7月の映画はこれ一本 「アメリカン・ハニー」 

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制作が2016年で、ちょっと前の映画なんだけど、ネットフリックスで見たら、めっちゃよかったよ!  ロードムービーで、家庭環境が最悪なティーンエイジャーのスター(主人公の名前)は怪しげな訪問販売の営業集団に加わり、マイクロバスに乗ってアメリカを旅する、というお話。

この主人公の女の子がものすごく魅力的なの。 見た目は16、17歳ぐらいなのに、シャイア・ラブーフとのセックスシーンの濃厚さに驚いた。 この女優、サーシャ・レーンはこれがデビュー作で、フロリダで監督にスカウトされたというから、ちょっと前まではド素人だったのよ。 けっこう大物俳優シャイアを相手にこんな自然な演技が出来るなんて、凄い、凄い、凄すぎる。 実年齢は二十歳なんだけど、それにしても、はたちそこそこで、なんでこんな官能的なれるの? どんだけ体験してきたんだろう?  そんな大胆なラブシーンもあるのに、純粋な恋心を持ち、ウソがつけなくて、浅はかで冒険心のある少女っぽいさもあって、このサーシャ・レーンを見てるだけで、全然退屈しないのよ。

シャイア以外のキャストはほぼみんなストリートやビーチでたむろしている若者を、監督が拾ってきたということで、そのせいで、とても演技が自然ななの。 脚本はあるものの、それぞれのアドリブに任せたらしい。 ドキュメンタリーを観ている感じ。

彼らのやっているのは雑誌の購読の訪問販売なんだけど、うわっ、この集団はうちにもやって来たよ。 映画で使っているセリフとおんなじセールストークだった。 学生風の青年で「若者のコミュニケーションの能力を高めるために、コンペティションに参加しているんです。 一軒一軒訪問して、雑誌を売るコンペティションなんです。 学費の足しにするんです。」ってやつ。 いろんな雑誌があるんだけど、どれも市場よりも値段が高め。 欲しい雑誌もないし…。 でも私はすんなり騙され、雑誌は買わなかったんだけど署名をして、10ドルを寄付した。 でも実は家出少年少女の集団だったのね。 監督はイギリス人の女性で、彼女も、「ホームレスの子供たちが集団になって雑誌を訪問販売している」という記事をアメリカの雑誌ニューヨーカーで読んでヒントを得たらしい。 

2016年のカンヌで審査員賞を撮ったのね。 ストーリーラインがはっきりしないとけど、映像はどこまでも綺麗ってとこがカンヌっぽいね。 映画は2時間40分もあるんだけど、ぜんぜんダラダラ感を感じさせないのは、なんか若者がキラキラと眩しすぎてさ、おばちゃんは見惚れてしまったよ。 タメ息… 

私の年間ベストアルバム 1988年 ”Short Sharp Shocked“  いきなりアメリカ

私のレコードコレクションは8割方ブリティッシュなんだけど、このあたりからアメリカーンもぼちぼち増えてくる。 というのも、ふとしたきっかけで、この年に渡米したから。

アメリカでは、日本から持ってきたソニーのウォークマンがステレオ代わりだったので、レコード店でこのアルバムのカセットテープ版を購入した。 ミッシェル・ショックトはイギリスのインディーチャートに入っていたから名前は知っていた。 アメリカより先にイギリスで人気が出てた。

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まず一曲目の”When I grow up” のイントロから、体がゾワゾワしてくる。 泥臭いブルースが始まる。 歌詞のインパクトも凄かった。

When I Grow Up 

大きくなったら、老婆になりたい
大きくなったら、老婆になりたい
あぁ、本当に年をとった老婆になりたい

そして老爺を見つけると思う
そしてその老爺と結婚すると思う
年をとった、年をとった、年をとった、年をとった、本当に年をとった老爺

そして私達は、百二十人の子供を作る
百、百五、百十、百十五、百二十人の赤ん坊
そう、百と二十人の赤ん坊

トラのミルクと緑のバナナで育てる
マンゴとココナッツとスイカをあげる
赤ん坊達が泣き叫べば、スイカを与える。
こうやって赤ん坊は泣き叫ぶ...

夏は野原に座って太陽が熔けるのを望み、
冬は火のそばに座って月が凍るのを眺める
私と年老いた夫と百二十人の赤ん坊
私と年老いた夫と百二十人の赤ん坊
そう、私と年老いた夫と百二十人の赤ん坊
あぁ、大きくなったら、老婆になりたい
大きくなったら、私は年をとった... <Syco訳>

 

それまでブルースをじっくり聞いたことはなかったので、ミッチェル・ショックトが私のブルースへのイントロダクションになったと思う。 このアルバムは全体的にはブルースだけどカントリーっぽい曲も2,3入っていて、最後はいきなりパンクで終わる。

イギリスの音はメロディが綺麗で、妄想を膨らませながら聴いていた。 けど、アメリカはメロディよりも心を揺さぶるリズムなんだよね。 アメリカはイギリスから迫害された清教徒が作った国だから、スピリチュアルな面が強く残っているのかな。 もちろんアフリカから連れてこられた奴隷の哀歌のリズムが元になっているんだけど、白人黒人問わず、アメリカの音はソウルフルだと思う。 少なくとも私の好きなアメリカの音楽はソウルフルだ。

ミッチェル・ショックトは敬虔なモルモン教の家庭に生まれ、厳しく育てられて、10代で家出をし、サンフランシスコでパンクロッカーをやったりして、母親に精神病院に入れられたりしたらしい。

この”Short Sharp Shoked"は彼女の2枚目のアルバムで、デビューの”The Texas Campfire Tapes”はアコギ一本でキャンプファイヤーを囲って歌っている感じの粗削りなレコードで、それはそれでいい感じ! しかし3枚目は凡庸なスウィングジャズのアルバムを出しちゃって、そのあとはコッテコテのカントリーで、結局私が好きなミッチェル・ショックトは2枚で終わった。

このアルバムが出たころのショックトは超リベラルで、レズビアンで、無実の罪で警官に殺された黒人のこと(Graffiti Limbo)とか、閉鎖された炭鉱の町のこと(The L&N Don't Stop Here Anymore)とか歌っていた。 この88年には超左翼のあのビリー・ブラッグと一緒にステージで踊ったりしてた。 しかしそのあと一変して、普通に男と結婚して、それどころか近年は同性婚反対運動までしている。 そのことを知ってびっくり仰天だったんだけど、おそらく、この人はとってもスピリチュアルな故に、常に神様と自分の関係についてまじめに考えていたんだろうね。 そしてたどり着いたのが、またキリスト様だったんだよ。 そして、今ではゴスペルを歌っているらしい。

再び宗教という阿片で麻痺させられてしまっている 彼女。 結局1枚目と2枚目は、彼女が覚醒した時期に録音できた奇跡のアルバムかもしれないね。 

youtubeでこのアルバムの曲を探したけど、一つも上がって来ない。 

このリンクでブルージーなミッシェルが聴けるかも。

↓↓

https://vimeo.com/101340047

  

ミュージシャンからミュージシャンへ プレイリスト ⑤ David Bowieと T-Rex "All the Young Dudes"

いろいろあって、間があいてしまったけど、このプレイリストはこれで最終回にする。 ほんとはまだまだあるんだけどね。

これは、モット・ザ・フープルのヒット曲だけど、ボウイーの作品で、歌詞はボウイー・バージョンの方を訳した。

「dude」という俗語から私が感じるニュアンスは、女に対しての「男」ね。 "He is a dude."だったら、「あいつは(女じゃなく)男だよ」という感じかな。 この曲はT-Rexだけじゃなく、グラムロックやドラァグへの賛歌みたいに歌われている。 ストーンズやビートルズは時代遅れという風にディスっているけど、中身がスッカラカンのグラムブームは革新的だったんだろうな。 だってパンクに繋がっていくんだから。

 

All the Young Dudes / David Bowie

ビリーは自殺したいとか一晩中話してた
25歳でそこまで打ちのめされるってどうだい
ふつう25歳は生きていたい年齢だろう

ウェンディはロックしてない車から服を盗んでいた
フレディは顔から星をはがしてシミを作った
きれいなその顔にさ

テレビのキャスターは必死になって
青少年の非行を報道してるし
ねぇ、T.Rexが出る時にはテレビがいるんだ
ヘイ, ミスター、気づいただろ、僕は男さ

全ての若い野郎ども
ニュースを運べ
ブーガルーが好きな野郎ども
ニュースを運べ

今ではジミーは女装をしてとてもかわいい
あいつは強靭だから
すべて揃って最強だ
僕らには愛がある
僕らには愛がある
そして、兄貴らはビートルズやストーンズを抱えて
家に帰ってきても
あんな革命の歌では僕らは盛り上がれない
かったるい
面倒なことが多すぎる
僕はワインをガンガン飲んで
それで気分は上々
猫をベッドに追いやれば、
周り一面セメントだ
それとも僕の頭の中だけか
ヘイ、気づいただろ、僕は男さ

全ての若い野郎ども
ニュースを運べ
ブーガルーが好きな野郎ども
ニュースを運べ

youtu.be

 

おまけ: ストーンズやビートルズへの愛をうたう曲もあるよ。

sycob.hatenablog.com

 

不運続きの夏

またまた愚痴と不快な用語が含まれているので注意

 

最近アンラッキーなことが続いている。

以前にも書いた、飛行機のチケットの名前のせいで高額のチケットを購入させられたことに続き、日本から帰ってきてからすぐ、スピード違反で捕まってしまった。

sycob.hatenablog.com

スピード違反を不運と呼ぶな、お前の責任だろっ、て言われそうだけど、制限速度が時速55マイルのことろを70マイルで時速で走っていて捕まるなんて、運が悪いとしか言いようがない。

たまたま、警察がキャンペーンをやっていて、金を集めようと思い、信号もなく交通量もほどんどない、田舎のハイウェイを狙ってたところに、私のようないいカモがやってきたんだと思う。

私は自分のちっちゃなサイオンでマットレスを運んでいて、そのマットレスが車内をほぼ占めていて、ぜんぜん右側が見えてなかった。 パトカーがサイレンを鳴らして後部に近づいてくるまで、ぜーんぜん気づかなかったわ。 

ボロマットレスを2008年のちっちゃいサイオンで運ぶ、アジアのおばちゃんをスピード違反で止めるなんて、情けが無さすぎるよ、ポリスマン。 赤いカマロとか黄色いトランザムとかを捕まえろよ。

罰金は265ドルだった。 痛~い!

そして、先週、何か得体のしれない湿疹が太ももを中心にでき始めた。 異常にかゆい。 日に日に広がっていく。 すぐに思いついたのは、最近リサイクルショップでかった、29ドルの椅子。 花柄で、ちょっと色がクリムトの絵画っぽくて、いいもん見つけた!って、ワクワクして買ってきた椅子だ。 もしかしてそこにBed Bug(トコジラミ)が寄生していて、刺されたのだろうか? トコジラミの姿、習性、噛まれた痕など、ネットで調べまくって、さっそく、家の家具のトコジラミ探し。 しかし、それらしきのもは全く見つからない。 かゆみは耐えられないほどだったので医者に行ったらなんと、Scabies(疥癬)と診断された。 これは人から人に移るダニで、性行為とか病人や老人の介護とか、長時間に渡って肌に触れあわないと、伝染しないそうだ。 ハグとか握手とかでは伝染しない。

自慢じゃないが、ここ数年間、誰とも長時間肌を触れ合っていません! 触れ合う人がいません! それを医者に言ったら、Scabiesを持っている人が使用していた寝具を使っても、伝染することがあります、もしかすると、ソファーや椅子から移ったのかもしれませんね、と言われた。 

医者から帰ってすぐScabiesをネットで調べたら、感染してから症状が出る潜伏期間は1か月から2か月で、椅子を買ったのはつい先週のことだから、全く時間が合わない。 行くつもりだったジャマイカにも行けなかったし、ホテルに泊まった覚えもない。 だから感染経路はまったくのミステリー!! どうして私がScabiesになんなきゃいけないのよ! 薬代が高かった…。

振り返って考えてみると、わたしはみみっちい生活をしているんだ、ってことが浮き彫りになってきた。

アメリカ在住の日本人はほとんど利用しない中国東方航空のチケットを、激安だからと購入したり、業者に頼むと高くつくから、マットレスとか家具とか、何回にも分けて自分で、自宅から山の家に自分で運んだり、新品の10分の1ぐらいの値段で買えるから、家具や日用品はいつもリサイクルショップで購入したり…。

そしてそういった貧乏くさい習慣が、裏目に出て高額を支払っているような気がする。 貧乏人はどんどん貧乏になっていくんだな、っていう世のしくみが見えてきた。  あ~、痒い!

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疑惑の椅子

 

6月の映画メモ 「ボーダー」「誰もがそれを知っている」「ブラインドスポッティング」

6月も終わってしまいそうなので、今月の映画メモをアップする。 でも「ミュージシャンからミュージシャンのプレイリスト」はまだまだ続くよ。

 

★史上に残る不快なラブシーン

「ボーダー ふたつの世界」 (2018)

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あぁ、凄い映画見てしまった…。 私は、ホラー映画大好き人間、グロいもの、エグいもの、気持ち悪いもの、非日常的なものは何でも見たいと思う、好奇心旺盛な方だけど、すがにこれはちょっと引いた。 私は猟奇的殺人映画にも、ゾンビ映画にも、美を求めて鑑賞するんだけど、あぁー、悪いけどこの映画は美しいの真逆を追及してる。  ラブシーンは今まで見た中で一番おぞましかった。 漫画で言うなら、私の子供時代にトラウマとなった日野日出志やつげ義春を思い出させる。 でも悪趣味で片付けられない何かが、この映画にはあるのよ。 一周回って神的なものを感じさせる。 

税関で取り締まりをする職員のティナは、不審物を見事に嗅ぎ分ける能力をもち、薬物どころか、人間の罪悪感や羞恥心まで察知できる。 このティナは生まれつき染色体が異常という障害を持ち、見た目がかなり気持ちが悪い。 そしてある日税関でティナと同じような障害を持つ男性と出会い、ティナは関係を持ち始める…、というお話。 障害を持つ男女のお話と思いきや、意外な事実が浮き彫りになるのよ。 ネタバレはしたくないけど、ヒントは北欧。 美しいものの反対を見たい人限定でおすすめ。

 

★ペネロペとハビエルのスペイン最強コンビ 

「誰もがそれを知っている」(2018)

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スペインを代表する名優ペネロペ・クルスとハビエル・バルデムが主演となると、ありきたりなサスペンスでも格が上がるね、なんて思ったら、監督はイランの巨匠、アスガル・ファルハーディじゃないの。 面白いはずだわ。

ローラ(ペネロペ)は姪っ子の結婚式のため子供たちと一緒に実家に帰る。 そこで幼馴染のパコ(ハビエル)と久しぶりに再会する。 ところが結婚式の当日にローラの娘が誘拐され身代金を要求される。 そこから、いろいろと過去の秘密が暴露される…。

今ネットで調べてて知ったんだけど、ペネロペとハビエルは夫婦だったんだね。 いつから? やっぱり、結局は同じ国民同士で落ち着くんだねぇ。

 

★人種と階級を問う映画

「ブラインドスポッティング」 (2018)

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アメリカで暮らしていると人種の違いと階級の違いのどちらも激しいと感じる。 人種の違う者同士よりも階級の違う者同士のほうが交流が少ないような気がする。 だって家の値段は土地によって決まるから、それぞれの地区に経済的なバックグラウンドが同じようなひとたちが、集まってしまっている。

アメリカの公立の学校は市の税金によって運営されてるので、富裕層が住む市は設備も教師もクオリティが高いし、そうでないところはお粗末になってしまう。  

人種が違っても、同じゲットーで育てば、やることも似てくる。 この映画は仲の良い幼馴染のふたりの話で、一人は黒人でもう一人は白人。 どちらも同じことをしているのに、警察に目を付けられる方はいつも黒人の方。  外見が黒くないだけでどれだけ得しているかを、普段非黒人はわかってないけど、実はすごく違った扱いを受けているんだって実感したわ。

 

ミュージシャンからミュージシャンへ プレイリスト④ David BowieとBob Dylan  "Song For Bob Dylan"

ディランはノーベル賞も取っちゃったし、偉大なミュージシャンなんだろうけど、実は私はあまり知らないんだよね。 2,3曲、好きな曲があるけど、ほんとうに2,3曲止まりなのよ。 アルバムを聴いてみようとか思わなかった。 ボウイーも「砂と接着剤」と形容している、あのザラザラ&ベタベタした彼の声がどうしても好きになれないの。 

ディランのことをよく知らない私にはこの歌詞はちょっと不可解だったので、ネットでいろいろ調べてみた。 

冒頭のロバート・ジマーマンとはディランの本名だった(初めて知ったぜ!)。 そして曲の途中に突然出てくる、「あの娘(she)」とはアンディ・ウォーホールのファクトリー・ガールで有名になったモデルのイージー・セジウィックのことらしい。 ディランがウォーホールのファクトリーに出入りしていたなんて知らなかったし、セジウィックと交際してたのも、もちろん知らなかった。 

ウォーホールの側近バンドと言えば、ベルベット・アンダーグランドしか知らなかった。 でもそういえば、VUの"Femme Fatal "という曲は、「彼女がやって来る」♪Here she comes♪、という同じフレーズで始まる…。 それで更に調べてみたら、このFemme Fatalもイージー・セジウィックのことらしい。 それでまた、イージー・セジウィックという女性をいろいろと検索してみたら、これまた、面白い事実が出てきて、だらだらと2,3時間、ネットサーフィンをしてしまったよ。

こんなに時間をつぶした割には、ボウイーはこの歌でディランをリスペクトしてるのか、ディスっているのかよく分からない…。 

勝手に推測すると、ディランを好きだったんだけど、セジウィックがディランの世界をめちゃめちゃにしたので、ほんとメーワク! どっか行け、この女! って感じなのかなぁ…

 

Song For Bob Dylan / David Bowie 

Oh, 聴いてくれよ、ロバート・ジマーマン
君に曲を書いたんだ
糊で砂を固めたような声をした 
ディランという変わった若者を歌った曲だ
彼の言葉は時には真の復讐心を持ち
それは僕らをステージ前で固まらせ、
もっと観衆を集め
そしてもっと恐怖心を植え付ける

Ah あの娘が来る
あの娘が来る あの娘がまたやって来る
超頭脳を持った
お馴染みの厚化粧のあの娘
まるで友だちみたいにやって来て
この世界をビリビリ引き裂く
君の古いノートの中にある2,3の曲で
あの娘を故郷に返すこともできる

あらゆる狭いアパートの一間に君の心が届いた
少なくともポスターが張られた
そして百万もの人の後ろに座り
彼らに世界の見方を語った
それなのに僕らは君の考え方がわからなくなってしまった
君の絵画は独自のものなのに
困難が浮上すると、僕らはひとりよりも一緒に怖がるのを選ぶ

Ah あの娘が来る
あの娘が来る あの娘がまたやって来る
超頭脳を持った
お馴染みの厚化粧のあの娘
まるで友だちみたいにやって来て
この世界をビリビリ引き裂く
君の古いノートの中にある2,3の曲で
あの娘を故郷に返すこともできる 

聴いてくれ、ロバート・ジマーマン
僕らは会うことはないと思うけど
君の友人、ディランに聴いてみてくれないかい
古い路地をじっと眺めたりするのかと
君の詩を無くしてしまったと伝えてくれよ
だから壁に書く
僕らをまた一つにしてくれよ
家族のように一つにしてくれよ
君は全ての国からの難民だ
僕らを健全さと一緒に置き去りにしないでくれよ

Ah あの娘が来る
あの娘が来る あの娘がまたやって来る
超頭脳を持った
お馴染みの厚化粧のあの娘
まるで友だちみたいにやって来て
この世界をビリビリ引き裂く
君の古いノートの中にある2,3の曲で
あの娘を故郷に返すこともできる 
Oh,彼女がやって来る 彼女がやって来る

 

ボウイーがディラン風に歌っていて、茶目っ気があります↓

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ミュージシャンからミュージシャンへ プレイリスト③ The WombatsとJoy Division "Love Will Tear Us Apart"  

ジョイ・ディビジョンのイアン・カーチスが自殺したことで、このポスト・パンク・バンドが神格化されたように思う。 私はニュー・オーダーから遡ってジョイ・ディビジョンを聴いた口なので、リアルタイムでイアン・カーチスの訃報を体験してない。 でも、ニュー・オーダーの「ブルーマンディ」で死ぬほど踊ってた時代はあったわね。

the Wombatsだって、バンド結成が2003年だから、メンバーはジョイ・ディビジョンが終わった年の1980年にはまだ生まれてなかったんじゃないかしら。 それでも、こんな曲を書いちゃって、そしてそれを聴いたポストパンク世代のおばちゃんをホロリとさせてしまうなんて、やっぱり凄いわ。  

 

Let's Dance To Joy Division / The Wombats 

リバプールに帰ってきた
以前と何も変わってないようだけど
昨夜あることについて考えて
それがまだガキのままの俺の頭の中を変えた

ちょっとしたアドバイスなんだが、
22年かかって思いついた
今それを暴露する
俺の過ちから学んでくれ
俺の過ちから学んでくれ

ジョイ・ディヴィジョンで踊ろうぜ
アイロニーを祝してさ
全てが下り坂なのに、
僕らはこんなにハッピー
ジョイ・ディビジョンで踊ろうぜ
杯を高く掲げてさ
全てが誤った方向に行くかもしれないのに
僕らはこんなにハッピー
イエーィ、こんなにはハッピー

だから気持ちが沈んだなら、
バッグを掴んでタクシーをひろって
町の薄暗い地区へ向かおう
そこに俺達はいるから
君をダンスフロアに誘い出すから、そこで待っているよ。
DJブースにも連れってやるよ。
そしたら何をリクエストするかわかるだろ
そしたら何をリクエストするかわかるだろ

ジョイ・ディヴィジョンをリクエストしなよ
そしてアイロニーを祝すんだ
全てが下り坂なのに、
僕らはこんなにハッピー
ジョイ・ディビジョンで踊ろうぜ
杯を高く掲げてさ
全てが誤った方向に行くかもしれないのに
僕らはこんなにハッピー
こんなにはハッピー

だから愛が俺達を引き裂いてもかまわない**
傷ついた心は癒されることを知ったから。
愛に引き裂かれよう
傷ついたは癒されることを知ったから
愛に引き裂かれよう
(愛に引き裂かれよう)

 

**ジョイ・ディビジョンの「love will tear us apart」の引用ですね~。

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