ロケンロールマザーグース ① オレンジとレモン

ロケンロールに魅せられる前は、私はファンタジー大好きな子供だった。 ナルニア国物語、ミヒャエル・エンデ、ルイス・キャロル、ファージョン、ゲド戦記などなど、学校の図書館から毎日何か借りて来て読んでいたな。 妖精ってどこにいるのかなとか考えて、授業も聞かずボーっとしてるような小学生だったのよ。

自分のお小遣いで購入してまで大好きだったのが、谷川俊太郎訳、堀内誠一絵の、[マザーグースのうた」①~⑤だ。 巻末の原文も声を出して読んでいた。 韻を踏むのが面白かった。 

マザーグースのフレーズは、いろいろなところに出てくる。 聖書とマザーグースを知らないと、英語の表現を正確に訳せないって言われるほど、マザーグースは英語圏の人々の表現に染み込んでいるらしい。

ロケンロールの歌詞にもよく出てくるんだよね。 英語圏の子供は誰もがマザーグースを歌って育ったんだね。 一番マザーグースと関係なさそうな、クラッシュの歌詞にも出てくるよ。

 

Clash City Rockers / the Clash (1977)

俺はこの街をクラッシュ・シティ・ロッカーズで揺さぶりたいが
電気ショックが必要だ
俺らを叩くだけなら、この街を出ていくがいい
クラッシュシティロッカーの勢いに勝てるものはいない

エスカレーターを降りるようなレートを見ろよ
地下鉄が加速する音を聞けよ
そしてお前は何か目的がいることに気づく
さもなきゃいずれこの街はお前を打ちのめす

だからくだらない仕事の愚痴を言うな
今晩で永遠に辞めてしまえ
それか黙って楽しんでいるふりをするんだ
手にする賃金のことだけ考えて

乾ききったお前らに水を注ぎたい
それか空に突き出たアンテナに繋いであげたい
でなきゃ寝ぼけた郊外を焼き払いたい
やってみない限り成功はありえない

お前は俺に借りがある、と聖グルーブの鐘はいう
ここに来て見せてくれ、と古いボウイの鐘はいう
もっと痩せたらね、とゲイリー・グリッターの鐘はいう
お前と俺のほか誰もいない、とプリンス・ファーライの鐘はいう
お前と俺のほか誰もいない、とプリンス・ファーライの鐘はいう

<Syco訳>

youtu.be

 

どこにマザーグースの歌が出てきたのでしょう?

ハイ、これですね。子守歌と思いきや、最後に『首をちょん切るぞ』と、ホラーなのは、マザーグースあるあるだ。

「オレンジとレモン」と言えば、XTCのアルバムの名前にもあったな。 でも、そのアルバムには同名の曲はない。 だけどアルバム「スカイラーキング」の中の”Ballet For a Rainy Day”という曲の冒頭にこのフレーズが出てくるぞ。

 

Ballet For a Rainy Day / XTC (1986)

オレンジ色とレモン色の

レインコートがくるくる回る
それはまるで、お盆から転げ落ちる
果物のよう
パイナップルのような濡れた頭
せっかくのセットした髪が
バラバラに崩れるのをみてごらん
日の光が陰っていく

雨の日のバレエ
素敵な魔法を演じる無声映画

リンゴとサクランボが
水の中に消えていく
テラスの雨よけの輝く縞模様に困惑し
僕は絵の具の筆をもって、
新しい世界を描き出す
今の世界が徐々に流されていく中で

雨の日のバレエ
素敵な魔法を演じる無声映画
僕の窓の外で踊っている
ゆっくりと降りてくる灰色の幕を背景にして

雨が降れば
僕の絵の具箱の中の
すべての色にも
雨が降る
雨が降れば
劇場の最前列から
屋根の上まで
雨が降る

オレンジ色とレモン色の
レインコートがくるくる回る
リンゴとサクランボが一緒になって
ダイヤモンドのようにバラバラと落ちて来る

<syco訳>

youtu.be

 

クラッシュ・シティ・ロッカーズの歌を知らない人には、何のことだかわからないイラスト↓↓