このアルバムを聴いた後、私の購入するレコードの8割方がインディレーベルに激変する。 イギリスにはヒットチャートと並んで、インディチャートが別にあるよね。 それはインディバンドとメジャーバンドを同じ土俵で戦わせるのは全く意味がないからだよね。 それぞれのリスナーは重なることがほとんどないもの。 私もインディチャートしかチェックしなくなった。
さて、そのエポックメイキング的レコード 「クリアカット」のB面です。
01. Delta 5 / You
これもギターがカッコええぇぇぇ!
浮気してる奴は お前だ、お前だ、お前だ、
私をパン屋の裏に置き去りにした奴は お前だ、お前だ、お前だ、
先週の火曜日電話するのを忘れた奴は お前だ、お前だ、お前だ、
御馳走してくれるって言ってWimpyに連れて行ったのは お前だ、お前だ、お前だ、
日曜日しかセックスしてくれない奴は お前だ、お前だ、お前だ、
お前だ、お前だ、お前だ、お前だ、お前はクズ野郎だ、ってガンガン女の子が責めているうたです。
(Wimpy とはイギリスにあるマクドナルドみたいなハンバーガーチェーンです。)
このバンドもアルバム一枚で終わってしまった短命なバンド。 とてもファンキーで、もっと行けると思ったんですが…。
たった今、youtubeを彷徨っていて発見した! ウソでしょ~っ、少年ナイフがこの曲を翌年1982年にカバーしてる! 「サボテン」というタイトルで。 え~っ、これって有名な事実なの? 私が知らなかっただけなの~? 「君は青いサボテン ユー、ユー、ユー、私を守って、ユー、ユー、ユー」…って何よ? なんで、デルタ5のフェミニストな歌詞を、アニソンみたいに変えちゃうのかなぁ~。
02.This Heat / Healty And Efficiency
太陽の光をいっぱい浴びて、健康になろうって歌だと思います(テキトー)。 この曲はシングルらしく、ポップな出来で大好きだけど、こんなに楽しいのはこれだけで、スタジオアルバムはイーノの環境音楽みたいな、実験的ノイズアルバムとなっているので、私はムリ。
1981年なのに、なぜかトム・ヨークのバックコーラスが聴こえるのは空耳でしょうか。
03.Esseintal Logic / Music Is A better Noise
Clear Cutは女性ボーカルのバンドをたくさん入れてたなって思うけど、スタイルがそろってみーんな同じ傾向。歌唱力よわっ。音域せまっ。はっきり言って下手っ。 でも、私は日常の延長みたいに馴染んでいた。 ほわほわした空気のように心地よかった。
音楽ってちょっと雑音が進化しただけのものでしょ、って感じのタイトルです。
このバンドもスタジオアルバム一枚で解散。 無念。
04.Scritti Politti / Skank Bologna
ベースのリズムが好きだったわ。 あの頃は気づかなかったけど、これはレゲエのリズムだよね。ブン チャチャチャチャチャチャ ブン チャチャチャ
スクリッティ・ポリッティはClear Cutに集められた12のバンドの中で一番出世しましたね。 この曲にはヒット性など微塵も感じられませんが、80年代半ばにはデュラン・デュランやカルチャークラブなんかと一緒に、彼らのシンセポップがMTVにヘビロテされてましたね。 ヒット曲「ウッドビーズ」がUSAのダンスチャートで4位まであがりました。
いや、私は彼らの成功を喜んであげましたよ。 出がけは左翼のインテリでマルクスやジャックデリダの哲学なんかを歌詞に取り入れてわけのわからんこと歌っていたくせに。 ラフトレードのコンピ版に入れてもらってたくせに...、なんて冷ややかに嘲笑したりはしませんよ、 ええ、決してしませんとも...。決して...。
05. Robert Wyatt / At Last I Am Free
最後は車椅子のおっさんが歌う、
「最後にやっと自由になれた」という暗~い曲。
当時はこの曲だけは好きになれなかった。 だって、人生の最期をうたっているんだもの。 でも今ならしみじみ聴けるわね~。
私のお葬式に流してくれてもいいわ。
目の前がほどんど見えない
目の前がほとんど見えない
やっと自由になれた
目の前がほとんど見えない
目の前がほとんど見えない
こんな状態で生き続けるのはもう無理
君に分かってもらおうと、頑張って、頑張ってやってきた
これが愛だって 全て偽りだろ、友よ、こんなわけないじゃないか
目の前がほどんど見えない
目の前がほとんど見えない
やっと自由になれた
目の前がほとんど見えない