それは「僕の大事なコレクション」という映画を見たことがきっかけだった。 ユダヤ系アメリカ人の青年を扮するイライジャ・ウッドがウクライナに自分のルーツを見つけに行くという旅の物語だ。
印象的なひまわりのシーン↓↓
ここに出て来る、ウクライナの現地ガイド役のチャラい兄ちゃんがゴゴール・ボーデロのバンドリーダー、ユージン・ハッツだった。 イライジャ・ウッドのクソ真面目キャラと対照的にめっちゃいい味を出していた。
そしてエンディングに流れる曲がいいなーって思ったら、それもゴゴール・ボーデロの曲だった。 見終わった後すぐにアルバムを探したよ。
東欧のジプシーパンクは、アウトサイダーとしての反逆的なパンクアティチュードに、バイオリンとかアコーディオンとかの民謡っぽい物悲しいリフが入って、私のような年を取ってしまったパンクロックファンの心に染み入るのよ。
ユージン・ハッツは二十歳の時に母親と一緒にソビエトの統治下にあったウクライナから難民としてニューヨークに渡ってきた。 自らを移民のパンクと呼び、移民としてのアイデンティティーを前面にアピールする。 私は何度かライブを見る機会があったけど、観客にメキシコ系のアメリカ人が多かった。 民族は違うけど、やっぱり同じ移民ということで共通点を見つけるのかしら。 というか、私も移民だったわ…。
♪アアアーーア ♪アアアーーア(移民の歌)
私だって流れ流れてアメリカ南部にやってきたジプシーのようなもんだ。
その後しばらく、東欧/ジプシーパンクにハマったのよ レニングラード(ロシア)、ジプシーCZ(チェコ)KAL(セルビア)バルカン・ビートボックス(イスラエル)などなど、娘にダサいといわれながらも聴きまくっていた。 このジプシーの哀愁は10代の小娘には百年早いわ!
映画のエンディングに流れた曲はこれ ↓↓ 一度聞くと頭に鳴り響く
Start Wearing Purple
紫の服を着ようじゃないか、紫の服だ
今から紫の服を着てくれないか
すべての正気と機知が消えて無くなる
遅かれ早かれその時はきっとくる
だから、紫の服を着ようじゃないか、紫の服だ
今から紫の服を着てくれないか
すべての正気と機知が消えて無くなる
遅かれ早かれその時はきっとくる
俺は二十歳の時、二十歳のお前と会った
でもそれはかなり昔のこと
紫の小柄なレディはぴったりだ
この小汚い役立たずの道化がね
だから、紫の服を着ようじゃないか、紫の服だ
今から紫の服を着てくれないか
すべての正気と機知が消えて無くなる
遅かれ早かれその時はきっとくる
ディオゲネスからフーコーまで全部知っている
ロズゲスチンからパスパルトゥも
I ja kljanus obostzav dva paltza
Schto muzika poshla ot Zvukov Mu! (ウクライナ語?)
だから、紫の服を着ようじゃないか、紫の服だ
今から紫の服を着てくれないか
すべての正気と機知が消えて無くなる
遅かれ早かれその時はきっとくる
<syco訳>
アコーディオーーーン! ↓↓
Think Locally, Fuck Grobally
俺はニューヨークにやってきた、 ジプシーパンクの反乱を起こしに!
それが今ガタガタで故郷に戻るほうがいいんじゃないか?
ヘイ シャボレール、地元で考えろ
パロ マンデ、世界規模で失敗しろ
故郷に帰ったら、誰もわかってくれないときた
俺はただの普通の男でしかないのに
地元で考えろ
そして世界規模で失敗しろ
そして俺たちが作り出した国が神の恩恵を失ったら
自分の宇宙に飛び立つしかないな!
ヘイ シャボレール、地元で考えろ
パロ マンデ 世界的に失敗しろ
パーティーだ!
<syco訳>
バイオリーーーン! ↓↓
Sally
15歳のサリーはネブラスカに住んでいた
その小さな町にジプシー・キャラバンが通りすぎる
ジプシーが道に落としていった何かを彼女がひろう
そこでとっさに文化革命が始まったv
Oh No! 文化革命がたった今始まってしまった
Oh No! 文化革命がたった今始まってしまった オーライ
みんなはいつも俺がスキゾだといって恐れた
(ロシア語(?)の歌詞が続く…)
Oh No! 文化革命がたった今始まってしまった
Oh No! 文化革命がたった今始まってしまった、オーライ
母なる大地が生みすべての生き物の中で
おれはクソでかい銀バエになりたい
人の顔の周りを昼夜飛び回るやつさ
その音っていったらまるでアレだろ?
しかし、何かの偶然か神の業か
俺はいつしか国連を歩く羽目となった
そしてあのクソ放射能の中も生き延びた
あのクソでかい忌々しいアレ?
そしてお前を何度も邪魔しに行くぜ
<syco訳>
ロシアのウクライナ侵攻からちょうど一年になる。 このアルバムのジャケットのように、ゴムパチンコで反撃するようなウクライナだったのに、ものすごい粘り強さを世界中に見せている。 ゴゴール・ボーデロも当然のことウクライナ支援のチャリティコンサートをしたり支援金を募ったりしている。 戦禍における生活支援は必要だ。
でもアメリカは日本円にするとすでに3兆円もの軍事支援している。 ミサイルとか戦車とか人殺しの道具だ。 アメリカの人口3億人で割ると一人一万円だ。 私の税金の一万円が人を殺しているんだよ。 嫌だなぁ。 トランプは大嫌いだけれど、こういう時こそ、アメリカ・ファーストと言いたいわ。 そんな金があるなら、福祉とか保険とか充実させて、せめてこの国の平均寿命をほかの先進国並みに伸ばしてほしいよ、え、梅田さん。 ヒーロー気取りでキーウに現れたりしたけどよ…。
最後は愚痴になっちゃいました。だって、とにかく医療費が高いんだもの。 気軽に医者にも行けませーん。
久しぶりのバンドTシャツコレクションシリーズ👕