近くにあった大島弓子 グラムロックを5曲

ノースキャロライナの私立名門校デューク大学の図書館に、日本の漫画がかなりあると聞いた。 職場のすぐ近くなので寄ったら、大島弓子全集を見つけた。

うわぁぁ、十代の時、一番好きだった漫画家だ。 こんなところで誰にも借りられずに、まっさらの状態でひっそり置かれてた。 私を待っていたかのように。 即借り。

それでここ一週間、大島弓子を読み漁っていた。「ジョカヘ」、「10月は二つある」、「フロイト式蘭丸」、「さようなら女たち」、「バナナブレッドのプティング」、読んでいて、あぁ、この台詞、このシーン、懐かしくて涙が出そう。

大島漫画は、少女漫画にあるあるのイジワルキャラとか出てこない。 今でいう、不思議ちゃんや天然が多い。 その不可解な行動に振り回される誰かがいて、最後にその謎が解けてジエンド、って話が多い。

今読み返すと、LGBTQ的人物の割合がかなり高め、また、心の病気を患っている人物も多い。 まぁ、あの頃の少女漫画だと、萩尾望都とか竹宮恵子とか、BLの走りみたいな漫画が多かったけど、大島弓子はLGBTQキャラの横に物凄くガーリーでピュアでふわふわした主人公がいて好きだったんだ。 

あぁ、私ってこんなに少女趣味だったんだわー。 

大島弓子はデビッド・ボウイの大ファンであることは有名だ。 私もボウイの大ファンだったから、漫画の中にが "Rebel Rebel "や"Hang on to Yourself"の歌詞を発見したときはドキドキした。 もっと注意してコマの隅から隅まで見てみると、ルー・リード、マーク・ボラン、クイーンのフレディなんかの文字もみつかる。 当時のグラム・ロック系のアーチストがお好きなもよう。 ボウイみたいな中性的な美しい青年もよく漫画に出てきた。

それで、なんかグラムロックが聴きたくなったのよ。 かなり私独自のイメージに走ちっちゃうけど、大島漫画風なグラムロックを5曲選んでみた

 

まずはボウイのこの曲。 この破壊的にカッコいい曲は大島漫画の「ミモザ館でつかまえて」に出てくる男の子が歌う。 なんで邦題は「君の意のままに」になっちゃったんだろう?  "Hang on to yourself"は自分自身を見失うな、落ちないようしっかり捕まってろ、みたいなニュアンスなのにな。

 

Hang on to Yourself / David Bowie (1972)

そうだな、彼女は早口でしゃべりまくる子、今晩のショーにやって来る
ステージのライトに向かって拝み
俺の金じゃなくて蜜のほうが欲しいらしい、カッコいい脚を漁るのを趣味で
電光を放つ夢を見てるのさ

カモン、カモン、お前と俺はぴったりだ
カモン、カモン、俺といけると思うなら
飛ばされないようしっかり掴みな

俺たちは踊りも話もせずにベッドイン
でもそれからワセリンの上のトラみたいに動き回る
あぁ、ゲロを吐くなら盗んだほうのギターの上にしろ
お前は運がいい、俺たちはスパイダーズ・フロム・マーズだぜ

カモン、カモン、お前と俺はぴったりだ
カモン、カモン、俺といけると思うなら
飛ばされないようしっかり掴みな
カモン

カモン、カモン、お前と俺はぴったりだ
カモン、カモン、俺といけると思うなら
飛ばされないようしっかり掴みな
<Syco訳>

youtu.be

最後のミック・ロンソンとの絡みが、あ゛~。

 

グラムの王子様と言ったら、この方、大島弓子の「ヒー・ヒズ・ヒム」に出てくるロック・スター、ピーター・ピンクコートはボウイというより、カーリーヘアーのボランがモデルじゃないかと思う。

 

Metal Guru / T.Rex (1972)

メタル・グルって、きみのことかい
メタル・グルって、きみのことかい 
鎧に包まれた椅子に座っている

メタル・グルって、きみのことかい
メタル・グルって、きみのことかい
電話もなしで一人ぼっち

メタル・グル、きみならできるかも
僕の彼女を連れ戻すことが
わかるだろ、あの子はワイルド
ロケンロールの申し子だ

メタル・グルはまるで
銀の鋲がちりばめられた剣の刃の夢
僕は汚れを落とすよ
知ってるだろ、汚染マシーン

メタル・グルは、きみのことかい
メタル・グルは、きみのことかい

<Syco訳>

 

youtu.be

 

ボウイとミック・ロンソンがプロデュースして、ルー・リードもグラムっぽかったアルバム「トランスフォーマー」からの名曲、「ワイルドサイドを歩け」。

 

Walk on the Wild Side / Lou Reed (1972)

ホリーはフロリダのマイアミから来た
アメリカをヒッチハイクしながら渡った
来る途中に眉毛を抜いて
足を剃り、それで彼は彼女となった
彼女は言う ねぇ、ベイビー、危険な側を歩きなさいよ
俺は言った ヘィ、ハニー 危険な側を歩けよ

キャンディは遠い島からやってきた
楽屋裏では彼女はみんなのアイドルだった
でも口でいかせてくれる時でさえ
いつでも彼女は冷静だった
彼女は言う 危険な側を歩きなさいよ
俺は言った ヘィ、ベイビー、危険な側を歩けよ
そして黒人女達が歌う

Doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo
doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo
doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo
doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo
(Doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo)
(doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo)
(doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo)
(doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo)
(Doo)

リトル・ジョーは一度だってタダではやらせない
次から次へと金を払わなきゃいけない
ここで売って、あそこで売って
ニューヨークシティでは人々はこう言った
ねぇ ベイビー、危険な側を歩きなさいよ
俺は言った オイ、ジョー、危険な側を歩けよ

シュガープラムの妖精が通りに出た
ソウル・フードとそれを食べる場所を捜してた
アポロ(劇場)に行ったら
彼が踊るのを観るといいぜ
みんなは言った ヘィ、シュガー、危険な側を歩こうぜ
俺は言った ヘィ、ベイビー、危険な側を歩こうぜ
all right, huh

ジャッキーはスピードを飛ばして去っていく
その日一日だけ、自分はジェームス・ディーンだと思ってた
そのあと彼女は、たぶん事故を起こして
バリウムがその痛みを抑えたと思う
彼女は言った ヘィ、ベイビー 危険な側を歩きなさいよ
俺は言った ヘィ、ハニー、危険な側を歩けよ
そして黒人女達が歌う

Doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo
doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo
doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo
doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo
(Doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo)
(doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo)
(doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo)
(doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo)
(Doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo)
(doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo)
(doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo)
(doo, doo-doo, doo-doo, doo-doo-doo)
(Doo)

<Syco訳>

 

youtu.be

 

グラムの神秘的な魅力を一番持っていたバンドはコックニー・レベルじゃないかと思う。 大島弓子が聴いていたかはわかんないけど、70年代の少女漫画文化に共通した、背徳と退廃美、ロマンチシズムがコックニー・レベルの曲にはある。 

ポップでイカレているこの曲なんて、大島漫画のBGMに丁度いいかも。

 

Psychomodo / Cockney Rebel (1974)

俺は正気を失っていた、血迷っていた
一日に脳細胞を百万個失っていた
幻滅させられて、自殺の道を歩んでいた
あらゆる形のあらゆる物を見た 「1984」の最悪の状態だった
カジモドが僕の門の前に立っていた

あぁ、彼は不安で疲れ果てていた
あぁ、彼は見るからに打ちのめされていた
彼は十分に若かったし
放り出されるにも十分だった OH!

俺は自分の碑文は見たし、天国にも地獄にも行った
聖ペテロを紹介され、俺たちはちょっとおしゃべりもした
彼に怒りを感じたので、俺は引き返すことにした
でもデスデモーナと俺は木の下で最高の時を過ごした
彼女が俺の手相を占って、それにショックを受けた
俺たちは狼狽えて、恐怖で叫んだ

あぁ、彼女は不安で疲れ果てていた
あぁ、彼女は見るからに打ちのめされていた
彼女は十分に若かったし
放り出されるにも十分で、破壊された

俺は歌を書いてきたし、俺たちみんなでそれをうたってきた
居場所を求めて彷徨う軽度のスキゾフレニアのよう!
窓から全部放り投げろ、最初からやり直しだ
あぁ、俺のハートに飛び込んでくれ、俺を粉々にしろ
閉所恐怖症になりたい 憧れる ハハ…
俺はかなり混乱している、死にたい、死にたい、死にたい

あぁ、彼女は不安で疲れ果てていた
あぁ、彼女は見るからに打ちのめされていた
彼女は十分に若かったし
放り出されるにも十分だった、Oh!

<Syco訳>

youtu.be

 

ケイト・ブッシュは大島漫画に出てくる女の子キャラにかぶっていた。 小悪魔、少女、そして母性的なキャラも。

 

Kite / Kate Bush (1978)

舞い上がって、凧におなり

おなかの中でビゼルバブが暴れる
両脚は重く、私の長靴に根を張っている
私は逃げ出したいの
この一面鏡がはめられた窓から
私の目の高さでは低すぎる
それで思い切って見上げたら、見つけたの
空にぽっかり空いた穴から、大きな目の玉が私を呼んでいるのを

舞い上がって凧におなり
そしてダイヤモンドの空を飛びなさい
ダイヤモンドの凧、ダイヤモンドの凧
ダイヤモンドの凧、ダイヤモンドの凧
あぁ、なんというダイヤなの!

ダイアモンドの凧、ダイアモンドの飛行
町明かりの上を、月光の下を
町明かりの上を、月光の下を
月を超えて
月を超えて

舞い上がって凧におなり

私の体は弾丸みたいに突進し
伸びたり縮んだりしたあとぺっちゃんこ
無事にお家に帰りたい
故郷の家が恋しくなる
私は風に舞う羽のよう
もうここに来たかったのかもわからない
地上に戻りたいのに
どうやって下りたらいいかわからない


舞い上がって凧におなり
そしてダイヤモンドの空を飛びなさい
ダイヤモンドの凧、ダイヤモンドの凧
ダイヤモンドの凧、ダイヤモンドの凧
あぁ、なんというダイヤなの!

ダイアモンドの凧、ダイアモンドの飛行
町明かりの上を、月光の下を
町明かりの上を、月光の下を
月を超えて
月を超えて

舞い上がって凧におなり
舞い上がって凧におなり
<Syco訳>

 

youtu.be

 

オマケ4コマ ”特技”

最後に、大島弓子先生も、私のブログを見ることは可能なんだよね、っていう事実を想像しながら寝る。 おやすみなさい。