10シリングで買えた
新車のボンネビルを高く買わされた
俺は多かれ少なかれ諦めていた
春には社交界が閉鎖され
何人かの共産主義者が逮捕された
徴兵制度が戻ってきた
79年の冬
マルコのカフェが火事になり
ヴァンボ・ボーイズのせいにされ
SASが俺たちの名前を名乗った
79年の冬

俺たち貧乏人が職を失い
地下鉄の運賃が上がり、バスが動かなくなったけど
トップの人間は降りることをせず
政治家は決して辞任しなかった
レゲエのクラブは爆破され
ナショナルフロントは勢力を増していた
デイブとダゲナム・ロンがやられた
79年の冬
ゲイの男たちが投獄され
有色人種の子供たちが磔にされた
何人かが反撃し、何人かが死んだ
79年の冬

何人かが戦い
そして何人かが死んだ
79年の冬

<syco訳>

 

最後はレディオヘッドで。 あまり80という数字のインパクトがない曲だけど好きだから入れた。 80年代に女の子に(整形)手術をしていた、しかし重力には勝てないってうたう。 確かに!

80. Fake Plastic Tree / Radiohead (1995)

youtu.be

プラスチック製のニセモノの木
緑色のプラスチックのじょうろは
プラスチックのニセモノの土にの上の
中国製のニセモノのゴムの木に使う

それはきみがゴム男から買ってきたもの
ゴムの木でいっぱいの町で
売りさばかれるもの

それはきみを磨り減らす きみを磨り減らす
きみを磨り減らす きみを磨り減らす

きみは壊れた男と暮らしている
ヒビの入ったポリスチレン男
今にも崩れて焼け落ちる

80年代頃彼は
女の子を手術していた
しかしやはり重力には勝てない

そしてそれは彼を磨り減らす 彼を磨り減らす
彼を磨り減らす 彼を磨り減らす

きみはほんもののように見える
きみは本物の味がする
僕のニセモノのプラスチックの恋人

怒りが湧き起こるのを
抑えることが出来ない
背を向けて走り去ることが出来るなら

そしてそれは僕を磨り減らす 僕を磨り減らす
僕を磨り減らす 僕を磨り減らす

そしてもし僕が君の望むものになれたら
君の望むものになれたら
いつでも、いつでも

<syco訳>

 

オマケ4コマ (my 80's)