秋にザ・フォールを想う

ザ・フォールのマーク・E・スミスが今年の初めに無くなっていたことを、つい最近知った。 享年60歳でした。それからずっとザ・フォールを聴きまくっている。

80年代に、噂ではライブが凄いということで、是非見たいと思っていたバンドだった。 ついに見られないまま、逝ってしまったよ。 私の好きなポストパンクバンドのベスト10には入らないけれど、ベスト20だったら、確実に入っている。

ザ・フォールの凄いところは、ポストパンク最盛期の78年にバンドを始めて、マーク・E・スミスが亡くなるなるまでなんと40年も活動を続け、レコードも出し続けたこと!

それも、メジャーに移行せず、インディーバンドとして、スタイルもポストパンクとして、続けてたのよ。 こんなバンドは他にいますか? えっ? そこの奥さん。

息が長かったバンドだけれど、マーク・E・スミス以外はメンバーはころころ変わっていて、オリジナルメンバーは彼だけ。 仲間としてはかなりイヤな奴だったらしい。 他のバンドのメンバーが自分のいないところで悪口を言っていないか、録音装置を仕掛けたりしてたというし。 まぁ性格の悪さは、彼の歌を聴いてればだいたい予想がつく。 

歌詞の内容は、怒っているか、からかっているか、ふざけているか、皮肉っているか、または全くのナンセンスかのどれかだね。

酒、たばこ、ドラッグを離さず、ザ・フォールというバンド名も絶対離さず、故郷マンチェスターから絶対離れず、最期まで悪態をついて、ライブも続けたマーク・E・スミスはすごいと思うの。

パンクバンドはもちろん、ポストパンクバンドもとっくの昔にみんな消えちゃって、同年代のキュアのロバート・スミスとかジャムのポール・ウェラーとか、エコー&バニーメンのイアン・マッカロクとか、生き延びてもみんなソフトになっちゃってるのに、そのまんまで生き続けた、マーク・E・スミスはインディバンドの鏡だよ。

キング・オブ・ロックンロールがプレスリー、キング・オブ・ポップがマイケル・ジャクソンなら、キング・オブ・インディはマーク・E・スミスだね。

 

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ジャパン・レコードからこのラフトレードのオムニバス盤で、はじめてザ・フォールの曲を聴きました。

このアルバムで私もサブカル・インディ好きクソ野郎となり、友達が離れていったのです...。