ガーリー・ガーリー・ブルックリン

ニューヨークに行ったなら、何かライブを観なくっちゃね。 旅行をマックスで楽しもうとする貧乏性の私は、アジアンハラスメントなんかでは怯みはしない。

いろいろ検索したら、おっ、金曜日にブルックリンでシスター・ナンシーのライブがある。 シスター・ナンシーは「Bam Bam」がヒットした一発屋のレゲエ・アーチストだけど、アルバムも82年に一枚出したっきりなのね。 そのあと大学に行って会計士になり30年以上銀行で働いて2016年に定年退職、再び音楽活動に専念したという(Wiki情報)。

そういえば今まで女性のレゲエのステージって見たことなかったわ。 それも今年で還暦のおばちゃんが再びレゲエ人生を歩むって凄いものがありそう、是非行かなくちゃ。ブルックリンのそのライブハウスは娘ちゃんも一度行ったことがあるとってもクールなクラブらしい。 おっ、私にピッタリじゃん?! 

その夜はDJやファンクバンドやら4つのギグがあって、シスターナンシーは2番目だ。 みんなほかのライブが目当てなのかラスタファンっぽい人は余りいない。 娘ちゃんは友達に偶然会って、「母がレゲエファンなもので、、、」と言ったら、「えっ? 次はレゲエなの、知らなかったぁー。」と言っていた。

とかいううちに、DJがダブミックスを流し出し、しゃん、しゃん、しゃんしゃん、、、、という心地よい音がサウンドシステムから響いてきた。 そしてシスター・ナンシーがダイナミックなボディーを揺らしながら登場。 彼女のトースティングが始まる。 トースティングはテンション上がるな。 レゲエのトースティングはもしかすると普通に歌うよりも好きかも。 永遠に聴いていられる。 

ニューヨーク州は娯楽用マリワナも合法になったんだっけ? 会場はハッパの煙と臭いでいっぱいだ。 「ハッパを吸いな、でも種は吸うな、種を吸えば次の収穫は無くなる」とナンシーは歌うけど、私はハッパなどなくとも十分楽しかったよ。

 

手を振る私、ガール(おばちゃん)パワー @ "Elsewhere  " ブルックリン

 

ド迫力、シスター・ナンシー

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そして土曜日は雨。 雨の日のニューヨークはしっとりとジャズが聴きたいな。 娘ちゃんが探してくれたブルックリンのOrnithologyという小さなジャズクラブに行くことにした。 マチネで2時からジャズが聴けるらしい。

そしたらなんと、その日はKyoko Oyobeという日本人のジャズピアニストの演奏じゃありませんか。 ジャズに全然詳しくないので名前は初めて聞くけど、日本人だもの、めちゃくちゃ上手に決まってる。 

私と娘ちゃんと娘ちゃんの友達と3人で向かった。 カバーチャージ無しのこじんまりとしたラウンジバーで、kyokoさんのピアノとウッドベースとドラムのトリオで、軽快なテンポからしっとりジャズまでじっくり聞かせていただきました。 

グランドピアノの下にはKyokoさんの5歳の息子さんが布団を敷いて転がって遊んでいて、時々這い出てきてはKyokoさんにたしなめられていた。 ピアノを弾きながら子守をするって、お母さん強いわ。 ニコニコして楽しそうにピアノを弾くところとか、テンポの良さとか、曲もオリジナルで、私の素人の目からは上原ひろみみたいだって思ったんだけど、ジャズ界ってどんだけうまくないと、ワールドツアーとかできないのかなぁ、とかジャンルによってフェアじゃないな、なんて考えたり。

演奏が終わって、Kyokoさんに日本語で挨拶をしたら、このジャズクラブのオーナーも日本人だと教えてくれて、りえさんという若い女性のオーナーを紹介してくれた。 すごいわ、日本人女性、大活躍じゃない。 みんなニューヨークで頑張っているんだ。 

Kyoko Oyobe Trio @ ”Ornithology” ジャズクラブ 

 

Kyoko Oyobeのピアノライブを見つけたので貼っておきます。

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ということでニューヨークの週末は、女子パワーでした。

 

おまけ4コマ

 

アジアンライヴスだってマターだよ!!

いきなり来ましたよ~。 アジアンハラスメント!

空港から電車に乗ってニューヨークのペン・ステーションの地下鉄の駅に着いたとたんの出来事。 

メトロカードを購入しようとキオスクを探してウロウロしていたら、男が近づいてきて私の面前で唾を飛ばしながら、マザーファッキンシット、ユーファッキンピースオブシット、アイヘイトユアファッキンフェイス、ドントエバーファッキンカムヒア、ファッキンシット…。と延々に続く。 何がそんなにこの男を怒らせるのか? それは私の顔らしい。 私のアジアの顔らしい!!

最初は無視してメトロカードを購入しようと思ったけど、そのクソ男は叫び続けるので、これはヤバいと思ってその場を去ることにした。 でも大きなスーツケースを引きずっていたので走ることはできない。 後ろから叫びながら「ドント・エバー・ファッキン・カム・バック…」と追ってくる感じだったけど、階段を下りたらもう付いてこなかった。 あー、怖かった。

そのクソは背の高い黒人で浮浪者風でもない。 私にちょーっ怒っていて怖いのだけど、それよりも怖かったのが、ミッドタウンの午後8時のけっこう人通りがあるのに、誰一人として見向きもしない。 何も起きてないフリしてる。 関わりたくないってことね。 もしここで私が殴られたとしても、周りの人たちは見て見ないフリをするのだろうか。 スマホで撮影してユーチューブに上げたらミリオンヒットになるような、典型的なアジアンハラスメントの光景なんだけどな。

階段を降りたところに警官が二人立っていた。 通報しようかと思ったけど、だれも見ないフリをしてたってことは、地下鉄では日常茶飯事で、通報するほどのことじゃないかもしれない。 少し前だけど、セントラルパークで白人女性が犬にリードを付けてないことで黒人の男性に注意され、その女性は過剰反応して黒人に襲われそうだと警察に電話し、その様子がユーチューブに上げられ女性のほうがものすごいバッシングを受けたことも思い出した。 私は別に身体的危害を受けたわけじゃないから騒ぐこともないのかな、それに証拠もないし警察は何もできないと思う。 

アメリカでは「ブラックライヴズ・マター」のほうが「アジアンライヴズ・マター」よりも影響力を持っている。 でも図体の大きい黒人がアジアのおばちゃんをいじめるなんて、もう絵ずらにしても完全におかしいし間違っているじゃない。 それを無視するって、みんな心のどこかでコロナの恨みをアジア人に持っているのかしら、とも思ってしまって、ちょっと悲しくなった。

「ヘイ、クソ男、黒人は生まれた時から不利な環境なんだろ、わかっているよ。 私は日本というある程度、教育や福祉や医療制度が整っている国で生まれたから、あんた比べたら恵まれてるよ。 でもね、でもね、怒る対象を間違えていたら、絶対にあんたの権利は勝ち取れないよ。」(私の心の声)

でも五日間のニューヨークの滞在でハラスメントは初日のこの一回だけだった。 変な奴やヤバい奴は山ほど地下鉄にいたけどね。 マンハッタンの地下鉄はジャングルよ。 猛獣がいたら絶対目を合わせないで静かにその場を去りましょう。

それで思い出したのが、グランドマスターフラッシュのコレ。 40年前の曲なのに、状況は全然変わってないよ。

 

the Message / Grandmaster Flash (1982)

まるでジャングル、俺はときどき
生き延びていることを不思議に思う

そこら中に、壊れたガラスが散らばり
階段で平気で立ちションし、別に何とも思わない
臭いが我慢できないし、騒音もダメだ
俺は出ていく金もないし、ここに居るしかない
部屋の前にはネズミがチョロチョロ、後ろにはゴキブリが這いまわる
通りには野球のバットを持ったジャンキー
どこか遠くに行きたいけど何処にも行けない
だって俺の車は差し押さえで持ってかれた

俺を押すな、崖っぷちに立っているから
正気を失わないよう頑張っているのだから
まるでジャングル、俺はときどき
生き延びていることを不思議に思う

窓際に立って外を眺め
そよ風ともに車が走り去るのを見る
袋を引きずる頭のおかしな女が
ゴミ箱から食べ物を漁る、以前はゲイとつるんでいた
タンゴやファンダンゴを踊るといっていた
ジルコン姫は気がふれたらしい
ピープショーでいろんな変態を覗いている
田舎に帰って友達に土産話ができるから
都会に行って贅沢をして
一人じゃ生活できなくてポン引きの世話になった

俺を押すな、崖っぷちに立っているから
正気を失わないよう頑張っているのだから
まるでジャングル、俺はときどき
生き延びていることを不思議に思う

まるでジャングル、俺はときどき
生き延びていることを不思議に思う

俺の兄貴は悪い奴でお袋のテレビを盗む
テレビの見過ぎは体に悪いと言いわけをする
お袋は昼メロを見て夜は『ダラス』が好き
シュガー・レイの試合も見ることができないって
借金取りが呼び鈴を鳴らし
俺がいない間に嫁を脅かす
最低の教育を受け、2桁のインフレ
仕事に行くにも電車に乗れない、なぜならストライキをしてるから
光るネオンのキングコングが俺の後ろに立っていても
立ち止まって振り返れない、仙腸関節やられてるから
中度の片頭痛と癌に侵された膜組織
時々感じる、狂ってしまう
ハイジャックでも犯したくなる!

俺を押すな、崖っぷちに立っているから
正気を失わないよう頑張っているのだから
まるでジャングル、俺はときどき
生き延びていることを不思議に思う

心が真っ白のまま子供が生まれ
人類の道も分からない
神はお前に微笑むが、同時に顔をしかめる
なぜならお前の行く末を神は知っているからさ
ゲットーで育ち二流の人生を送る
そしてお前の目は深く根差す憎しみを歌う
お前の遊び場やお前の住み家は
一つのでかい路地裏のよう
お前が憧れるのは賭博の胴元や
ヤクザやポン引きやディーラーの金持ち
でかい車を乗り回し札束をチラつかせる
お前はそういう奴らになりたいと願う
密売人、詐欺師、強盗、ギャンブラー
スリや盗品売り、もしくは浮浪者
お前はそれがカッコイイというけど、いや、ただのバカでしかないぜ
それで高校も中退し
無職で無能
悪党フロイドのように徘徊し
チンピラになって、その後どうなったかと言えば
8年の禁固刑を食らって
男としての人生はおしまい、ムショでカマを掘られ
次の2年はゲイの餌食となり
利用され悪用され生き地獄
そしてある日、牢屋で首を吊ったのを発見される
人生が終わったのは明らかだ
お前の冷たい死体がゆらゆらと揺れている
だけどお前の目は悲しい悲しい歌を歌っている
あぁ、なんでそんなに死に急いだのか

俺を押すな、崖っぷちに立っているから
正気を失わないよう頑張っているのだから
まるでジャングル、俺はときどき
生き延びていることを不思議に思う


まるでジャングル、俺はときどき
生き延びていることを不思議に思う

<syco訳>

 

youtu.be

 

マイマイ メトロカード ♪ NYプレイリスト後編 

数えたらここ30年間で、ニューヨークに全部で5回行っていた。 80年代に比べて随分と安全になったとはいうけど、ダウンタウンの辺りとか前に比べて奇麗すぎて詰まらないと言う人もいる。 

私はアメリカで1,2を争う危険な都市、デトロイトの近郊に住んでいたので、体に危険レーダーは備えていると思う。 見た目が貧乏くさいので強盗には合わないと思うけど、ニュースで見た「アジア人のおばあちゃんが通行人に突然殴られる」、みたいな差別犯罪に会うのはごめんだ。

ただ用心しすぎて楽しめるのも楽しめないっていうのも嫌だし、やっぱりバランスだ。 あとは運を天に任せる。 なるようになるさと考えるとだいたい大丈夫、というのが今までの人生だったからな。

 

後半は90年代からの曲。 ちょっとニューヨークに対してネガティブな曲が多いかも。

ル・ティグラの『メトロカード』 ニューヨークの地下鉄を乗るときに使う、日本のSuicaのようなものだね。

 

My My Metrocard / Le Tigre (1999)

体を起こして空気を吸う
準備万端、今日はツイている日
何でもできそう
すべて思う通りに行きそう


私の、私の、メトロカード
私の、私の、メトロカード
私の、私の、メトロカード
ちょっとと思っても、行き過ぎる

あぁ、くそったれ ジュリアーニ**
あいつは本当に 最低な奴だ
全てのストリップ小屋を
閉鎖しやがった
勤労福祉制度は
機能しない

私の、私の、メトロカード
私の、私の、メトロカード
私の、私の、メトロカード
ちょっとと思っても、行き過ぎる

次の駅
アトランティック通り
次の駅
クリストファー街
次の駅で
乗り継いで
次の駅で
AかCかEの電車

<Syco訳>

*ジュリアーニは当時はニューヨーク市長だったね。 トランプの弁護士になって、本当にクソみたいなヤツだってことが証明されたわ。 

 

youtu.be

 

ニューヨーク出身のバンドLCD Soundsystem。 カーミットもNY出身だったんだね。 セサミ・ストリートはニューヨークにあるんだ。

New York, I Love You but You’re Bringing Me Down / LCD Soundsystem (2007)

ニューヨーク、君が大好きだけど
がっかりさせられるんだ

ニューヨーク、君が大好きだけど
がっかりさせられるんだ

籠の中のネズミのように
最低賃金を引っ掻き回す

ニューヨーク、君が大好きだけど
がっかりさせられるんだ

ニューヨーク、安全になった
そして僕の時間を無駄にする

僕の記録によると
君は汚いけど大丈夫らしいよ

でも商店街のシャッターは降ろされ
扉を開けると
暇を持て余した警官がいる
犯罪が無くなってしまったから

ニューヨーク、君は完璧だ
お願いだから変わらないでいて

君の億万長者の市長は
自分がここの王様だと信じてる

その刺激のなさが
みんなの敬意を失わせる


近くのバーで
僕はかって酒を飲むのを夢を見ていた

ニューヨーク、君が大好きだけど
びっくりさせられるんだ


ツイストはたくさんあるのに
シャウトが無くなっている

ホールで誰かが死んで
それを壁越し聞くみたいな

ニューヨーク、君が大好きだけど
びっくりさせられるんだ

ニューヨーク、君が大好きだけど
がっかりさせられるんだ

ニューヨーク、君が大好きだけど
がっかりさせられるんだ

ニューヨーク、君が大好きだけど
がっかりさせられるんだ

まるで心臓が止まったみたい
あぁ、どこから話したらいい?

でも君はいまだにひとつの池で
ぼくは喜んで飛び込みたい

そして、そうだ、僕をグループリストから外してくれない?
いまだに信じている子供たちのリストから
そうだよ、いまだに信じている子供たちのリストから

多分僕が間違っている
そして正しいのはきみだ
間違っているかも
君が正しいのかも

君が正しいのかも
僕が間違っているのかも
本当に君のほうが正しいのかも

そしそ、そうだ
たぶんママが言っていたことは正しいのかも
常に君の力になってくれる何かがある
決して独りぼっちじゃないと

でもママは間違っているかもしれない
僕が正しいかもしれない
やっぱりママが間違っているかもしれない

ママは間違っているのかもしれない
僕が正しいのかもしれない
そうだとしたら、誰かいるの? 

<syco訳>

 

youtu.be

 

この、ちょーっカッコいい曲は、実はアホみたいなこと言ってたんだね。 ラリってお腹を空かしているってうた。

Stoned and starving / Parquet Courts (2012)

俺はクイーンズ区のリッジモンド街をあるいていた
雑誌をペラペラめくりながら
俺はかなりハイで腹も空いていた

そうさ、俺はレシピを読んでいて
『これって食えるか?』と自分自身に聞いていた
俺はかなりハイで腹も空いていた

俺はスクラッチの宝くじを削り
何を飲もうか考えていた
俺はかなりハイで腹も空いていた

そうさ、俺はレシピを読んでいて
『これって食えるか?』と自分自身に聞いていた
俺はかなりハイで腹も空いていた

魚の形したグミはどうかな
ピーナッツかリコリスもいいな
俺はかなりハイで腹も空いていた

俺は札を丸めて握っていた
俺はタバコの害について読んでいた
俺はかなりハイで腹も空いていた

そうさ、俺はレシピを読んでいて
『これって食えるか?』と自分自身に聞いていた
俺はかなりハイで腹も空いていた

<Syco訳>

youtu.be

 

SBTRKTはイギリスのDJらしいけど(よく知らない)エズラ・クーニングはヴァンパイア・ウィークエンドのメンバーだったから、ニューヨーク出身だね。 歌詞の意味はさっぱり分かりませーん。

New dorp. new york  / SBTRKT feat. Ezra Koenig - (2014)

俺の彼女は最小限の物しか持たず
次のガラクタが来るまでとっておいて
したたかな人間も浮浪者にみえる
俺の彼女は町を機能させ
金の元となる王国の鍵を持つ
カレンダーを見ることも日の光も見ることもない
(俺はマイナス1だって)

マンハッタンではためく旗
ニュードープ、ニューヨーク
ガーゴイルがオイルでうがいする
帝国の山頂、岩のてっぺん

マンハッタンではためく旗
ニュードープ、ニューヨーク
ガーゴイルがオイルでうがいする
帝国の山頂、岩のてっぺん

俺の彼女は小技を使う
子供に食べさせながらコートのチャックを上まで上げて
張り詰めた空気の冬が終わるのを待つ
俺の彼女はリムジンを手に入れた
それをピカピカに保つためにフルタイムで働く
スピーカーをトランクに入れる どこで終わるかわかるだろう?
(俺はマイナス1だって)

マンハッタンではためく旗
ニュードープ、ニューヨーク
ガーゴイルがオイルでうがいする
帝国の山頂、岩のてっぺん

マンハッタンではためく旗
ニュードープ、ニューヨーク
ガーゴイルがオイルでうがいする
帝国の山頂、岩のてっぺん


ニュードープ、ニューヨーク

深夜、黒いヘブライ人
消えそうな明かりの下で白人の女たちが歌っている
ホームランを打たない野球のバット
深夜、黒いヘブライ人
消えそうな明かりの下で白人の女たちが歌っている
ホームランを打たない野球のバット

俺は野球のバットを手に入れたけど、決してホームランを打たない

<Syco訳>

 

youtu.be

 

リストを作っているうちに、ニューヨークに着いてしまってる。

急いでレゲエで終わります。 レゲエなのに、ニューヨーク・ブギ。歌詞は見つからなかったので訳は無しで。

 

youtu.be

 

オマケ四コマ

運を使い果たした話 <先回の続き>

 

 

ヘイ マンハッタン! ドゥービードゥー ♪ NYプレイリスト前編 

来週の今頃は私は大都会のイルミネーションに包まれて、カクテルを飲んでいるんでしょう。 そのカクテルはマンハッタン…、

そう、このアパラチアの山女がニューヨークに行く。 今年の夏に娘ちゃんがニューヨークに引っ越したから、この感謝祭の休みに会いに行こうと思ってね。

円安で、ニューヨークではラーメン一杯が3000円とか噂されて日本で恐れられていますが、私はニューヨークに行ってまでラーメンを食べようとは思わない。 日本食は日本に帰った時に食べればいい。 ラーメン一杯3000円とか、お寿司を食べれば軽く2万円とか、アメリカ在住者でもニューヨークは高過ぎるわ。 多分私は通りの屋台のタコスとか買って食べていると思うよ。 

 

さっそく、ニューヨークのプレイリストを作る。 ニューヨークの歌はたっくさんある。 その中でもとっておきのヤツを選んだよ。

古い順から5曲行きます。

 

まずは『59番街橋の歌』、なんかスキップしたくなるね~。 サイモンとガーファンクルを聞くと、ニューヨークは故郷でもないのに、なぜか懐かしい気分になるんだよ。

The 59Th Street Bridge Song (Feelin' Groovy) / Simon & Garfunkel (1966)

ちょっと待って、歩くの早いね
朝をゆっくり過ごそうよ
石ころを蹴ったりしながらさ
楽しいこと探して浮かれ気分
Ba da da da da da da, 浮かれ気分

ハロー、街灯くん、ニュースある?
僕は花が咲くのを見に来たんだ
うたを歌ってくれないの?
Doot-in doo-doo, 浮かれ気分
Ba da da da da da da, 浮かれ気分

僕は何の用事もないし
何の約束もしていない
木漏れ日の中うとうとして眠くなる
朝は僕の上に花びらを散らし
素晴らしい人生
すべてに浮かれる

<syco訳>

 

youtu.be

 

ニューヨークといえばルーリード。 レキシントン通りと125番通りの角で待つ男。 かっこいいロケンロールだけど、ドラッグディーラーを待つジャンキーの歌だよ。

I'm Waiting for My Man / Velvet Underground (1967)

俺は男を待っている
26ドルを握って
レキシントン通り 125街
気分は最悪、屍のよう
俺は男を待っている

ヘイ、白人がアップタウンで何してる?
ヘイ、白人男、俺たちの女を追っかけまわすなよ?
いいや、悪いけど、俺はそんなこと考えもしない
だた俺は、大事な、本当に大事な仲間を待っているだけだ
俺は男を待っている

ああ、奴が来た、黒づくめでやってきた
履き古した靴と麦わら帽子を被って
絶対時間前には来ない いつも遅れる
まず学ぶのは待つことだ
俺は男を待っている

茶色の石造りのビルの3階まで上る
みんながじろりと見るが別に気にかけもしない
奴の仕事は君においしい物を与える、それだけさ
そしてすぐにその場を離れろ、まごついている暇はない
俺は男を待っている

ベイビー、わめいたり叫んだりしないよね、ダーリン
気持ちいいな、とりあえず解決だ
気持ちいいな、本当に気持ちいい
明日まではね、でもそのあとはまた別の話さ
俺は男を待っている 家へと歩く

<syco訳>

youtu.be

 

マンハッタンに今でもあるチェルシーホテル。 レナード・コーエンの名曲ね。 私はロイド・コールのカバー・バージョンが好きだな。

Chelsea Hotel / Leonard Cohen (1974)

チェルシーホテルのことをよく憶えている
君は大声でおしゃべりをし、可愛かった
昨日のままのベッドの上で
君は口で僕をイカせてくれた
リムジンを外に待たせたまま

それが理由で、そしてニューヨークということもあり、
僕らはお金も底を突き、身体もボロボロ
そしてそれは、
歌に出てくる娼婦にとっては愛と呼べたし、
多分今でもそう言える

あぁ、でも君は行ってしまった、ねぇ、そうだろ
僕に背を向けて人ごみの中に消えて行った
君は去っていった
一度も君は言わなかったね
あなたが欲しいとか、あなたはいらないとか
あなたが欲しいとか、あなたはいらないとか
そういった他愛無い言葉

チェルシーホテルのことをよく憶えている
君は有名で君の心は語り継がれる
君は繰り返し、ハンサムな男が好きだと言った
でも僕は例外だって
そして美男美女に圧倒されられる
僕らにみたいな連中のために
君は拳を握りしめる
自分の顔を治して来たら、いや、冗談よ、と君は言う
僕らは醜い、でも僕らには音楽がある

あぁ、でも君は行ってしまった、ねぇ、そうだろ
僕に背を向けて人ごみの中に消えて行った
君は去っていった
一度も君は言わなかったね
あなたが欲しいとか、あなたはいらないとか
あなたが欲しいとか、あなたはいらないとか
そういった他愛無い言葉

君を一番愛しているとは
絶対に仄めかすつもりはない
射落としたコマドリの数を数えてられないからね
チェルシーホテルのことをよく憶えているけど
それだけさ、 君のことはそれほど何度も考えない

<syco訳>

 

youtu.be

 

ここ何日か、私はこの曲が頭の中から離れなくて困っている。 ヘイ・マンハッタン! ドゥービードゥー♪

Hey Manhattan / Prefab Sprout (1988)

聞いてくれるかい
夏がやってきた
僕の傍らに世界を感じる
ブルックリン橋が僕の眼下に広がる
一億もの魂が僕に会いたいと願っている

さぁ、僕は来たよ
期待に胸を膨らませ
膝まで美に浸かって
欲しいものが目の前にある
まるで全てを手にした気分…

ヘイ マンハッタン!僕は来た
スターに夢中なアンクルサムと呼んでくれ

5番街を歩きながら
シナトラもここを歩いたかと考える
語り継がれる伝説が
そこで君を待っている
僕らはそれを現実にする

マンハッタン! ドゥービードゥー
ヘイ マンハッタン! ドゥービードゥー

いつかは君も行くといいよ
ほら、あそこがカーライルホテル
ケネディが泊まったところだ
彼が死んだとき君はどこにいた?

君たちはそこにいた
未来に夢を膨らませ
運命に膝までつかり
ほしい物はすべて目の前にある
通りに散らかるゴミも
スラムも何もかも

ヘイ マンハッタン! 僕は来た
不運なアンクルサムと呼んでくれ

5番街を漁りながら
貧しい者もここで生きてることを考える
だけど何をして?
伝説は君たちのもの
僕らはそれを現実にする

マンハッタン! ドゥービードゥー
ヘイ マンハッタン! ドゥービードゥー

<syco訳>

 

youtu.be

 

前編の最後はしみじみとクリスマスソングで。 シェインとカースティの詰りあいがツボな曲。

Fairytale of New York / the Pogues (1988)

クリスマスイブだったな
俺はトラ箱に入れられてた
そこにいた爺さんが俺に言った、次はないだろうと
そして爺さんは歌った
『はるか昔の山の朝露』を
俺は遠くを見て
お前のことを思った

大穴を当てた
18倍だ
いい予感がした
今年は俺たちの年かもしれない
だからクリスマスを祝おうぜ
愛してるよ ベイビー
いいことがありそうだ
俺たちの夢が全部かなう時だ

あの人たちはでかい車を乗り回し
金が流れる川でもあるのかしら
でもあんたには空っ風しか吹かないし
もう若くないからここじゃキツイわ
あんたに初めて手を握られた
あの寒いクリスマスイブの日
約束してたわよね
ブロードウェイを見せてくれるって

「あんたは男前」
「おまえは可愛い」
ニューヨークの女王様
楽隊の演奏が終わっても
みんなアンコールを叫び
シナトラはスウィングして
みんな酔っぱらって歌う
通りの角で俺たちはキスして
それから夜通し踊った

ニューヨーク市警の合唱団が
『ゴールウェイの入り江』を歌い
鈴をリンリンならす
クリスマスの日

「あんたは役立たず
ろくでなしのチンピラ」
「てめーこそヤク中のエロババア
ふとんの中でクスリ打ってる死にぞこない」
「カス男、蛆虫野郎
ケチでちんけなオカマ野郎
クリスマス? 笑っちゃうわ
これで終わりになることを祈るわ」

ニューヨーク市警の合唱団が
『ゴールウェイの入り江』を歌い
鈴をリンリンならす
クリスマスの日

「ほかの人生が送れたかも」
「それは誰もが言うことさ」
「初めて会った時
あんたは私の夢を持っていった」
その夢を今も持ってるぜ、ベイビー
俺の夢も一緒にしてさ
一人じゃ無理だ
お前がいたから夢が持てた

ニューヨーク市警の合唱団が
『ゴールウェイの入り江』を歌い
鈴をリンリンならす
クリスマスの日

<syco訳>

 

youtu.be

 

おまけの4コマ

運を使い果たした話

後編は90年代から行きます!

年間ベストアルバム 2004年 "Soviet Kitsch"  流れ流れて

Classic Review: Soviet Kitsch by Regina Spektor - WKNC 88.1 FM

2004年は私がデトロイトからノースキャロライナに引っ越した年だ。 いろいろあったな。 ま、それは置いといて、と。

デトロイトにいたころは普通にFMラジオでもインディチャートが聴けたけど、ノースキャロライナに来てからは、私のBGMはネットラジオに変わった。 主にBBC6だ。 レジーナ・スペクターの「Us」という曲がトム・ロビンソン(TRB、懐かしいね)がDJしてたBBC6の番組でヘビロテされていた。 変った歌詞と良いメロディ、パンクな姿勢とユーモア、即アルバムを購入した。

レジーナ・スペクターを語るとき、みんな彼女が9歳の時に旧ソビエト連邦から家族と一緒にアメリカに移民してきたこと持ち出す。 ソビエトでがっつりクラッシックピアノの教育を受けたらしい。 確かにピアノは上手だ。 でもピアノの弾き語りというよりも、自由に歌うレジーナの声にピアノが追いかける感じ。

彼女のインタビューで「移民するのって、大人にはトラウマかもしれないけど、子供にとってはワクワクする体験なのよ。」と答えていた。 子供のころ大人は何かにつけてホロコーストやスターリンのことを話してたけど、それはどこか遥か遠くのどこかのことで、レジーナはミッキーマウスとコカ・コーラのアメリカに生きていたと話していた。 そんなユダヤ系ロシア人の暗い歴史と、アメリカに来た移民が感じるオプティミズムが融合した感じのとってもユニークなアルバムだった。 

以前のエントリーで「Us」を紹介してます↓↓

sycob.hatenablog.com

 

このアルバムの「一酸化炭素中毒」という曲が大好きで、これを運転しながらよく歌っていんだけど、当時8歳だった娘はこの曲が嫌いだった。 今考えてみると、歌詞がヤバかったんだろうなーと思う。 

私は歌詞はアバウトで適当に歌っていることが多い。 この歌の歌詞でレジーナは「セックスクレイズ、セックスクレイズ」(セックス中毒)とうたっているのに、私は「シックスグレイズ、シックスグレイズ」(小学六年生)って大声でうたっていた。 小学生の子どもが一家心中させられる歌だと思ってた。 だとしても子どもに聞かせる歌詞じゃないよね、ごめんよ。 でもメロディがキャッチーでついつい歌っちゃうんだよ、声もかわいいしさ。

 

youtu.be

 

Carbon Monoxide 

一酸化炭素中毒
もうすぐ私は眠りに落ちる
靴下をちゃんと履いておかないと
足からすっぽり脱げ落ちてしまう
てくてくてくてく 歩く途中で

てくてくてくてく


一酸化炭素中毒
あなたを家に連れて帰るとき
初めて靴下をちゃんと履いた
でもガスマスクはつけていない
てくてくてくてく
あなたを家に送る
Yeahイエーィ

私は大丈夫
私は大丈夫
私は大丈夫

てくてくてくてく
歩いて家に送る

私は大丈夫
私は大丈夫
私は大丈夫

父さん 起きて
父さん 起きて
父さん 起きて
父さん 起きて
父さん 起きて
父さん 起きて

一酸化炭素中毒
すぐに私たちは眠りに落ちる

私たちが逝っても誰も気づきはしない
だって仕事もないのだから
ただ怠け者と言われるだけ
性欲だけ旺盛で、霞に包まれて
生涯布団の中で過ごしたといわれるだけ
私たちは布団に入るけど、あぁ、でも完全に

死んでしまう 死んでしまう 死んでしまう
死んでしまう 死んでしまう 死んでしまう
死んでしまう イエーィ
でも私たちはこれでいいの これでいいの これでいいの

父さん 起きて
父さん 起きて
父さん 起きて
父さん 起きて
父さん 起きて
父さん 起きて
お願い、お願い お願い お願い

一酸化炭素中毒 一酸化炭素中毒

<syco訳>

 

レジーナ・スペクターはこのデビューアルバム以降はソビエトでもキッチュでもなくなって、ソフトで聞きやすいポップスになっちゃった。 私が詰まらないと感じると、世の中はその逆を行く。 次のアルバムは売れて、彼女はテレビや映画の主題歌を歌ったりしてアメリカで有名になった。 芸術的にレベルが高いアーチストだから、もちろん売れるに値するのだけれど、インディおばちゃんの私はちょっと寂しいね。

 

おまけマンガ この度は長編8コマです。 

 

今更だけど「Amy エイミー」を見て泣いた

エイミー・ワインハウスのドキュメンタリーはずっと前から気になっていたんだけど、私は特にファンでもないし、彼女の曲をそれほど聞いていたわけでもない。 当時のスキャンダルはいろいろ耳に入ってきたので、興味本位で見るのもなんだかな―、と思ったけど、所詮映画は興味本位で見るのがほとんどでしょ。 アーチストとドラッグやアルコールの関係は常に興味があるし、うつ病、摂食障害も気になるテーマなんだよね。 なのでやっと『AMY エイミー』(2015)を見た。

私は、勝手にエイミー・ワインハウスはユダヤ系のお嬢様だとばかり思っていたら、お父さんはタクシーの運転手、お母さんは薬剤師でワーキングクラスの出身だった。 両親はエイミーが小さい時に離婚していて、高校も中退して、17歳ぐらいからジャズクラブとかで歌っていた。 なんで勘違いしてたかというと、ユダヤ系=高学歴でお金持ちって思っちゃうの。 アメリカだと大抵そうだから。

エイミーは10代のころから、エラ・フィッツジェラルドとかビリー・ホリディなどの化石のようなジャズ・シンガーが大好きだったのね。 そして、自分もジャズ・シンガーだとわかっていた。 ヒットチャートに上るポップアーチストには興味がなかったのよ。 なのにジャズを超えて人気がでちゃってそのプレッシャーに応えられなかった。 

この映画を観て、エイミーが可哀そうで可哀そうで涙が出たよ。 同時に怒りを感じた。 特にイナゴの大群のように襲ってくるパパラッチが許せない。 それからギリギリのところにいるエイミーにもっと仕事をさせて儲けようとする大人たちも許せない。 彼女の薬物、アルコール中毒をネタにして笑うテレビやタブロイドも許せない。 ボロボロになったエイミーをいつまでもステージに立たせるマネージメントが許せない。 歌えなくなっているエイミーにブーイングを飛ばす観客も許せない。

エイミーにコカインやヘロインを教えたのはボーイフレンドのブレイクだというけれど、エイミーはこのブレイクというクズ男をほんとうにほんとうに愛していたという事実も、とっても切なくて悲しい。 

彼女が小さなクラブで歌うジャズ・シンガーのままだったら、もっともっと幸せに生きられたのかもしれない。 

最後の方でエイミーが憧れてデュエットを共にできたトニー・ベネットが言っている。 取りあえず生きることを学ぶまで、生きなきゃだめだと。 エイミーは生きることを学ぶ前に死んでしまった。 享年27歳。

 

「バレリー」はエイミーが歌ってヒットしたけど、本当はインディバンドのゴメズの曲なんだよね。 ゴメズもいいけれど、エイミーが歌うとバレリーという女性がエイミーと重なって、心に染み入ります。

 

Valerie / Amy Winhouse (2007)

そうよ、時々ひとりで出かけて
川の向こうを見渡して
いろんなことに考えを巡らし、あなたが何をしてるか考える
頭の中で思い描く

故郷に戻ってからは
私の体はボロボロ
あなたの赤毛が懐かしいし
あなたの選ぶドレスも好きだった
会いに来てくれない?
私をからかうのはもうやめて
会いに来てくれないかしら、バレリー

バレリー
バレリー
バレリー

刑務所に送られたの?
家を売って、良い弁護士を雇えた?
日焼けには気を付けてね
あなたを助けてくれるいい男がみつかるのを祈るわ
どこかでショッピングをしているの?
髪の色を変えた? 忙しい?
あの罰金を払わなくてはいけなかったの?
あなたはいつも逃げていたけど、いまだに問題をかかえてるの?

故郷に戻ってからは
私の体はボロボロ
あなたの赤毛が懐かしいし
あなたの選ぶドレスも好きだった
会いに来てくれない?
私をからかうのはもうやめて
会いに来てくれないかしら、バレリー

バレリー
バレリー
バレリー

<syco訳>

 

これを機会にエイミーのライブをYoutubeでいろいろ見ていたら、私の大好きなスペシャルズと一緒に、「ゴーストタウン」とか「モンキーマン」とか「ヘイ・リトル・リッチガール」とか歌っていたんだね~。

 

 

24アワー・パーティー・ピープルをまた観ちゃったよ

2002年に公開されたこの映画。 

アマゾンプライムにあったから、どれどれ、も一度見てみましょ、と思ったわけ。 イギリスのインディーズのレコードレーベル『ファクトリー・レコード』の創立者トニー・ウィルソンによる80年代マンチェスターの回想録のような映画で、一部の音楽ファンには堪んないだろうけど、世界の99.99%以上の人はどうでもいいでしょうな。

私はファクトリーと言えばニュー・オーダーなんだけど、この映画を観るとファクトリーはニュー・オーダーとハッピーマンデーズで食いつないでいたみたいだ。 

ニュー・オーダーはプロデューサーに『プロのように演奏できんのか』と怒られる。 やっぱり演奏は下手っぴだったんだね。 ハッピー・マンディズは私はあまり知らないんだけど、エクスタシーをやりまくるハードコアなパリピだ。そしてアホだった。 これがマッドチェスターの始まりなんだね。 

トニー・ウィルソンはもともとテレビのバラエティ番組の司会とかやっていた人で、ファクトリー・レコードはその傍らの事業で趣味に近かったようだ。 だからウィルソンは儲けとあまり考えないで、地元マンチェスターの好きなバンドをサポートするという姿勢に徹していた。 マンチェスターにクラブも持っていて、マンチェ愛に溢れていた。 で、倒産しちゃうんだけどね。

ジョイ・デヴィジョンのイアン・カーチス、ニュー・オーダーのギリアン・ギルバート、ピーター・フック、ジェイムス・モリス、バーナード・サムナー、それからハッピー・マンディズのショーン・ライダーとかBezとか出てきて、役者さんがみんなどことなく似ていて面白かったよ。 イアン・カーティスの死も描かれるのだけれど、トニー・ウィルソン役のコメディ俳優スティーブ・コーガンのおかげで、全体を通してコメディを保ち、そしてメタ映画でもある。 スティーブ・コーガンのあのとぼけた感じで、突然カメラに向かって語りかけるするの。 最後に天空に本人とそっくりの神様が現れて、『お前がスミスと契約しなかったのが最大のミスだ』と告げてゆるーく終わるのもアンチクライマックスでウケる。

ザ・フォールのマーク・E・スミスやストーン・ローゼズのマニやバズコックスのハワード・ディボートなどマンチェの伝説的人物本人が次々とカメオで出てくるのも見逃せないね。

思った以上にマンチェスターって凄いバンドをたくさん出している。 でもオアシスの名前が一度も出てこなかったのは意図的か、それとも時代が少しズレているからか、その辺はわかりませーん。

 

ハッピー・マンデーズはニューオーダーのこの名曲の反対語をバンド名にしたんだね。 今気づいたよ。 遅すぎ!

そしてこんなブルーマンデーのビデオがあったのも知らなかった↓↓

 

youtu.be

Blue Monday / New Order (1983)

それはどんな気持?
僕にこんな仕打ちをして
僕の上に手を置き
君は正体を明かした

僕は勘違いされたと思った
君の言葉を聞いたと思った
僕がどう感じると思う?
今すぐ教えて欲しい

僕より先に来た人達は
天職を全うした
過去から完成するまで
彼らはもう目を背けはしない

そして僕にはまだ難しい
言うべき事を口にするのが
でも君がきっと言ってくれるんだよね。
今日僕がどう感じるべきかをさ


港に船が見える
服従は可能だし、そうするつもりだ
でもきみの不運のためじゃなかったら
僕は今日天使になっていたかもしれない

僕は勘違いされたと思った
君が言葉を聞いたと思った
僕がどう感じると思う
どう感じるべきか今すぐ教えて


僕は今ここに立って待っている

僕と海岸を歩いてた時に
君は別れると言ったと思った
どんな風に感じるんだい
君の心が冷たくなる時
冷たくなる時 冷たくなる時 冷たくなる時

<syco訳>

 

私がマンチェスターバンドで一番好きなのはニュー・オーダー、次がスミス、そして3番目がマーク・E・スミスのザ・フォールです。

 

 

過去のザ・フォールのエントリー ↓↓↓

sycob.hatenablog.com