(2019年作品)
何もしたくない、何も考えたくないときは、私はホラー映画を観る。 ホラー映画は、ただ、「死にたくない」という生物万有の本能を刺激するのみ。 だから、無になって見れるの。
ホラーは10本見てアタリが1本ぐらい、という心構えで見ている。 これは大当たり!
森の中でキャンプしているカップルが殺人鬼に襲われるという話は、すでに何百回と見ているけど、これはちょっと違うんだな。 殺人鬼というのが、いろんなことを象徴しているみたいで、怖いと言うよりシュールで、そして身も蓋もない話で、ヨーロッパにありがちな不条理系のホラーだ。 制作国はスウェーデンとデンマーク。
ストーリーをもう少し明かしたいんだけど、カップルが森で頭のおかしな3人組に襲われる、ほぼそれだけの話で、それ以上明かしようがない。
そしてこの映画の題名「ココディココダ」は映画の中で殺人鬼がうたっている歌なんだけどさ、聞き覚えがあるぞ。 私が小学校の音楽の時間で輪唱させられたあの唄だ!
今でも歌詞を憶えているぞ。
「こっこけこっこ夜が明けた、
空は綺麗な朝焼けだ
元気よくさぁとびおきて
朝のあいさついたしましょう
みなさんおはようございます」
「ココディココダ」はたぶん日本語の「こけこっこ」なんだね。 メロディは、「カエルの歌が 聞こえてくるよ」とほぼ一緒、子ども心にも、すっげぇ詰まんねぇ歌だと思った。 それをエンドレスに輪唱させられて地獄だった。
そしてそのエンドレスな悪夢がこの映画のテーマだった。 凄い!私の幼少時代とつながる!
万人には勧められないけど、ミヒャエル・ハネケやデビッド・リンチが大好きってひとなら、きっと大丈夫だと思う。
それからこの映画に挿入されているアニメはたぶん、ユーリ・ノルシュテインの「話の話」に影響されている感じがするな。 50年前のロシアのアニメーションだけど、とぉーっても良いので、暇だったら見てみて。
(台詞がないので、字幕なしでも大丈夫よ!)
最後にまた私の落書き