本好きプレイリスト③ 2+2=5, Killing an Arab, Soma, Tea in the Sahara

本の題名は入っていないけど、明らかにある小説について歌っていると思われる曲を集めてみました。 

2+2=5 Radiohead (2003) (「1984年」ジョージ・オーウェル著)

きみはおめでたい空想家だな
まだ、世界を正すことができると信じてるなんてね
僕は家に引きこもるよ
そこでは2たす2は必ず5になる

僕は路上に砂袋を積んで
隠れるよ
一月に四月のような雨が降り
そして2たす2は必ず5になる

今はもう悪魔の道を歩んでいる
もう抜け道はない
泣いても叫んでも
もう手遅れだ

なぜならきみは
注意を払ってなかったから
注意を払ってなかったから
注意を払ってなかったから
注意を払ってなかったから

そうさ、感じるんだよ、注意が大切だった
注意を払うこと
注意を払うこと
注意を払うこと

そうさ、必要だ、必要だったんだよ
注意が必要だった
注意が必要だった
注意が必要だった

そうさ、僕は注目が大好きだよ 
注意を払うこと
注意を払うこと
注意を払うこと

一緒に歌おうとしても
僕は全て間違う
なぜなら僕は違うから
なぜなら僕は違うから
奴らをハエのように叩いても
ハエと同じでしつこく戻って来る

でも僕は違う
あぁ、盗人に万歳
あぁ、盗人に万歳

でも僕は違う
でも僕は違う
でも僕は違う
でも僕は違う

権力に疑問を持つな 被告席に入れられるぞ
僕は違うから
僕は違うから

あぁ、王様に知らせろ 空が落ちてくる
でもそれは違う
でもそれは違う
でもそれは違う

多分違う
多分違う

 <syco訳>

「1984年」はアーチストの間で人気ですね~。 「2+2=5」は主人公が最終的には権力に屈して、言わされる言葉ですね。 トム・ヨークはそれを現代の地球温暖化にあてて、歌っていると私は思う。  1月に暖かい雨が降ったり、砂袋を道に積んだり、という表現、異常気象のことですね。 そしていまだに、地球温暖化を否定している奴らがいる。 あー、アメリカの大統領のことだー…。奴も権力を乱用し、税逃れした盗人だー。

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ビデオは"Wolf at the Door"も入ってますね。 これも「赤ずきんちゃん」からの引用だから、本好きプレイリストに入れてもいいね!

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Killing an Arab / the Cure (1980) (「異邦人」 アルベール・カミュ著)

ビーチに立ち尽くし
手には拳銃
海を見つめ
砂を見つめ
銃身に視線を落とす
アラブ男が倒れている
その開いた口が見える
何も聞こえない

俺は生きている
同時に死んでいる
俺は異邦人
アラブ男を殺した

俺は身を翻して
去ることもできる
または銃を撃つこともできる
空を見つめ
太陽を見つめ
どっちを見ようとも
結局は同じこと
全く何の意味もない

俺は生きている
同時に死んでいる
俺は異邦人
アラブ男を殺した

手の中でスイッチブレードが開くのを感じる
滑らかな感触
海を見つめ
砂を見つめ
ビーチで死んでいる男の
目に映った
自分を見つめる

俺は生きている
同時に死んでいる
俺は異邦人
アラブ男を殺した

<syco訳>

キュアの「アラブ人を殺した」はもちろんカミュの「異邦人」からの引用。 というか、小説の一シーンをそのまま解説している。 主人公は「太陽の光がまぶしかったから」アラブ人を殺したんだよね。 バックのアラブ風のシャンシャンという音が好き。 

カミュは20代にたくさん読んだよ。 実存主義とは何ぞや、と疑問を持つ若気の至りで、サルトル、カフカ、カミュ、ドストエフスキーなどを、訳が分からんのもお構いなく読み漁ったよな。  年を取ってものすごく暇になったとき、また全部読み返したいな。

 

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↑マストロヤンニ主演でルキノ・ビスコンティが映画化してたんだね。 知らなかった。

 

Soma / The Strokes (2001)  (すばらしい新世界 オルダス・ハスクリー著)

ソーマとは苦しい時に飲む薬
目を覚ますと痛みが新たな形に見えてくる 危険さえも忘れてしまう
日の光と駆けっこをし、夢に呑み込まれる
君の目には

そして僕は止まってまた走り出す
君の目には
そうだろ、僕は止まってまた走り出す
君の目には

さぁ、行こう

彼女を初めて見た時、目を閉じたまま、口が動いた
何かを言う彼の声を聴いた
「僕はそこにいるから」と彼は言って歩き去った
彼は好かれようと何か頑張っているようだった

そして僕は止まってまた走り出す
君の目には
そうだろ、僕は止まってまた走り出す
君の目には

一度試したら好きになった それからそのことを隠そうとした
「僕は25年もこれをやっているよ」と言って
いいや、僕はもう耳を傾けないよ
それでも友達はみんなもっとくれとねだり続ける

あぁ、そうなんだよ
あぁ、でもこれで最後

<syco訳>

「1984年」と並んで、この「すばらしい新世界」も人気だね。 この小説に出てくる ソーマとは不快な気分になったとき飲んで、精神を安定させるドラッグのこと。 プロザックのようなものね。 

 

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「すばらしい新世界」からの引用だと知らなかったら、ストロークスがドラッグ中毒について歌っているようにしか聞こえない。 もしくはその通りだったりして。

 

Tea in the Sahara / the Police (1983) (「シェルタリング・スカイ」 ポール・ボウルズ著)

私と妹たちは
死ぬ前に一つやりたいことがある
変に聞こえるかもしれない
頭がおかしいと思われるかもしれないけど
わけは聞かないでほしい
闇から匿ってくれる空の下
私たちは奇妙な妄想があって
あなたの手中にその手段がある

あなたとサハラ砂漠でお茶を飲みたいの
あなたとサハラ砂漠でお茶を飲みたいの

若者は承諾した
彼女たちの望みを叶えよう
それで姉妹は彼の快楽を満たすために踊った
はかりきれないほどの喜びに満ちながら
姉妹はそこで若者を待つ
毎年同じ場所で
闇から守ってくれる空の下
砂漠を超えて彼が飛び発つ

あなたとサハラ砂漠でお茶を飲みたいの
あなたとサハラ砂漠でお茶を飲みたいの

空は闇と化した
あの人はいつか戻ってくるの?
姉妹はそびえる砂丘を上り
月に祈る
でも若者は戻ってこない
それで姉妹は燃え尽きた
その瞳は砂漠を見渡していた
ティーカップは砂でいっぱいだった

あなたとサハラ砂漠でお茶を飲みたいの
あなたとサハラ砂漠でお茶を飲みたいの

<syco訳>

「シェルタリング・スカイ「」は映画の方が有名かも。 私は映画を観て原作が読みた~いって思って、原作を買って2回読んだ。 大好きな小説よ。 モロッコに行きたくなったのも、この本を読んだから。 ポリスのこの歌詞の内容は、この小説の中で語られる逸話が元となっている。  

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サハラ砂漠なのに、なぜか曲調はレゲエ。 でもぴったり合っているから不思議だわ。

 

本好きプレイリストはもう一回続くかも。 

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