ハイウェイ40号線上の女

ノースキャロライナを東西に走る40号線を毎日行ったり来たりしてる中年女は何を考える? 

開会式前のあのこと

オリンピックは始まってしまったけれど、私はあのオリンピック楽曲担当辞任事件がまだちょっと気になっている。 

日本のロックやポップスが苦手な私は、当人の音楽は聴いたことは無いし、名前さえも知らなかった。 でもインタビューを載せた雑誌の一つのロッキン・オン・ジャパンは私が10代に欠かさず読んでいたロッキン・オンの姉妹誌だし、ライターの山崎洋一郎の書くものもよく読んでいたから、なんか他人事とは思えない気もするし。

まず最初に当人の音楽を聴いてみた。あの二人組の名盤と言われる三枚目のアルバムをYouTubeで聴いた。 これは私の習性なんだけれど、すぐに欧米のバンドの影響を嗅ぎ取ってしまう。 そして、これならストーン・ローゼズやプライマル・スクリームやマイブラを聞いていた方がいいって思っちゃうんだよね。 でも、洋楽をあまり聞いたことがなかったら、あの二人組のサウンドはカッコいいし、踊れて且つやさしいサウンドで、少年少女達はハマるかもしれない。 でも当時のイギリスのインディーミュージックの良いところを取って寄せ集めたようなこのアルバムは、私にはオリジナリティがあると思えず、ただ「カッコいい」の最先端を行きたいバンドにしか聴こえない。 

私は89年に日本を離れたので、90年代の渋谷系とか鬼畜系と言う言葉には馴染みがない。 でも自分が80年代はサブカルクソ女だったことは間違いない。 欧米のインディーバンドはもちろんのこと、B級ホラーやカルト映画、ガロに載るようなカルト漫画が大好きで、ホロトフスキー、ジョン・ウォーターズ、デビッド・リンチ、サム・ライミ、ダリオ・アルジェント、デビッド・クローネンバーグ、根本敬、丸尾末広、つげ義春などなど、世間では悪趣味と言われるものを好んで観たり読んだりしてた。 大衆に人気の物は全部クソだと本気で思ってた。  そして、それらがわかる自分は特別だと勘違いしてる痛い奴だった。 

だからタブーを破るのはカッコいいって思ってしまう気持ちはわかる。 でもそれは、音楽の分野でやってくれよ。 心地良いおしゃれサウンドの代わりにな。 鬼畜、エログロであっても、芸術の中の表現であるから、その想像力や自由奔放さが凄いのであって、実際に起こったら楽しめるわけがない。 あのインタビューの内容は根本敬の漫画の実写版で、まったくシャレにならない。

もし彼が本当に自分が語ったような非道行為をしてたら、真のサイコパスだ。 それで私は、クイックジャパンの記事全文がウェブにあったので21ページ全部読んでみた。 すると、抜擢だけされている記事とはちょっと違う印象を持った。 あくまでも私の憶測だけれど、当人は率先してやっていたわけではなく、周りに流されて加担した気弱でダメな奴っぽい。 でもいじめがかっけーと思っているので、自分がやったみたいに話し、シニカルに斜めに構えて、そして盛ったりもして、大人になってもいじめ自慢するサブカルおバカちゃんだったのがわかる。

私は依然としてキャンセルカルチャーやセンサーシップには反対なので、この事件で彼のファンは今後もサポートし続けるのかが気になる。 CDを全部捨てたなどと言うツイートもあるけれど、全体としてはどうなんでしょう。 でもファンなら、もうとっくに知っていてそれでもサポートし続けているからファンなんであって、今更って感じなのかな。 むしろ、オリンピックの楽曲なんて引き受けなければ良かったのに、って思っているかもしれない。 引き受けてしまったおかげで、これからの彼の音楽人生がダメになって、ほんとうに、この人は今でも思考力が欠けてんのかなぁ。

でも作品には罪がないので、あのおしゃれポップが好きだった子たちは、何の罪悪感を持つ必要もないし、自分の趣味を疑う必要も無いんだよ。 あの音楽は彼の、こうありたいと願うファンタジーで、それを創り出す才能は大したものだったんだから、それに乗っかって夢見たっていいじゃない。 

 

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