All Dead, All Dead

クロが死んだ。 正確には安楽死させた。 17年生きたメス猫だった。

つい先週の木曜まで、普通に食べて散歩して膝の上に上ってきて一緒に寝ていたのに、金曜日の夜に、呼んでも外から帰ってこなかった。 こんなことは珍しい。 とうとうコヨーテにやられたかな、でも賢い猫なので、17年間も事故にも会わず、毎日外を散歩していたのに、まさか…ね。

土曜日の朝、家の周りを捜したら、デッキの下にもぐって丸くなっていた。 家に入れたあとも、何も食べず、水も一滴ものまず、トイレのパイプの後ろや、押し入れの隅に隠れてじっとするようになった。 日曜日もパイプの後ろでじっとしていた。  

月曜日に医者に連れて行ってレントゲンを撮ってもらったら、胸に大きな腫瘍があるようだと言われた。 大きな犬猫病院でエコー検査をした方が良い、癌かどうかはっきりわかるから、と言われた。 

エコー検査の予約を入れようとしたら、来週の木曜日まで予約はいっぱいだと言われる。 水すら飲まないので、月曜、火曜、水曜と水分補給の注射をしてもらいに行った。 食欲の出る薬も処方してもらったのに全然効かない。 来週の木曜日までエコーを待ってたら、死んじゃいそうなので、今日救急病院に連れて行った。

そうしたら、医者はエコー検査をする前に、すでに体温が異常に低くなっていることから、瀕死状態だ言われた。 検査をしたら、胸に大きな癌が見つかって、すでに内臓のあちこちに転移していることも言われた。 手術やケモも出来るが、老猫はかなり苦しい思いをするし全治する可能性も低いという。

猫は手術やケモをして苦しんでまで延命したいなんて思ってない。 延命を望むのはいつも飼い主だ。 猫はただ、痛いから身体を丸めて、じっと痛みから解放されるのを待っているだけ。 自分が死ぬことが分かっているみたいに、一番見つけられにくい場所にひっそりと丸くなる。

なんてクロはなんて良いネコなんだ! 死ぬ直前まで飼い主に少しも病気だとは気づかせないで遊んでくれて、死ぬとわかると鳴き声一つたてずに静かに姿を消そうとした。 

愚かな飼い主は、必死で猫を捜して見つけ出し、点滴だのクスリだの、猫の体に注ぎ込む。 ごめんね。

癌と分かった時点で、死なせてあげなきゃって思った。 そして今日死んだ。

 

 

All Dead, All Dead / Queen (1977)

その子は一文無しでやって来た
名前も無かった
理由も無く、はしゃぎたい
そう、彼女は言おうとしてた
たくさん騒いだ僕の恋人、 
たくさん僕らは遊んだね
足早に過ぎる夏の間を
かけがえのない毎日を

全て死んだ、死んでしまった
僕らが抱いた夢も何もかも
そしてなぜ僕だけまだ生きてるのか
全て死んだ、死んでしまった
僕一人だけ残されて、
ぼくの可愛い伴侶は
全て死んだ
そして居なくなった
全て死んだ…

全て死んだ、死んでしまった
虹の向こうから
僕はいまだに、あの子やさしい歌が聞こえる
全て死んだ、死んでしまった
昔に戻りたい
僕の小さい友だちは
全て死んだ
そして居なくなった…

あの子はいつも僕と一緒
僕はもう長いこと彷徨っている
でもどうか許して欲しい
僕は年を取ったがまだ子供なんだ

全て死んだ、死んでしまった
でも悲しんでいてはだめた
誰にでもその時は来るのだから
全て死んだ、死んでしまった
でも希望を持って僕は息をするよ
もちろん信じないからね
君が死んだなんて
居なくなったんて
全て死んで
居なくなったなんて

<syco訳>

youtu.be

ブライアン・メイの子供の時飼っていた猫の歌だったんだね。 この曲大好きだったけど、40年後にこのビデオを見るまで、孤児の少女の話だと思っていた。 

うたは悲しいけど、このビデオを見て、ちょっと癒された。 あの猫ぜったいクロだね。 作ってくれた人、ありがとう。

 

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