読書メモ 「モンテクリスト伯」

古本屋で見つけた「モンテクリスト伯」。 あ、これ母が、チョー面白くて読み出したら止まらない、って言ってた本だ。50セントだ、買っちゃおう。

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ふぅっ、ほぼ3週間かけて読み終わった! 全1247ページの復讐劇。

原文は19世紀のフランス語だけど、現代文の英語に訳されているので、思ったよりスイスイ読めた。 それに、登場人物がほぼ全員、金か愛に狂っているので、とっても単純でわかりやすい。 多分19世紀の大衆小説だったんだろうね。 連載してたというのだから、次はどうなる? とぐんぐん引き込ませる手法で書かれてる。

デュマは「読者の諸君は気になっていると思うが」、とか、「読者の諸君は覚えているだろうか」、とか読者に語りかけているが、150年も未来の日本人の読者がいることをその頃に想像したのかなぁ…、なんて思ってしまった。

登場人物が、やたら気絶するのも面白い。 昔の人は、ショックを受けるとよく気絶したのかしら。 私は未だに、ショックで気絶する人を見たことがないけど…。

電話で母に、「モンテ・クリスト伯」読んだよ、面白かった、って言ったら、そうなの、じゃ、私も読んでみようかしら、と言った。 え、あなたが面白いから読めって言った本じゃない?  と聞いたら、違うと思う、だって読んだことないもの、もしかして、「ジャン・クリストフ」と間違えてるんじゃない? あれはすっごく面白かったよ…だって。

ということで、勘違いで読んだ1247ページでした。

Dr. ジョンが亡くなって…。

アメリカ全土を旅行したわけではないけど、訪ねた中で一番好きな街は何といってもニューオリンズだ。 いつでもどこでもお酒が飲めていい音楽が聴ける、幸せになるにはこれだけで十分でしょ。 

アメリカでは路上で飲むのは違法だけど、ニューオリンズのバーボンストリートはOKだった。 ストリートにはミュージシャンが溢れているし、バーからも音楽がガンガン聴こえてくる。 この町に住んだら、絶対私はアル中になって堕ちて行きそう。 でも老後に暮らすには快適かもな。

ニューオリンズのビッグチーフ、Dr.ジョンが亡くなった。 6月6日に心臓麻痺で、77歳だった。 ドラッグ中毒を克服したり、刑務所に入ったりもした波乱の人生だったのに、アメリカ男性平均寿命78歳をほぼ全うしたんだね、おめでとう。 でもね、一度は彼のピアノを生で聞いてみたかったよ。 コッテコテのニューオリンズピアノ、”ティピティーナ”や”スタッガー・リー”が聴きたかった。 数多くのアルバムを出したけど、私はやっぱり、ニューオーリンズの陽気で呑気な”ガンボ”と、ブードゥーの怪しく土臭い”グリ・グリ”が好きだな。 

プロフェッサー・ロングヘアを継いだのがドクター・ジョンだと思ってたのに、彼も亡くなって、軽快なニューオリンズピアノって、今誰が弾くんだろう? ファッツ・ドミノもアレン・トゥーサンも亡くなった。 ハリー・コニック・JR? でも彼はどちらかというとしっとり感のあるジャズだし。

誰も弾かないなら、よっしゃ、私が弾いてやろう。 老後はニューオリンズを目指して! ”ティピティーナ”の楽譜を引っ張り出して頑張るぞ。 

R.I.P ドクター・ジョン 

 

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負けてたまるか Sizzla - They Ain't Gonna See Us Fall

再び遠くなったジャマイカ。 でもきっといつか行くよ。

大好きなレゲエ・アーチスト、シズラ。 中でも一番好きな曲。 感極まって声が裏返るところが溜まんない!

ジャマイカに行きたかった理由は、ここから一番近いアフリカのような気がしたから。 アフリカを感じたかったから。 

 

They Ain't Gonna See Us Fall  / Sizzla

(Huh、 今この瞬間に、伝えておきたい
一番高貴なサラシエ一世に感謝と栄光を称える
Whoa、 恐怖は全て葬ろう
心配するな 涙を拭え
Yea、わかるだろ、みんな最高だ)

全ての俺ら黒人、全ての俺らならず者
全ての子供と全ての愛すべき女性
奴らに堕ちるところを見せはしない
奴らに堕ちるところを見せはしない
富を分け合い、ファンのために歌ってくれよ
母なるアフリカ、手を貸してくれよ
奴らに堕ちるところを見せはしない
奴らに堕ちるところを見せはしない

溢れるほどの賛美、俺たちを止められない
Wow 若者たちが俺たちの遺産となる
Oh 人々が俺たちの財産だ
Oh あいつら異教徒は俺たちを負かせると思っている
Oh 判定を見せつけてやる
異教徒の奴らを一掃する
屋根の上の子供たち、地下に籠るならず者
戦う代わりに音楽を奏でろ 愛が代わりとなる

崇高な神に祈れ 俺を助けてくれる
俺の国が豊かになるのを見せてくれ
自身を大事にし、健康で
シオンの丘に登る そこに祝福がある
Wow, 流れてきた
アフリカのエチオピア、そこが俺たちの故郷
俺の国が力強くて嬉しい 俺の歌をうたってくれ


ラスタファリ、あなたは俺のそびえる塔だ そして一瞬一瞬がジャアからの贈り物
時間をかけて祈る そして死ぬまであなたに感謝する
天と地を創造した崇高な神
Whoa 敵にいい顔をする暇などない
世界は無限だ

俺の国の人々、俺の国のならず者
全ての小さい子供ら、そして愛すべき女たち
奴らに堕ちるところを見せるな
バビロンに堕ちるところを見せるな
俺の言葉を広めてくれよ、ファンのために歌ってくれよ 
周りの人間を愛し、強くなれ
奴らに堕ちるところを見せはしない
奴らに堕ちるところを見せはしない

決して、決して、決して
奴らに堕ちるところを見せはしない
奴らに堕ちるところを見せはしない
奴らに堕ちるところを見せはしない
奴らに堕ちるところを見せはしない
奴らに堕ちるところを見せはしない

(Syco 訳)

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不条理とはまさにこの事! ジャマイカ行きをキャンセルした話 (後編)

上海の空港に着いてタブレットをWi-fiに繋いで急いでメールを見ると、デルタ航空から、再予約のメールが来ていた。 良かった、娘は東京行の飛行機に乗れたんだ! 金額を見ると、追加料金は取られていない。 良かった、本当に良かった。 これで私の損害は2000ドル程度で済むことになる。 それでも十分ダメージは大きいんだけど、娘が日本に行けることがわかっただけで、自分は凄く運がいい!って錯覚に陥った。 私って結構単純なんだよ。

あとは、日本滞在の間は全てこの事件は忘れて、楽しむしかない。 どうにもならないことを引きずって、バケーションまで台無しにされたくないもの。 

アメリカに帰国したら、質素に暮らして返済すればいい。 思い出すと悔しいから、気にならない程度に少しずつ返していこう。 

ジャマイカは行ったらきっと危険な目にあってたんだ、って信じよう。 だって世界で最も危険な都市の16位だからね。 こういう時は自分の都合のいいように考えるのが、一番の対処法だ。 ありがたいことに、自分の都合のいいように考えるのはけっこう得意なのよ、私。

(追記)

この後日本で、justfly.com、中国東方航空、デルタ航空に、延々と交渉したけど、お金は戻ってこない。 私が名前を間違って入力したのが悪くて、自分たちは責任が無い、と言い張られるだけだった。(私、間違ってないよ…。) 帰りの航空券も再購入させられた。 ジャマイカ行きは諦めることにし、日本から直で家に帰る。 帰りの航空券は922ドルだった。 ダメージ総額は2077ドル。 

あーぁ(涙)。 

 

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ジャマイカで、と言いたいところだけど日本海…。

不条理とはまさにこの事! ジャマイカ行きをキャンセルした話 (前編)

ブログの更新が無かったのは、決して私がジャマイカのキングストンで行方不明になったからからじゃない

悲しいことにジャマイカ行きはキャンセルしたんだ。 その悲しい出来事をこれからダラダラと書き連ねようと思う。 気持ちの整理も兼ねてね。 

愚痴なので嫌な人はスルーしてください。)

 

まず最初に言っておきたい。

飛行機のチケットの予約にはミドルネームは入れないこと!!

日本人でミドルネームを持っている人はあまりいないと思うけど、私は夫の姓をミドルネームとしている。 パスポートは苗字のところにカッコ書きで夫の姓が記載されている。 娘の日本のパスポートも記載のされ方は私と同じだ。 

私は5月6日の午後6時ノースキャロライナ発に乗って→N.Y.→上海→新潟に行き、帰りは5月28日で新潟→上海→N.Y.→ジャマイカに行くことにしていた。

娘は東京の友達に会うために私とは違う便で日本に行く。 午後10時発の便でアトランタで東京行に乗り継ぐ予定だった。 

ニューヨークのJFK空港で乗り継ごうとしたとき、悪夢が始まった。 JFK空港はいつ行ってもカオス。 建物はわかりにくく、いつでも混んでいるし、係員は揃いも揃って不親切だ。 

まずセキュリティに並んだら、再度カウンターでチェックインが必要と言われ、中国東方航空のデスクに回された。 そこでさんざん待った挙句、私の番が来て、パスポートを差し出すと、係のお姉さんは私の予約をモニターで見ながら、ふんふんと考えている。 

何か問題でも? と聞くと、私のパスポートの名前と予約の名前が異なっているという。 航空券は姓と名の欄しかないので、私のミドルネームが名の欄に一緒に記載されている。 しかしパスポートはミドルネームが姓の方に記載されているから、この予約では搭乗できない、と言うのだ。 ノースキャロライナからは乗って来れたのは、国内線だから。 国際線はパスポートの名前と一致しないと乗れない。 そして、本当はノースキャロライナでチェックインする時点で、名前を訂正すれば良かったけれど、いったん飛行機に乗ってしまうと、途中では訂正できないと言う。 飛行機に乗るには、正しい名前で航空券を買いなおさなければいけない、と宣うのだ。 

パスポートの名と一致してるよ。 ただ、ミドルネームが名の方にくっついてしまっただけでしょ、と言うと しかし、このミドルネームはラストネームの欄にくっつくべきであって、ファーストネームではない!! と頑なに、搭乗拒否をされる。

ノースキャロライナ‐NY間はデルタ航空だったので、中国東方はデルタが気づくべきだったのだと、アメリカであるあるの責任のなすりつけ。 

そして搭乗直前に空港で購入できるのは片道航空券のみ。 そして、既存の予約はこの時点でキャンセルされるので、帰りの航空券も使うことが出来ない。 すなわちジャマイカ行も全てパァになってしまい、更に帰りの便も再購入しなければいけないのだ。

でも、まず始めに思ったのは、娘の日本行きの航空券。 これも予約の際に同じように名前を入力したので、パスポートと一致しないことになる。 その時は午後8時でまだ娘はまだ出発してないはず。 急いで娘に電話をして、チェックインするときに必ず、必ず、名前を直してもらう、ミドルネームは姓に入れてもらうことを伝えた。

新たに購入させられる新潟までの片道切符の値段は$1150。 これは最初に買った往復切符より数百ドル高い。 いったん日本行きをやめて、NYから電車かなんかでノースキャロライナに戻って、ネットで安い往復航空券を買う選択もある。 でも私のスーツケースはすでに新潟に向かっているし、それに日本に着いた5日後に母と姉と娘とで北海道旅行の予約も入れてるから、今更、日を改めることなんで出来ない。 

搭乗の時間も迫っている。 えぇーい、仕方ない$1150の片道切符買ったるわ、バカ野郎! クレジットカードで購入し、飛行機に乗り込む。 

乗ってからも不安がつのる。 果たして娘は名前を訂正して飛行機に乗ることが出来たのか。 新たな航空券を買えと言われていないか? そうすると、娘のクレジットカードの使用限度額は500ドルぐらいしかないから、購入は無理じゃないか? 彼女にとって今回は就職前の日本旅行で、長期の日本滞在はこれが最後になるかもしれないのに。

予約は姓と名さえパスポートと合っていればいいので、ミドルネームなんて、わざわざ入れなくてもよかったんだ。 しかし、私の利用したjustfly.comの入力欄にはミドルネームの入力欄がある。 確か去年も同じようにこのサイトでミドルネームを入れて予約したはず。 それなのに去年は同じルートで中国東方航空で渡航できた。 それも中国東方に訴えたけど、「去年のことは知らない、年々厳しくなっている」と交わされた。 今年はミドルネームを入れちゃいけないなんて、どうやって私が知ることができるのか!? 

行と帰りで私の片道航空券が2300ドル、そして娘の分も合わせれば4600ドルの損害。 ジャマイカに行くどころの話じゃない。 

上海まで13時間の飛行機の中は地獄だった。 Wi-Fiがないので、娘に飛行機に乗れたがどうか確認もできない。 4000ドルものダメージはどうやって工面しようか? もし娘が日本に来れなかったら、みんなが楽しみにしていた北海道旅行は、娘抜きで行くことになる。 母は孫との旅行はこれが最後になるかもしれないのに…。 このダメージを抱えての日本の滞在はめっちゃ暗くなるに違いない。 狭いエコノミー席の端っこで、消灯されて暗い中で、悶々とした気分でうずくまる私、可哀そう過ぎる…。

機内の映画をみても楽しめない、本を読もうとしても頭に入らない、音楽を聴く気もしなかった。 もちろん眠れない。 こんなに鬱々としたのは、多分4年前に医者に癌の可能性が大だ、と言われたとき以来だ(癌ではなかったんだけどね。)結局上海に着陸するころには、お金がいくら掛かってもいい、「娘が日本行きに乗れてますように!!!」だけを祈っていた。私は無宗教だけど、死んだ父に祈っていた。 

(続く)

ウガンダで誘拐された女性の言葉

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今朝、ウガンダで武装集団に誘拐されて、無事戻ってきた米国人女性のインタビューをテレビで観た。

 

この事件は今月の初めに起こった。 彼女はツアーガイドと共に連れ去られ、5日後に解放された。身代金の5千万円はこの女性が参加した旅行会社が払ったという。

私はひとり旅が趣味だけど、誘拐されるのが怖くて、中南米だけは行く勇気がなかった。 強盗ならその場でお金を渡せばいい。 でも誘拐されたら、長時間に渡る恐怖を味わうわけでしょ。 もし無事戻れたとしても、トラウマから立ち直れそうもない。 

しかし、今朝の彼女の話を聴いてちょっと驚いた。 彼女は犯人グループの4人にヒューマニティーを感じたという。 野宿をするときに、彼女のために蚊帳とビニールシートを敷いてくれた。 自分たちは水たまりの泥水を飲んで、彼女だけにボトル・ウォーターをくれたという。 彼女はアメリカに無事帰れたら、自分は彼らの想像もつかないような豊かな生活に戻るけれど、多分彼らは野生の動物よりもちょっとましなだけの生活を続けるんだ、って思ったそうだ。 「でもだからと言って誘拐が許されるわけでは決してないんだけど...。」 とも言っている。

真っ暗闇の中を歩かされて、ふと夜空を見ると、満天の星が輝いていて、天の川もはっきり見えて、思わず誘拐犯らに「こんなきれいな星空は、私の街のカリフォルニアでは絶対に見られないわ」と感動の思いを伝えたという。

この人、天然かと疑いたくなるようなエピソードだけど、誘拐犯は、もっと極悪グループに自分を売ることもできたけど、守ってくれたとこの女性は信じているのだ。 

誘拐犯は実は悪人ではないとか、この女性は純真だとか、そんなことはどうでもいい。 私の心に響いだのは 「ウガンダは危険じゃない。 自分が運が悪かっただけ。 親切な人がたくさんいるし、これからも観光地としてみんなが旅行してくれるといいわ。」と彼女が言えたこと。  外務省が危険度レベル1、2を表示する地域も旅する私にとって、こういうお言葉はとてもありがたい。 そして、レベル1,2の地域に住んでいる人にとっても、とっても嬉しい言葉だと思う。

誰かが旅先で危険な目に合うと、本人は楽しかったことよりも、まず最初にそのことを話題にして、あなたも行ったらこのような目に遭うんだよ、という先入観を植え付けてしまうことが多い。 

この前、友だちが山に行ってクマを見た話をしたら、みんな一斉にクマが怖いから山登りはできないと言い始めた。 私は去年からほぼ毎週山に行ってるけど、一度もクマは見たことが無いと言っているのに、たった一回クマに遭ったその話で、みんなのクマに遭う確率は100%となってしまった。 論理的に考えられなくなるんだ。

さて、私は今年の夏、ジャマイカのキングストンに行くことを決めた。 世界で最も危険な50都市の16位に入っていて、殺人件数は年間10万人につき約60人と言う数値が出ている。

www.businessinsider.jp

 このランキングによると、私が住んでいたデトロイトは42位で年間殺人件数は40人/10万人、ニューオーリンズも41位で同じぐらい。  殺人件数で言えば、40人も60人もあまり変わらないのではないか。

デトロイトは廃墟がたくさんあって、いかにもヤバそうな感じなので、そういう通りは急いで走り抜けた(車で)。 一度、自分の家の前で拳銃を突き付けられ強盗にもあったこともある。 ニューオーリンズは、3回ほど遊びに行った限りでは、危険さは感じなかった。 超有名な観光地だし、どこでも観光客がたくさんいたしね。

さて、ジャマイカのキングストンはどうなのか。 やっぱり、自分で行ってみなきゃわかんないのよ。 もし酷い目に遭ったとしても、このウガンダで誘拐された女性のようにみんなにキングストンは良いところだったよ、ってみんなに言えるといいな。

私の年間ベストアルバム 1987年 Up For a Bit With ド素人のつぶやき 

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私の音楽の趣向はどんどんとダメなものへ、下手なものへ、素人っぽいものへと下降していった。 それはなぜだかわからない。 

英国ではアノラックまたはTweeと言われるジャンルの先駆者がこのパステルズ。 なんとなく、気の合う仲間が集まって、自宅でお遊びで録音したような音。 ぼんやりと頭の中に浮かんだ言葉を、ダダ流ししているような歌詞。 それを一つの音で歌っているものが多い。 例えば、ドレミのミの音でミミミミミーミ、ミミミミミーミと続くのです。 

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どうしてこんなバンドが人気を集めたのか(少なくとも地元グラスゴーで)不思議。 当時のインディ・シーンにはジーザス&メリー・チェインとかマイ・ブラッディ・バレンタインとかウェディング・プレゼントとか、歪んだノイズでギターをガンガン言わせるカッコいいバンドが出始めた時に、パステルズはスッカスカ。 

パステルズの中心人物、ステファン・マクロビー(ステファン・パステル)は当時大学院で司書の勉強をしていたというのだから、多分ものすごい本好きで、歌詞に文学的魅力があったのか?

でも歌詞はこんな感じよ。

 

Baby Honey 

もし星に願いをかけるなら
君がそのままでいて欲しい
そしてもし君に何かしてあげられるなら
なんでもしてあげる

もし君が一文無しで沈んでいたら
Oh ぼくがどうにかしてあげる
君の愛がほんとうなら
お願い、ぼくと分かち合って

もし君が星に願いを掛けるなら
そのままの僕を受け止めて
そしてもし君に何かしてあげられるなら
なんでもしてあげる

彼女の指先が魔法をかける
彼女のキスが魔法をかける
彼女のきれいな目が魔法をかける
僕の流す涙の言い訳となる

 

それじゃ、私はなんであんなにもパステルズを聴いたのか。 このアルバムの前に出た数枚の12”シングルも残らず買っている。 パステルズはグラスゴーではカルト化していると聞くけど、どこにカルト教祖的なカリスマがあるのかわかんない。 多分私は、友達みたいな音が恋しかったんだ。  「仲間がやっているバンド」みたいな音。 ステファン・マクロビーのやる気のなさそうなボーカルと適当な歌詞に癒されたんだ。 地下アイドルを応援するアイドルオタクみたいに、応援してやりたい気持ちになったんだ。 自分が応援しなきゃ誰がする? っていう思い込みね。 そう、1987年は完璧なルーザーだったのよ、私。 定職にもつかず、フリーターっていうやつで、実家に食費すら入れないで居座っていた。  ダメダメな奴ね。 

日本でもパステルズはちょっと人気があったみたいだけど、どんな奴がファンだったのか知りたい気がする。 今、真っ当に生きてるのかなぁ、とかね。