私の年間ベストアルバム 1993年 Bedbugs カナダのメロディメーカー

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私の住んでいたデトロイトは川を挟んで向こう側はカナダの街ウィンザーだ。 お昼においしい中華を食べにとか、ストリップを見に(カナダは規制がアメリカより緩くて、アメリカよりも見せてくれる)とか、20歳の誕生日にバーに酒を飲みに行くとか(アメリカは21歳から)デトロイト住民は簡単に橋を渡って行くことができた。 

90年代初期のカナダのバンド、スローン、ウォッチマン、グレープ・オブ・ラス、ウォルトンズ、オッズ、ほんと、よく聴いたな。 ラジオからカナダのバンドの曲がたくさん流れてたのは、今考えてみると国境周辺にいたからだよね。 カナダのインディバンドは、イギリス的なメロディの良さと、アメリカン・ロックのソウルフルなところの、ちょうど中間のような音だと、私は思うのね。中途半端と言っちゃおしまいなんだけど、両方の良いとこを取ってちょうどいい湯加減と言いたいね。 

1993年のアルバムを並べてみると、一番よく聞いたのがオッズの”Bedbugs"になってしまう。 同年に出たビョークの”Debute"も大好きなんだけど、デトロイトの思い出と重なってオッズに軍配が上がる。 アルバムは全部キャッチーでいい曲ばかり。 ラジオから流れてきたら、絶対一緒に歌ってしまう。 オッズはパワーポップにも入れられたりするけど、ギターはけっこうとブルージーで正統派ロックだと思う。 ハーモニーがきれいで、ビートルズっぽかったりもする。 

Wikiをみたら、このアルバムよりも次の”Good Wierd Feeling"の方がヒットしたんだね。 そっちのほうも、いい曲がてんこ盛り。 これと言って凄いインパクトがある曲はないけれど、すべて聴きやすくて心地いい。 カナダという国も、そういう国だ。 特に凄いってものはないけど、人は優しくて安全で住みやすい国。 寒くなかったら移住したいんだけどな。

 

It Falls Apart 

車輪が外れそうなのに火力全開で走る
煙を上げて
支える棒も持たず
穴に向かっていく
コントロールを無くしたこの感覚
好きじゃない

理由は分かっているけど、始めてしまった
最後の力を振り絞っても
終わりが来るのが分かる
愚かな自分を実感するけど
自分はそれに値する
ほかに選択はなかったんだ

全てが砕け散る
床に破片が広がる
散らばり過ぎて集めることも出来ない
だからもっと壊したくなる
砕け散る 砕け散る 砕け散る

早口で喋りまくるが意味を持たない
走って岩穴に潜り込め
そして最後が来た
愚かな自分を実感するけど
自分はそれに値する
ほかに選択はなかったんだ


全てが砕け散る
床に破片が広がる
散らばり過ぎて集めることも出来ない
だからもっと壊したくなる
砕け散る 砕け散る 砕け散る

youtu.be

曲もシンプル、ビデオもシンプル、でも頭に残って離れないメロディ。